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旧ガリラヤの首都にあるモナリザとは？

by クニココーヘン |2021年12月22日

多くの遺跡が残るイスラエル。ガリラヤ地域にあるジッポリ国立公園には、数多くの美しいモザイク画や古代の遺跡が存在します。ルーブル美術館にあるモナリザは皆さんもご存知かと思いますが、イスラエルにもモナリザがあることを知っていますか？それがガリラヤにあるジッポリ国立公園のモナリザです。今回はこのジッポリ国立公園を紹介します。

1 60を超えるモザイクが存在するジッポリの歴史
2 ジッポリの発掘作業
3 ジッポリ国立公園へのアクセス

60を超えるモザイクが存在するジッポリの歴史

イスラエルの中央ガリラヤ地方、ナザレの北西6kmに位置する遺跡、ジッポリは、アレクサンダージャナエウス（紀元前103年）の治世中に初めて言及されました。しかし、遺跡の考古学的発見は第一神殿時代に遡り、この時期に以前の入植地が存在したことを示しています。紀元前63年に、国はポンペイの指揮下にあるローマ軍に征服され、紀元前55年にシリアの知事であるガビニウスがジッポリをガリラヤの首都と宣言しました。その後2世紀までに、イスラエルの地でユダヤ人の宗教的及び精神的な生活の中心地となったジッポリ。ユダヤ人が街の人口の大部分を占めていた3世紀の初めには、ユダヤにおける最高裁判権を持った宗教的・政治的自治組織であるサンへドリンが置かれていました。サンへドリンはすぐにティベリアに移りましたが、その後もジッポリは衰退することなく、聖書研究の中心地として、ユダヤ人とローマの異教徒の人々が共存していました。

海抜286mに位置しベイトネトファ渓谷を見渡すジッポリには、ヘレニズム、古代ユダヤ人、ローマ、ビザンチン、イスラム、十字軍、アラブ、オスマン帝国の遺跡など、歴史ある建築遺産が数多くあります。委任統治領パレスチナでは当時この地域はサファリと呼ばれていました。古代末期には、イエスの母であるマリアの発祥の地であると信じられていました。また、聖母マリアの両親である聖アンナとヨアヒムが住んでいたとよく言われる村で、今日では5世紀の大聖堂がマリアの誕生を記念して発掘されています。この場所の注目すべき建造物には、ローマ劇場、2つの初期キリスト教教会、18世紀にザーヒルアルウマルによって部分的に再建された十字軍の砦や、西暦3世紀から6世紀までの60以上の異なるモザイクがあります。ジッポリスの有名なモザイクには「ガリラヤのモナリザ」や、刺激的な5世紀のシナゴーグの床モザイク、ナイルモザイクなどがあります。

ジッポリの発掘作業

1931年、米国ミシガン大学のL.ウォーターマンによって最初の発掘が行われ、その後1983年にタンパ大学の代表団によって発掘が再開されました。そしてこの代表団により、古代劇場や公共建物が発掘、発表されたのです。1985年から1989年にかけては、米国デューク大学とエルサレムヘブライ大学による合同代表団のA.マイヤーズ、A.ネツァー、カイマヤーズが中心となり、発掘作業を進めます。そして観光省、政府公園局、ユダヤ人国家基金、エルサレムヘブライ大学らが関与し、共同で国立公園の開発作業を実施。そして1992年、ついに面積約16㎢の遺跡が一般公開されました。その後も発掘作業は続けられ、1995年以降はZewwhiteの指揮のもとで活動し、シナゴーグ、教会、教会、浴場、都市の通り、劇場（アンフィシアター）などが発掘されました。

1990年以来の発掘により、床に並ぶ信じられないほどのモザイクを通して街の歴史が理解できます。この国立公園古代都市遺跡は、何世紀にも渡る重要な歴史を証明しています。デクマヌスと呼ばれる点を中心に東西南北に通りが走り、この2つの列柱道路が交差して一種の十字架を作成しています。通りは硬い石灰岩で舗装され、道路の両側にある柱廊玄関はモザイクで舗装されていました。当時、通りには小さなお店が立ち並び、タルムード（モーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文書群）で言及されているジッポリの「下層市場」の一部を形成していました。古くから繰り返し通過した荷馬車の車輪によって作られた轍が敷石には見られます。石の1つに7本の枝付き燭台が刻まれています。