Share

TRAVEL

イスラエル・エルサレム旧市街の歩き方観光ガイド

by iGoogledIsrael |2021年05月03日


エルサレム旧市街は、世界で最も有名な観光地の一つ。熱情的な雰囲気があり、至るところに宗教や歴史を感じる要素がたっぷりな街で、イスラエルに行くならエルサレム旧市街への訪問はマストです!

エルサレム旧市街が多くの人を魅了する理由はたくさんあります。この古都の壁の内側には、嘆きの壁(Wailing Wall)や聖墳墓教会(The Church of Holy Sepulchre)、岩のドーム(The Dome of the Rock)など、素晴らしい名所がたくさんあり、どんな目的であれ、見るもの全てが期待以上にあなたを感動させてくれるでしょう。


エルサレム旧市街の街並み

エルサレム旧市街のミニ歴史講座

壁に囲まれた旧市街地は、1平方㎞にも及ばない大きさですが、初めて壁の外側に新しい地区がつくられた1860年まで、この旧市街地内が当初のエルサレムでした。現在のエルサレムの都市の大きさを考えると、到底信じられないほどです。

エルサレム旧市街の核心となる歴史は3000年以上も遡り、旧市街をかたどる城壁がスレイマン一世により建てられたのは、1538年と言われています。1948年の第一次中東戦争(イスラエル独立戦争)より前までは、ユダヤ人たちもこの旧市街地に住むことができましたが、戦後ヨルダンがこの地を占領したことにより立ち退きが行われました。1967年に起きた第三次中東戦争後に、ようやくユダヤ人もエルサレム旧市街内に居住し、働くことができるようになったのです。

エルサレム旧市街は人類の歴史上、もっとも奪い合いをされた都市でもあります。


エルサレム旧市街の4つの地区

エルサレム旧市街地は、政治的には多様に区切られていますが、文化、宗教そして歴史的に大きく4つの地区に分けられています。


  • キリスト教徒地区
  • ユダヤ教徒地区
  • イスラム教徒(ムスリム)地区
  • アルメニア人地区

4つの地区はそれぞれ個性的で、各地区の歴史と各宗教の信仰を著しく表しています。各地区には多くの見どころがあるので、ただメインの歴史的な観光地へ行きたいのか、それとも各地区を隅々までくまなく探検したいのか、自分のしたいことを明確にしておくと良いでしょう。


キリスト教徒地区

キリスト教徒地区
Photo by Noam Chen for the Israeli Ministry of Tourism

エルサレム内のホテルに滞在している観光客にとって、一番近い入り口がヤッフォ門です。そこから旧市街地へ入っていくと、すぐキリスト教徒地区となっているため、多くの人がまずここから観光を始めます。またヤッフォ門をくぐるとすぐダビデの塔がありますので、こちらも必ずチェックして欲しいおすすめスポットです(後ほど説明しますが、正式にはアルメニア人地区に位置しています)。旧市街のメインのマーケット通りであるダビデ通りを抜けて、HaNotsrim通りを左に進むと、キリスト教徒の観光客に人気のスタート地点である洗礼者ヨハネ教会(the Church of St. John The Baptist)があります。そのままHaNotsrim通りを進み、セントヘレナ通りを右に曲がると、左側にはイエス・キリストが磔刑され、葬られた場所とされる聖墳墓教会があります。


ユダヤ教徒地区

ユダヤ教徒地区

ユダヤ教徒地区では、旧市街地でのユダヤ人の生活の核心を垣間見ることができます。旧市街地の他の地区に比べ、比較的静かで綺麗であるというのが即座の印象でしょう。道端で歩いている人は見かけますが、この地区のほとんどの小道は観光には向いていません。

ヘブライ語でHaKotelとして知られている嘆きの壁は、ユダヤ教の信仰を理解するためにはとても重要な場所です。この記念碑となっている壁は、人々が嘆願を書いた紙を壁の隙間を差し込み祈りを捧げる場所であり、とてもパワフルで迫力があります。また男性と女性で祈る場所が分かれていますので、気をつけてください。考古学的に発掘され、部分的に修復されたビザンツ帝国時代エルサレムの大通りであったとされるカルド通りもまた、ユダヤ人地区を代表する旧市街の歴史を語る場所です。


イスラム教徒地区(ムスリム地区)

イスラム教徒地区(ムスリム地区)

入り組んだ小道があることに関しては、ムスリム地区もユダヤ人地区と似ていますが、通りにはより多くの人の往来があります。ユダヤ人地区よりもう少し活気があり、せわしない市場のような雰囲気が漂っています。

イスラム教徒観光客の多くが訪れるのは、イスラム教徒、ユダヤ教徒そしてキリスト教徒にとって神聖な石を祀っており、聖地とされている岩のドームです。金曜日と祈祷の時間は、イスラム教徒以外のこの聖域の立ち入りは禁止されています。この聖地は、イスラム教の教えで、預言者ムハンマドが大天使ガブリエルに付き添われて天に召された場所として信じられています。もう一つ歴史的に重要な名所は、むち打ちの修道院(the Monastery of the Flagellation)で、イエス・キリストが磔刑される前にローマ人兵士たちにむち打ちにされた場所として信じられていて、Via Dolorosa「苦難の道」と呼ばれるキリストの最後の歩みで、十字架を背負って通った14の中間点の最初の地点と言われています。

ムスリム地区は旧市街の4つの地区の中で最も大きく、驚くべきことに、エリア内に常に存在する宗教上の対立とは裏腹に、このイスラム教徒地区にはユダヤ人の家族が居住しています。


アルメニア人地区

アルメニア人地区

アルメニア人地区は旧市街地の中で最も面積が小さい地区です。コンパクトなサイズとこの地区に住んでいる人口の数からして、古代を思わせるような地区ですが、都市の中でもまた独立した都市のように営まれています。特に有名な名所としてはダビデの塔として知られている砦(とりで)があります。ダビデの塔は、エルサレム市街の中でも私たちの一番のお気に入りで、ぜひ訪れてほしいスポットです。他にも、エルサレム旧市街への訪問者を魅了する2つの観光地、アルメニア歴史博物館と旧市街地内にある神聖な建物の中でも一際美しいセント・ジェームス大聖堂があります。


旧市街は何度訪れても、ヤッフォ門を超えた時に感じるアドレナリンや、終わりがないようなクネクネと入り組んだ小道や横道を見ると、もっと長く滞在したいという衝動にかられます。観光の際は、しっかりと時間を取って散策することをオススメします。