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LIFESTYLE

2021•ミス ユニバース日本代表 同年世界大会• Top16、渡邉珠理さん イスラエル・スタディ ツアーに参加

by 中島 直美 |2021年12月31日

2021 年12 月、イスラエル南端の町、エイラットにおいて第70 回 ミス・ユニバースが開催されました。そこに日本代表として参加したのが渡邉珠理さん。彼女は同大会のTOP16 に選ばれ、ファイナル出場を果たしました。日本人のファイナル出場は2015 年以来6 年ぶりの快挙です!


ミス・ユニバース日本代表の渡邉珠理さんの写真です。
2021年度ミス・ユニバース日本代表 同年世界大会Top16、渡邉珠理さん ©MY group Co., Ltd.

これまで報道や読み物などでしか知らなかったというイスラエルに、今回はじめて降り立った渡邉珠理さん。イスラエル人の温かいホスピタリティーや枠にはまらない考え方に触れたことで、持ち前の好奇心が刺激されたと言います。そこで、女性の社会進出を通じて日イの関係強化を目標とする両国の女性グループ、NEW-IJが、イスラエルでのスタディツアーを準備しました。渡邉さんはミス・ユニバースの大会終了後、急遽イスラエル滞在期間を延長してイスラエルをもっと深く知る旅に出ることになったのです!

今回は、その旅の様子を詳しくお伝えします。


渡邊珠理さんとイスラエルの老舗ティーカンパニー、ヴィソツキー社の会長、シャロム氏の写真です。
イスラエルの老舗ティーカンパニー、ヴィソツキー社の会長、シャロム氏と一緒に ©delouya rafi

渡邉さんは、UCLA カリフォルニア大学ロスアンゼルス校で国際開発を専門に学び、またメンタル・ヘルスにも強い興味を持っているそうで、将来は起業して社会全体に良いインパクトを与える仕事をしたいと考えているとのこと。NEW-IJによるイスラエル・スタディーツアーでは、持続可能な農業開発やテクノロジーを使った都市農業、女性による起業や女性の社会進出および多様性に焦点が当てられました。


訪問先の一つであるネタフィムはイスラエルの老舗、世界でも最大の農業関連企業で、世界的水不足、食糧需要の増加、農地の必要性という、世界の重要な生態学的課題に全社を挙げて世界各地で取り組んでいます。ネタフィム・ジャパンの社長、ジブ・クレマー氏の取り計らいで、イスラエルのシャロン地方にあるキブツ・マガルの農業リサーチ・パークを訪問し、資源を無駄にせず、環境を守りながら、人的負担の少ない合理的な最新農業を実現するというテクノロジーを見学。世界の農業の課題や解決策について、多くの知見を得ることができました。


渡邉さんと農業ラボに勤める男性が笑顔でこちらを向く写真です。
ネタフィムの農業ラボを見学する渡邉さん ©Tamar Matsafi

また、渡邉さんを勇気づけ、さらなる飛躍へと想像力を掻き立てたのが、女性起業家たちとの出会いです。ACT Food Tech hub of Tel Avivのコ・ファウンダー、カルミット・オロン氏、日本の投資家たちをサポートするベンチャー・キャピタル、AristaGoraVCのアナット・ティラ氏、NTTイスラエル社長のノア・アシェル氏など、多くの女性起業家や重要なステークホルダーに出会い、女性の社会進出について意見を交わし、刺激を受けました。


ズーム形式で会議に参加する女性が子供と一緒にいる、子供の体調が悪くなってしまったので会議を早めに退出する、遠隔保護者会があるため少しだけ会議を抜けてまた戻ってくる…この様なことが今回のスタディーツアー中にも何度もありました。


けれど、こういったことはイスラエルでは珍しいことではありません。そのためサポート体制も整っていて、きめ細かなコミュニケーションのもとに会議の内容などがアップデートされ、支障が出ることはありませんでした。柔軟な対応はイスラエルの最も得意とすることの一つです。


また、ヘブライ大学およびテルハイカレッジを訪問し、東アジアンスタディーを専攻する学生たちや、大学付属のインキュベーターシステムで起業を目指す学生たちとも交流。OurCrowdやKinneret Innovation Hub、Fresh Start、Sompo Digital Lab、Mitsubishiといったイスラエルの最先端のイノベーションラボ、また日本とかかわりを持つ企業なども見学しました。


SOMPO Digitalにて、CEOのイノン氏と渡邊さんが笑顔でこちらをみている写真です。
SOMPO Digitalにて、CEOのイノン氏と。©fabian koldorff

さらに、青少年の活動グループYouth NEW-IJにも参加した渡邉さん。Youth New-IJは日本に興味のあるイスラエルの青少年や日・イのダブルルーツを持つ青少年の社会的活動の場で、男女ともに平等な日・イ関係強化を促進する次世代を育てるための、NEW-IJ傘下のネットワークです。


そして、NEW-IJとは特別な相互サポート関係にあるイスラエルのNPO団体、Operation Sistersのチャリティーカンファレンスにも参加。Operation Sistersは、国籍や市民権がない、外国人である、などの理由から、家族間や親子間の法的な問題に不利な状況に追い込まれてしまった子供や女性を支援する団体です。


渡邊さんとYouth NEW-IJ の子供たちとの写真です。
Youth NEW-IJ の子供たちと。子供たちはたくさんの疑問をぶつけ、意見を活発にかわしていました。©Eliya Tsuchida

このふたつの場所で渡邉さんは、彼女の生い立ちや「家族」に対する率直な気持ち、個人的なお話を、心を込めて具体的に話してくれました。自分に自信を持てなかったひとりの女性が、日本を代表して世界の舞台に立つまでの物語、彼女の家族に対する愛の心、特に母親に対する感謝の気持ち、そして女性として生きるとはどういうことなのか…。


Operation Sistersでの渡邉さんのスピーチは会場を感動で包み込み、涙を拭う人が絶えませんでした。Youthの会で渡邉さんを質問攻めにした12~15歳の子供たちは、渡邉さんの暖かく心のこもった受け答えから、地道な努力の上にある美しい世界の本当の意味を知り、自分の将来をさらに大きく描くための刺激を受けました。


「今まで『美しさ』の本質を勘違いしていたということに気づきました。珠理さんを通してミス・ユニバースを知ることが出来て、本当にうれしく思っています」フェミニズムの観点から、「ミス・ユニバース」に対して批判的な意見を持っていた15歳の女の子が渡邉さんと出会い、共に時間を過ごした後に述べてくれた感想がとても印象的でした。


ドレスを着た渡邊さんがOperation Sistersと共に写った写真です。
Operation Sisters と一緒に

ミス・ユニバースの大会終了後約1週間という短い期間で、渡邉さんはイスラエル各地を回り、行く先々で出会った人たちに日本女性の強さと美しさをしっかりと印象づけました。世界のトップ16人に入るその美しさはもちろんのこと、人々が最も感動したのは、渡邉さんに出会った人々をひとり残らず幸せな気持ちにさせるその明るい存在感、好奇心に満ちた鋭い質問の数々、飾らずに誰とでも気さくに話す開いた心、そして彼女の人柄でした。


スタディーツアー最終日にはMitsui-Sumitomo Insurance とDirect Insuranceの好意により提供された、Brain Embassyというコ・ワーキングスペースにて、関係者一同が集まるレセプションが開催され、在イスラエル日本大使館の高橋公使の挨拶で幕が開きました。渡邉さんはこのレセプションで大勢の関係者に対する感謝の言葉とともに、このイスラエルの旅の締めくくりの挨拶をしました。


「ここイスラエルで新しく学んだことを日本に持ち帰り、日本とイスラエルの良い部分を融合させて、今後、世界をさらに良いものにするためのインパクトを与えられる仕事が出来ればと思っています。新たな目標に向かって前に進んでいきたいです。」


渡邉さんの堂々たる立ち居振る舞いと、感動的な挨拶は、このレセプションに参加した関係者全員に、これからの日・イ両国の関係がさらに強固に、さらに良いものになっていくだろうとの希望を湧き起こさせるものになりました。会場は割れんばかりの拍手で満たされました。


人懐こい性格と華やかな笑顔で、会う人を魅了してやまない渡邉珠理さん。これからの活躍が期待されます。そしてイスラエルは、渡邉さんがまたこの地を訪ねてくれる日を楽しみに待っています。


NEW-IJのメンバーとドレスを着た渡邊さんの写真です。お酒が乗ったテーブルも映っています。
NEW-IJのメンバーと共に、最後の夜のレセプションで