
170年の歴史を誇る老舗紅茶ブランドで、現在はイスラエル最大の紅茶メーカーとして知られるWissotzky (ヴィソツキー) 。イスラエル国内では紅茶市場の約70%以上のシェアを持つとも言われ、世界各国へ輸出されているグローバルブランドです。
イスラエル本社と、都心から100kmほど離れた、イスラエル北部ガリラヤ地方にある製造拠点を訪問し、その歴史と魅力についてお伺いする機会を頂きました。他では聞けない貴重なお話の数々を皆様にご紹介します。

ロシアから始まったヴィソツキーの歴史
Wissotzkyは、1849年モスクワ・ロシアで、ユダヤ人のKalonimus Wolf Wissotzky (クロニムス・ウルフ・ヴィソツキー) 氏により創業。家族経営の紅茶ブランドで、5世代にわたる老舗です。ロシア皇帝に専属で献上していた歴史を持ち、19世紀初期には世界最大の紅茶ブランドでもありました。長い歴史の中で、ロシア革命、第一次ならびに第二次世界大戦など、様々な世界の変遷と共に歩んできました。

ヴィソツキーの紅茶が支持される理由
Wissotzkyの当主は、英国の正式なマスター・オブ・ティーブレンダーの資格を有します。新ブレンドの紅茶を世に送りだす際、風味・味・色などを厳格にチェックし、最終的な承認をするのは当主の役目です。言い換えると当主が承認するまで、商品として世に送り出すことはできません。最終の微調整も当主が指示を出します。
ブランドの揺るぎのない地位の背景には、このような詳細で繊細な工程を幾代にも渡って継承し続けた功績によるものでしょう。
インタビュー:ヴィソツキーの世界戦略
Wissotzkyの歴史と魅力について、ティーテスターとして豊富な経験を持つ会長兼オーナーのShalom Seidler(シャローム・サイドラー)氏とHead Of International Division (国際部門本部長) を担う、Bosmat Levi (ボスマット・レヴィ) 氏にお話を伺いました。

―――本格参入した日本で、Costco (コストコ) を販売先に選び、ハーブティに特化して展開した理由は何ですか?
当時コストコには、既に数社の紅茶メーカーの商品が販売されていたものの、どれもブラック・ティーと呼ばれる、いわゆる「紅茶」で、カフェインフリー (カフェインを含まない) ハーブティーはありませんでした。日本は昔からお茶に馴染みのある文化で、子供から大人までお茶を頂きます。近年は健康の為、美容の為、また子供の就寝前でもカフェインを含まないお茶であれば、問題なく飲ませてあげられるなど、ハーブティーへの関心が大変高まっています。
そこでヴィソツキーは、お店に来るたびに毎回新しいハイエンドなカフェインフリーのハーブティーを展開する、革新的なプレミアムブランドになることを決意しました。
―――日本で展開する商品のこだわりは何ですか?
特に日本市場では、ピラミッド型のティーバックで商品を生産しています。ハーブやお花、フルーツの小片などが半透明のシルク地ティーバックの中に透けて見えるのです。包装にもこだわり、全体的にプレミアム感を重視した商品になっています。
私たちは細部までこだわっており、パッケージの見た目や開けやすさをはじめ、茶葉の新鮮さと品質を保つハイエンドなジップロックを利用します。パッケージを開けるとすぐに漂う薫り、ティーバッグの中に透けて見えるブレンドされた花や果実、ハーブを目で愉しみ、そして味を楽しんでいただけます。
この全てのステップと全ての感覚を通して、消費者を驚かせています。


―――現在日本を始め、米国、スウェーデン等で商品展開をされていますが、各国における展開内容に違いはありますか?
はい。文化的背景を考慮したり、その国で好まれる風味や味は何か、当地の市場に欠けているのは何かなど、現地のパートナーと共に各マーケットで展開するにあたり、市場調査を入念に行います。その結果、各国における展開内容には違いが出ますね。パッケージのデザインや色づかいも、当該国でギフトには好まれない色などは避けるように注意をします。日本では、色がそれぞれ意味を持っていることを理解しています。
―――最後にWissotzkyの今後を教えてください。
ヘルシーな食品や飲料に対する世界的なトレンドの一部として、お茶の人気が高まります。ヴィソツキーでは、健康に良いことが証明された商品開発に多くの投資を行っており、3年イノベーションプランもあります。例えば、ヴィソツキーでは今月ビタミンCとDを含む緑茶を販売しました。
イスラエル初のコンセプトショップ「T-Lab」では、試飲はもちろんの事、新しい画期的なお茶の世界を紹介します。Wissotzkyでは年に2~3種類の新商品を開発しています。このような頻度での新商品の開発、プロダクト教育、信頼できるブランドであることが、弊社が何年も業界をリードしている所以でもあると認識しています。今後も引き続き、厳しい審査のもと、世界中の皆様に高品質な紅茶をお届けしたいと思っています。特に日本においては、ハイエンドのお茶愛好家やユニークなお茶を求める人たちにお届けしたいと思います。
イスラエルの北部Galilee (ガリラヤ) 地方にある製造拠点を訪問



Wissotzkyは、ロシア・ウクライナ・ポーランドなどにあった製造拠点を、1936年にイスラエルに集約しました。現在イスラエルの北部Galilee (ガリラヤ) 地方に、37,000m²の製造拠点を構えます。車を停め外に出ると、すぐに優しい紅茶の香りがしました。



旧式の紅茶詰め機 (左の写真) は、毎分65袋を生産します。現在の最先端の機械 (写真下)では、毎分400袋の生産が可能です。機械は完全に清潔かつ乾燥した状態を保ち、違うブレンドの紅茶を扱う際には、バキューム (吸引) や風圧で入れ替えの作業をします。少し見えずらいですが、上階から機械へ続くパイプを通って、ブレンドされた茶葉が送られます。旧式の茶葉ブレンド機 (写真右) 現在は、上階で茶葉を計量ならびにブレンドし、毎回専門家がブレンドの状態を確認します。専門家の承認をもってティーバック詰めの作業を開始することができます。どんなに優れた機械が発明されても、紅茶の味だけは機械では判定できません。Wissotzkyの紅茶やハーブティーは、このように高い品質管理が厳しくされています。

1907年から1922年の間、Wissotzkyのロンドン支社を任され、その後Mandatory Israel社を率いるようになった、ウクライナ出身のヘブライ語著作家・社会哲学者であり、シオニズム思想家のAhad Ha'am (アハド・ハアム) 氏が実際に利用していた歴史ある机と椅子が展示されています。


年に2~3回の頻度で、数百トン以上の茶葉がイスラエルの製造拠点に納品されます。緑茶の茶葉はベトナムと中国、紅茶の茶葉はアフリカやインド、中国など、毎年まずはサンプルが送られ、味を確認した上で、納品の許可がおりるのです。同じ品質、安定した味を確保する為に、Wissotzkyでは厳選した新鮮な茶葉のみを扱います。また全ての茶葉は、手摘みによるものだけを使用。写真左は、品質管理を担当するOri Pagura (オリ・パグラ) 氏。

日本のコストコで販売されている、ピラミッド型のティーバックに入ったハーブティー。シルク地のティーバックは半透明で、中に茶葉や果実などが透けて見えます。
なお、海外食品を扱うオンラインショップなどでも購入することが可能ですが、まだ流通量が多くないため、イスラエル旅行の際にお土産としても購入されています。
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※記事は2020年10月27日に公開した記事を再編集しています


