
イスラエル南部のネゲブ砂漠、死海の直ぐ側にある世界遺産でもあるマサダ遺跡。ユダヤ人の反乱軍が、ローマ帝国の支配下にあった1世紀後半に最後の抵抗拠点とした古代の要塞です。断崖絶壁に囲まれた標高400メートルの丘の上に建てられており、自然の要塞として機能しました。敗れたユダヤ人たちの殆どが自決したと伝えられる悲劇の遺跡です。
頂上まではロープウェーまたは徒歩で登ることができ、頂上からの死海や西岸地区を見下ろす眺望はまさに絶景です。

世界遺産「聖書ゆかりの遺丘群」には、旧約聖書に登場するメギド、ハツォル、ベエル・シェバの3都市が含まれ、多くの信仰者や観光客が訪れます。
メギドは、旧約聖書の最後の戦い、「アルマゲドン」が行われる場所とされる街です。ハツォルは泉の名前で、モーセの部下ヨシュアがカナン人を破った際、この泉の近くに陣を敷いたとされています。ベエル・シェバは、アブラハムがこの街で契約を交わしたとされ、「契約の街」の別名を持ちます。(写真はメギド遺跡)

ネゲヴ砂漠にはかつてナバテア人による乳香や没薬などの香料貿易で栄えた街道があり、「ネゲヴ砂漠の香料の道と都市群」として当時の街の遺跡が世界遺産登録されています。
またネゲヴ砂漠にある、1億年以上にわたる地殻変動と浸食作用で形成されたラモンクレーターは、長さ約40km、幅約10km、高さ500mという世界最大級のクレーターです。この巨大クレータの端に位置する町ミツペラモンにある展望台から、圧倒的な景色を見渡すことができます。(写真はラモンクレーター)

三大宗教の聖地として世界的に知られるエルサレムは、旧市街とその城壁群が世界遺産とされています。約0.9平方kmという狭い面積の中に数千年に渡る歴史と文化が詰まっているのみならず、現在でも約3万人がこの地域に住んでおり、大きくユダヤ教区・キリスト教区・イスラム教区・アルメニア人地区の4地区に分かれています。
旧市街地ツアーは壁に囲まれた狭い道を歩くことが多いのですが、ダビデの塔や神殿の丘に登ったり、城壁の上を歩くツアーに参加すると街を俯瞰でき、違った驚きを体験できます。