Share

As Promised Magazine

隠された啓示

by As Promised Magazine |2020年10月07日


この一連のシリーズを通じたその揺るぎない眼差しは、堂々とした自信と慎み深さが合わさった事で生まれたものでしょう。幾重にも重なったひだの揺れるドレスを身に纏ったモデルを収めたその写真は、非常に感慨深い、隠された秘密を表象している作品と言えるのではないでしょうか。



俗に「アブラハムの宗教」と呼ばれるユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教という世界三大宗教を生んだ、エルサレムという、何千年にも渡る歴史を持つこの土地は、古代王朝の歴史や、そこで行われた様々な荒々しい戦い、そして輝かしい啓示の瞬間の余韻を、その一つ一つの街路の下に宿しています。



ここは、遠くカナンの地に始まり、ユダヤ、アッシリア、バビロン、そしてペルシャから、ハスモン王朝、ローマ帝国、ビザンチン帝国、イスラム帝国、オスマン帝国、果ては、英国王朝、そしてイスラエルに至るまで、過去の数え切れないほど様々な国家の入り口となってきました。まさに、そんな遠大な歴史を持つこの地に捧げられた唄のように、写真に収められたファッションは、そのモデル、街、そしてその地そのものが、目に見える以上の意味を持つことをあえて隠し、そしてそれを啓示するように、注意深く意図して選ばれたものなのです。モデルを取り巻く不可思議な雰囲気は、まるで彼らが、そんな歴史と宗教の幾重にも重なった只中に漂っているかのようなイメージを私たちに与えてくれます。彼らの衣服は、それがまるで厳かな隠れ蓑であるかのように、見る者に、その幾重もの重なりの一つ一つに何が横たわっているのかを、見て、学び、そして露わにしていく事を熱望しているのです。



Photos by Asaf Einy | Styling by Shay Lee Nissim | Words by Meryl Fontek