イスラエルでは、キリスト教国出身のユダヤ人や移民による影響で、近年少しづつ若い人を中心にバレンタインデーへの認知度が高まってきましたが、一般的に日本のようにバレンタインデーを祝う習慣はありません。しかし、イスラエル版バレンタインデーともいうべき「愛と結婚の祭り」である「Tu B'Av(トゥベアブ、愛の日)」を祝う習慣があります。この日は、愛、結婚、ロマンス、コミュニティの結束を祝う日と定められています。

愛の日の起源
Tu B'Avは、ヘブライ暦の5月15日(太陽暦の8月ころ、2023年は8月2日)に行われる古代イスラエルの祭りの一つ。西暦70年のエルサレム陥落前の第二神殿時代に、未婚の女性の縁結びの日として機能していました。結婚相手との出会いを願う当時のユダヤ教徒の未婚の若い女性が、白い衣服を着てブドウ園の周りで歌を歌いながら踊る日だったのです。女性は歌ったり踊ったりすることで、将来の結婚相手に自分をアピールしました。
ユダヤ教において1日の始まりは日没からとなるため、実際にはヘブライ歴5月14日の日没からTu B'Avがはじまりますが、ユダヤ教の他の祝日(ペサハ、スコット、トゥビシュバット等)と同様、太陰暦ではこの日は満月の夜にあたります。古代文化ではしばしば、満月の夜はロマンスや愛情、豊饒と結び付けられることがありますね。

現代イスラエルにおける祝い方
今日その習慣は残っていませんが、このような起源から、愛の日は愛と幸福の象徴として広く認識されており、特に若い人々にとっては特別な意味を持っています。現代イスラエルではこの日を記念して、多くの愛を賛美するイベントが行われます。また、この日を結婚式や婚約式の日として選ぶことは現代でもポピュラーであり、多くの人々が愛と結婚の祝福を受ける日でもあります。さらに、花や贈り物の交換、ロマンチックなデート、ピクニックなどが一般的に行われています。

まとめ
8月のイスラエルを旅する予定があるなら、是非この特別な一日の活気と喜びに満ちた雰囲気を味わってください。この日は法的には休日ではなく、通常の勤務日となりますが、夏の開放的なムードとの相乗効果でハッピーな体験になること間違いなしです。

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