世界を舞台に活躍する室内楽グループ、イスラエル・チェンバー・プロジェクト(ICP)が、2025年6月、ついに日本初公演を行います。舞台は「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)」のブルーローズ(小ホール)。管楽器やハープを含むユニークな編成と、伝統と現代が交錯する独創的な選曲、そして国境を越えるグループの魅力をご紹介します。

イスラエル・チェンバー・プロジェクト(ICP)のメンバー。左から、シヴァン・マゲン(ハープ)、ティビ・ツァイガー(クラリネット)、ミハル・コールマン(チェロ)、アサフ・ヴァイスマン(ピアノ)、ダニエル・バード(ヴァイオリン)
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“CMG”で奏でる特別な2公演
クラシックの音楽の原点とも言われる室内音楽をもっと気軽に楽しんでもらいたいという願いをもと、2011年にスタートした「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)」。いまでは、国内最大規模の室内楽の祭典として知られ、毎年6月にサントリーホールで開催され、多くのファンに愛されています。
そして、2025年の目玉のひとつが、イスラエル・チェンバー・プロジェクト(ICP)による2公演。6月19日と21日、それぞれまったく異なるプログラムで構成。多彩な音楽的世界を存分に体験できる絶好の機会です。

意外と知らない“室内楽”
室内楽は、17〜18世紀に貴族の邸宅で演奏されたことが由来と言われています。編成は、少人数の演奏者が一人一パートを担当するクラシック音楽のスタイルが特徴的。その代表的な編成には、弦楽四重奏やピアノ三重奏があります。また、オーケストラに比べて構成がシンプルなため、各楽器の音色や演奏者の個性をより身近に感じられるのも魅力のひとつです。
国境を超える、自由で革新的な室内楽
イスラエル・チェンバー・プロジェクトは、2008年に設立された室内楽のスペシャリスト集団。イスラエルとアメリカ・ニューヨークを拠点に一流のソリストたちが卓越した個性を発揮しながら、作品の魅力を最大限に引き出す有数のアンサンブルです。ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器に加え、クラリネットなどの管楽器、そしてハープやピアノを自在に組み合わせるユニークな編成で知られています。

日本のトップ演奏家も参加する一期一会のアンサンブル
今回の来日公演では、日本の著名な演奏家たちも共演。ヴィオラの赤坂智子氏は、長年にわたりイスラエル・チェンバー・プロジェクトと深い関係を築いてきた“内なるメンバー”とも言える存在。さらに、小川響子氏(葵トリオ)、上野星矢氏(フルート)など、国内外で注目の演奏家たちがイスラエル・チェンバー・プロジェクトの初来日公演に花を添えます。
なお、2公演で演奏される曲は、すべてが異なるというのも注目のポイント。それぞれの公演が「初演」と言えるライブ感は、聴き手に強烈な印象を残すはずです。

演奏会 I (6月19日)
1公演目は、ハイドン、シューマン、ブラームスなどの伝統的なクラシック音楽の作曲家の作品に加え、マルティヌーやブルッフといった近代音楽の作品を織り交ぜたプログラム。シヴァン・マゲンのハープが、名曲に新鮮な命を吹き込みます。
演奏会 II (6月21日)
2公演目は、より現代的な曲を織り交ぜたプログラムが展開されます。なかでも、イスラエル・チェンバー・プロジェクトが好んでプログラムに入れる、コーエンによる委嘱作品の「蛍の哀歌(Elegy for Fireflies)」は注目です。
ICPが鳴らす言葉を超えたメッセージ
『アメリカン・レコード・ガイド』誌から「グループの良さは生で聴かないとわからない」と称賛される彼らが生み出す音楽。
そして、国境や文化を超えて響き合う音楽の力。イスラエルと日本が出会い、つながるこの特別な2公演は、私たちに“普遍的なつながり”を感じさせてくれる貴重な体験となるはずです。特別な2公演の感動を、ぜひホールでご体感ください。






◼️サントリーチェンバーミュージック・ガーデン2025について
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/chamber2025
◼️イスラエル・チェンバー・プロジェクト(ICP)
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/article/detail/001638.html