イスラエル国土のかなりの割合を占めているネゲブ砂漠。西側はエジプトのシナイ半島の砂漠に接し、東側は死海の盆地アラバを境界とし逆三角形の形をしています。
今シーズンの初雨がスコット(仮庵の祭り:ユダヤ教三大祭りの一つ)中に降り、イスラエルの長い夏も終わりに近づいてきました。完全な雨期に入る前にエジプトとの国境近くのBorot Lotsでキャンプした様子を紹介したいと思います。
灯りなし、電波なし、月の光だけのキャンプ場
今回訪れたBorot Lotsはミツペラモンから西の方向に車で40分の場所にある無料キャンプ場で、更に10キロほど西に走ればエジプトとの国境に辿りつきます。周りに町がなく、灯りのないキャンプ場のため、明るいうちに辿り着きテント設営と夕食の準備をすることをおすすめします。
シャワー室はありませんが、男女別の水洗トイレと水場があるので、何もないキャンプ場には抵抗のある女性でも安心してキャンプを楽しむことができます。
国道171号線からキャンプ場への未舗装道に入ると電波が入らなくなるため、休日にも仕事をしてしまう男性陣やスマホを手放せない子供達も強制的にデジタルデトックス。会話を楽しんだり、バーベキューの準備をしたりとキャンプだけに集中できます。
日が傾き始めると一気に気温が下がる砂漠。半袖姿にパーカー、ダウンジャケットと次々重ね着していき、バーベキュー台やたきぎの周りで暖をとります。
砂漠ならではの夜の楽しみ方といえばサソリ!? と星空☆
バーベキューが終わった後、砂漠ならではの夜の楽しみ方と言えばサソリの観察。人気の少ない草むらや石の下をUVライトで照らすと、青白く浮き上がって見えてきます。刺されると死に至るため距離を置き十分注意して観察しました。就寝時に脱いだ靴の中にサソリが入らないようテントの中に靴をしまうことを忘れないようにしましょう……。
もう一つは天体観測。灯りの無い砂漠は星の宝庫。見上げれば天の川まで肉眼で見ることができ感動しました。さらに星が多く見える月のない新月や流星群の到来時には、キャンプ場が大混雑し、立ち入りが制限される場合もあるので注意です。
いかがでしたでしょうか?
スコットは、紀元前13世紀ヘブライ人がエジプト脱出の際、荒野で仮設の天幕に住んだことが由来の祭日で、現代のイスラエルにおいてもスコットの期間中はいたるところで仮庵(スカー)が設置され、その中で食事をしたり、人によっては眠ったりします。スコット期間に仮庵に似たテントでネゲブ砂漠で一泊したことは貴重な体験となりました。
ネゲブ砂漠にお越しの際は是非砂漠キャンプも組み込んでみてください、非日常が味わえますよ!