イスラエル・テルアビブの小さなジェラート店から始まり、ニューヨーク、ロンドン、バルセロナ、シドニーなど、世界各地へと展開するジェラートブランド「ANITA アニタ」。その原点にあるのは、壮大な事業計画ではなく、家族のためにジェラートを作っていた一人の母親と、彼女が大切にしてきた“惜しみなく与える心”でした。

ブランドの原点は、母アニタの手作りジェラート
ANITAの物語は、ブランド名の由来となった母アニタから始まります。アニタが家族のために作るジェラートは、やがて多くの人に愛されるようになり、2002年、テルアビブのシャバジ通りに最初の店舗が誕生しました。

ブランドが創業時から大切にしてきた価値観は「Generosity 惜しみなく与えること」です。それは、素材を贅沢に使うことだけでなく、温かな接客や心地よい空間を通して、訪れる人に幸福な時間を提供する姿勢にも表れています。

2006年には4店舗まで拡大し、2011年にはイスラエル中部ラアナナに自社工場を設立。2012年にはフランチャイズ事業を開始し、2014年にはオーストラリア、2020年にはニューヨークへ進出しました。
家族から始まった小さな店は、約20年の間に国際的なジェラートグループへと成長したのです。
おいしさを支える「調理」と「オペレーション」
ANITAが掲げる成功の方程式は、「商品」「ブランド」「オペレーションの徹底」という3つの要素です。
なかでも商品づくりで重視しているのが、店内で丁寧に調理する工程です。ジェラートは単に材料を混ぜるのではなく、素材の持ち味を生かしながら手間をかけて仕上げることで、独自の食感と豊かな味わいを生み出しています。



ブランドづくりでは、従来のジェラートショップのイメージにとらわれず、ファッションやジュエリーの世界観を取り入れています。店舗のデザイン、照明、音楽、商品の配置、スタッフの笑顔に至るまで、あらゆる要素を細かく設計。ジェラートを食べる時間そのものを、特別な体験に変えています。


現在、グループ全体では月間約100万人の顧客を迎え、従業員数は2,600人を超えます。提供されるジェラートは、2,000万スクープにのぼるといいます。
自社工場から世界の店舗を支える
ANITAグループは、テルアビブでの直営店舗運営に加え、原材料の製造、物流、フランチャイズ、海外事業を一体的に展開しています。
中東地域に構える約6,000平方メートルの自社工場では、ジェラートのベース素材やソース、クリーム、チョコレート、冷凍フルーツ、焼き菓子などを製造。ビターチョコレートやホワイトチョコレート、ミルクチョコレートを使ったトリュフなども手がけています。

こうした生産体制と物流網が、店舗ごとの品質を守りながら事業を拡大するための基盤となっています。
また、ANITAグループがイスラエル国内で展開するフランチャイズブランド「GOLDA ゴルダ」は、2012年の第1号店開業以来、全国約120店舗へと成長しました。専門機器や原材料、関連商品の供給に加え、研修、店舗運営、ブランディングまでを一貫して支援することで、ANITAならではの体験を各店舗で再現しています。

イスラエルのジェラートを世界へ
今後は、生産工場における焼き菓子やチョコレート部門の拡充、原材料の海外輸出、イスラエル国内のフランチャイズ網の拡大を進める計画です。さらに、米国、欧州、オーストラリアを中心に、今後3年間で少なくとも60店舗の新規出店を目指しています。日本に進出する日が待ち遠しいですね。

母アニタの台所から始まったジェラートは、いまや国境を越え、世界中の人々に笑顔を届けています。ANITAの成長を支えているのは、優れた商品や事業モデルだけではありません。家族や顧客、そして地域に対して“惜しみなく与える”という創業時から変わらない精神こそが、ブランドの物語を未来へつないでいます。


