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CULTURE

プライド月間に50以上のLGBTQ関連イベントが開催!LGBTQ先進国イスラエル

by ISRAERU 編集部 |2021年06月16日

LGBTQのイメージ

50以上のLGBTQ関連イベントが開催されるイスラエル

ご存知のように6月は、LGBTQ+の社会での認知向上と平等の権利獲得のために、様々な催しが世界中で行われる、いわゆる「プライド月間」にあたります。イスラエルでも、このLGBTQ+の権利を主張するプライド・パレードは、1988年から実施されています。この運動は年々盛り上がりを見せており、今年は50以上のプライド関連イベントが予定されています。


このプライド・パレードは、非常に大規模で賑やか、そしてカラフルな行進イベントなのですが、もちろんその目的は非常に明確。社会から阻害され、奇妙な目で見られがちなマイノリティの人々が安心して暮らせる、差別のない社会を作って行くことが大きな目的です。


異性愛者の人々も多く参加しており、このLGBTQ+の活動を支援し、LBTTQ+の人々の主張を社会に受け入れられるよう、様々な活動を行っています。そして最も大事な側面は、このイベントが単なる抗議活動のようなデモ活動ではない、ということでしょう。このパレード、そしてイベントは、音楽と様々なデコレーションに溢れた、とてもポジティブなバイブレーションに包まれた、素晴らしいパレードイベントなのです。


テルアビブゲイプライドの様子

平等な社会の実現へ

このパレードが社会にとって、とても重要であることは論を待ちません。それは多くの同性愛者の人々が社会からの差別を受け、迫害ともいえる仕打ちを受けている現状が未だに存在するからです。しかし、こうやって何千人もの人々が共にパレードをすることで、全ての人々が自分の安全を脅かされる事なく生きられる社会の実現に向けて、現在の法律をより良い方向へ改革するための要求を強くアピールするための、サポーターたちの土台を作ることが出来るのです。


そしてもう一つの目的が、社会の中での平等の獲得です。未だにイスラエルでも、同性愛者の結婚は認められておらず、異性愛者の結婚で得られる様々な権利を、同性愛者のカップルは受け取ることができないのです。


なので、一部の同性愛カップルは、結婚後の権利の一部だけでも受け取ることが出来る、パートナーシップに関する法律上の同意を結ぶことを選択したり、国外での結婚を選択する人々もいたりします。しかし帰国後に、全てのイスラエルの地方自治体が、その結婚を認める訳ではありません。最近になっていくつかの自治体では、このような同性愛者間での結婚をちゃんと認めようとする動きがあります。しかし、完全な平等という段階には、まだ程遠いのが現状なのです。


ゲイパレードの様子

テルアビブはゲイフレンドリー?
CULTURE

テルアビブはゲイフレンドリー? テルアビブはゲイフレンドリー?

Mali Ma / 2020年11月17日


2021年に予定されているプライド・イベント

イスラエルでのプライド月間は、特にエルサレムの地を筆頭に、既に始まっていると言えるでしょう。いくつかの地方自治体は金銭的なサポートを含め、こういったプライド・イベントを公的に後押ししているのですが、エルサレムを含む他の自治体では、この活動に踏み込むことを未だに躊躇しているのが現状。そこでLGBTQ+のNPO団体は、イベントのための基金を独自で立ち上げているのです。エルサレムでは、エルサレム・オープン・ハウスという団体がそれにあたります。



しかしコロナ禍によるパンデミックで、この団体も経済的な苦境に陥ってしまい、ついに今年はパレード後のライブイベントがすべて中止という状況に追い込まれてしまいました。その代わり、エルサレム同性愛者コミュニティーによって制作された特別番組のTV放映が発表されたのです。


しかし、この知らせを聞いた人々により、クラウドファンディングが立ち上げられ、エルサレムでのプライド・パレード自体が6月3日に行われました。


その他のイスラエル国内でも、合わせて40以上の都市でパレードが実施される予定ですが、やはり最大規模のパレードは、テルアビブで実施されるものでしょう。まだ詳細な内容は決定していませんが、このパレードは6月25日に行われる予定です。今年のテーマは「平等獲得に向けた戦い」となっており、パレード用に飾りつけられたトラックでの行進などは実施されない模様です。



しかしこのパレード以外にも、テルアビブではピクニックやゲイ映画祭、様々なパフォーマンス、ビーチパーティーや若者たちのパレードなども予定されており、6月だけに限らず、7月まで様々な催しが続く予定です。