AIやインターネットのように、社会全体を変革する可能性を秘めている量子コンピューティングに注目が集まっています。そんな中、量子アプリケーション開発のための革新的なプラットフォームを提供する、イスラエル発の量子ソフトウェア企業 Classiq Technologies(クラシック テクノロジーズ:以下Classiq) が、1億1,000万ドル(約170億円) にのぼるシリーズC資金調達を完了したことを発表しました。これは量子ソフトウェア業界史上最大の資金調達額であり、同社の技術力と将来性に対する国際的な期待の大きさがうかがえます。

同社の提供する、量子アプリケーションの設計から実行までをワンストップで行う包括的なプラットフォームは、開発者の負担を軽減しつつ、あらゆるハードウェア環境に対応できる柔軟性を備えています。また、これまでに60件以上の特許を出願しており、100%の審査通過率という驚異的な実績を誇っています。今回の調達ラウンドでは、同社の「量子時代のMicrosoftを目指す」というビジョンに共感した HSBC、Samsung、Microsoft、AWS、NVIDIAなど、名だたるグローバル企業が出資者として名を連ねました。
量子コンピューティングを現実の社会課題解決へとつなぐ「実用的な架け橋」として注目を集める同社プラットフォームは、BMW、Deloitte、東芝、Citiなど世界中の大企業をはじめ、大学や研究機関で活用されています。
Classiqの日本オフィスは今後、アジア太平洋地域におけるハブとして戦略的な拡大を進める予定です。ゼネラルマネージャーの田中晃氏は、「量子時代の本格的な到来は目前に迫っています」と語り、企業の競争力強化を支える中核的な技術としてClassiqの役割を強調しています。
技術革新を通じて、量子の未来を手の届くものに──Classiqの挑戦は、これからの量子時代における「標準」を築く大きな一歩となりそうです。
■Classiq Technologiesについて
Classiq Technologiesは、量子アプリケーションの設計から実行までをワンストップで行う包括的なプラットフォームを提供しています。同社が開発した「Qmod(キューモッド)」は業界初の高水準モデリング言語であり、量子アルゴリズムの概念を直感的かつ高い抽象度で記述することを可能にします。ネイティブ構文、Python統合、およびグラフィカルエディタを活用することで、効率的で直感的な量子プログラムの開発を支援します。この高水準の記述式の量子アプリケーション開発環境により、従来型のゲートレベルでの手動設計とは異なり、量子回路生成を自動化することが可能です。これにより、量子ハードウェアに関する専門知識のない開発者においても、AI、機械学習(ML)、線形代数の知識を活かして量子コンピューティングを活用できるようになります。
さらに、Classiqのプラットフォームは、多様な量子ハードウェアおよびシミュレーターと連携しており、それぞれの制約条件に応じた最適な回路を自動生成します。これにより、開発者の負担を軽減し量子コンピューティングの全体的効率を大幅に向上させます。Classiqは、量子コンピュータ、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、量子シミュレータなどの先進的な計算ハードウェアプロバイダーと協業を進めています。
ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)、HSBC、Samsung、インテーザ・サンパオロといった強力な投資家に支えられ、ワールドクラスの科学者・エンジニアチームが長年にわたり培ってきた量子コンピューティングの専門知識を基盤に、量子アプリケーション開発を変革する開発プラットフォームを提供しています。
公式ウェブサイト:https://ja.classiq.io/