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CULTURE

イスラエルで人気の春を告げるお祭り「ペサハ(過越祭)」とは?

by ISRAERU 編集部 |2021年03月24日

春の訪れを告げるアーモンドの木が咲く頃、イスラエル人はみんなペサハ(過越祭)の準備をし始めます。ペサハ(過越祭)とは、旧約聖書、出エジプト記によると、モーセがエジプトで奴隷として苦しんでいたユダヤの民を引き連れてエジプトを脱出したことを記念するユダヤ教の行事です。

2021年は3月27日から4月4日までがペサハにあたります。

聖書によると、エジプトで奴隷になってしまったユダヤの民は神様に祈り、預言者のモーセを派遣してもらいました。モーセはユダヤの民を解放するよう訴えましたが、エジプトの王であるファラオはユダヤの民を解放するのを断りました。

そこで神様は、エジプトの王であるファラオがユダヤの民を解放するまで、10個の災いをもたらします。その災いとは、ナイル川の水を血に変える、蛙、ぶよ、アブ、バッタを放つ、疫病を流行らせる、腫れ物を生じさせる、雹(ひょう)を降らせる、エジプトを暗闇で覆う、エジプトの初子を人間から家畜に至るまで皆殺しにするといった非常に恐ろしい内容です。

最後の災いの前に、神様はモーゼに扉に印がない家にその災いをもたらすと伝え、モーゼはユダヤの民に扉に赤の印をつけるように指示します。こうしてユダヤの民は、扉に赤の印をつけたことでその災いを受けずに済んだ、つまり「過ぎ越した」ということが「ペサハ(過越祭)」の名前の由来です。

この災いにより長男を失ったエジプトの王ファラオは、ついにユダヤの民を解放します。しかし解放からわずか3日後、気が変わったファラオは軍隊を率いてモーセたちを追い詰めるのです。そしてモーセたちが紅海に追い詰められたとき、モーセは杖を上げて海を割り、ユダヤの民のための道を作りました。


ユダヤの民が無事に道を通過した後、モーセは海を元に戻し、追いかけてきたエジプト人を海に沈めます。その後、ユダヤの民は40年間砂漠で彷徨ったあと、ついに約束の地に辿り着くのです。

ペサハの準備

神話によると、エジプトから脱出する間、ユダヤの民はパンを発酵する時間がなかったことから、ペサハの一週間は発酵食品が禁止されています。

発酵食品は「ハメツ」と呼ばれ、ペサハの準備ではこのハメツを捨てたり、燃やしたりします。また特別な穀物フリーの環境で作られていない食べ物についても、ハメツと接触した可能性があるため処分されます。

ペサハの時期は、ハメツの販売が禁止されているため、スーパーのハメツコーナーはカバーで覆われます。またスーパーの出入り口には寄付のコーナーが設置され、買い物客はわざと多めに買い物をし、貧困に苦しむ家庭を援助するため寄付を行います。

セデル

ペサハの始めに行うイベント「レイル・ハセデル」は、ペサハを祝う晩餐です。親戚や友人が集まり、「出エジプト記」の話をしたり、歌ったり、食事をしたりして過ごします。

食事の前には、伝統的な歌の歌詞、哲学的な評釈や神話などが書かれている「ハガダ」という冊子が配られ、順番に読む習慣があります。

ハガダは様々な出版社から出版されているため、その見た目は多種多様です。

過去の困難や将来の希望を象徴する食べ物に対するお祈りもハガダに含まれています。

セデルではグラスを左に傾け、ワインを4杯注ぎます。5杯目はメシアの到来を告げる預言者エリヤの分とされ、ワインは注ぎません。

そしてある時点で、上座に座る人はアフィコマンと呼ばれるマッツァ(クラッカーの様なパン)を布で覆ったものをどこかに隠し、食事後に子供たちは誰が一番最初に見つけられるか競争します。最初に見つけた人は賞品をもらうことができるのです。

伝統的な食べ物

マッツァ

ペサハの期間は酵母を含む食べ物が禁止されているため、マッツァと呼ばれるクラッカーのような無酵母パンを食べる習慣があります。マッツァは厳格な監視の下で作られ、生地が膨れることのないようこね続け、18分以内に作り終えなければなりません。

他の食べ物についても、同様のルールに従う必要があり、ペサハに適しているという証明を得なければなりません。マッツァを細かく砕いたものを小麦粉の代わりとして使った料理を作る人もおり、またこの時期には多くのグルテンフリー食品がお店に並びます。

ペサハは春の行事のため、多くの人はピクニックなどをしてペサハを過ごします。食事については制限がありますが、自由をお祝いするとても陽気な祝日です。