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CULTURE

【連載】映画で巡るイスラエル Vol.13|「シュティセル家の人々」

by 福島洋子 |2022年08月03日

映画で巡るイスラエルバナー

これまで様々なイスラエル映画を紹介してきましたが、今回はイスラエルドラマをご紹介。エルサレムに住む、超正統派一家の4世代を描いた「シュティセル家の人々」を紹介します。


このドラマは欧米で人気を博し、現在日本でもNetflixでシーズン3まで放映しているので、じっくりと鑑賞できます。



ドラマ紹介とあらすじ

「自分たちと違う世界を見てみたい」という視聴者の好奇心を満たしてくれるこのドラマ。例えば、男性は働くよりも、タルムードやトーラなどの経典を学ぶことの方が重要で、女性が一家の稼ぎ手で、商売においてやり手だったりします。学校は男女別学で、結婚もマッチメーカーという仲介人にお金を払って、お見合いをセッティングしてもらうなど、大変興味深い内容です。


ドラマの中心人物は、一家の家長である父親のシュレームと末っ子の20代のアキバです。絵を描くのが好きで、画家を目指す夢想家のアキバ。一方、シュレームは信仰、祈り、遵守を大切にする保守的な父親で、アキバのふらふらした生き方を快く思っていません。


シュティセル家もその他の家族もみな、伝統に基づいた信仰や習慣に従って生活をしています。しかし、それぞれ伝統を守りたい気持ちと、新しい世界に身をおきたいという間を行き来しているところが、非常に愛おしく、登場人物に強い共感を得るのです。


このシリーズでは愛、亡くなった人への思い、家族への希望など、多くの切なる願いが描かれています。そして、家族や親戚の絆がとても強く、困った時は家族が集まり、話し合って解決をしようとするのです。家族が一緒に食事をするシーンが非常に多く描かれているのも、家族と過ごすことの大切さを伝えているように感じられ、それが視聴者に温もりと親しみを与えています。彼らにとって、家族は最も大切なものなのです。ドラマを見終わる頃には、自分もすっかりシュティセル家の一員になったような気になります。


このドラマを観ることによって、現代のイスラエルや正統派ユダヤ人について、より深く理解ができ、そしていろいろな角度から楽しめますので。ぜひご覧になってください。



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