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LIFESTYLE

仮装をして伝統のお菓子を食べる、イスラエル版ハロウィン「プリム祭り」とは

by ISRAERU 編集部 |2021年02月24日

コロナ禍の制限などなんのその、この時期になると、みんなが大好きな伝統菓子ハマタッシェン(三角形の練り込みクッキー)がお店を埋め尽くします。そしてSNS上では、メークアップアーティストたちにによって様々な趣向を凝らした仮装がひきもきりません。これがプリム祭り。世界中で愛されているハロウィンとちょっと似ているかもしれませんが、これは純然たるユダヤ文化に根ざした伝統的なお祭りなのです。



プリム祭りとは?

プリム祭りとは、ユダヤの人々が古代ペルシャ帝国の迫害から逃れた事を記念して始められたユダヤの祭りです。


トーラー(聖書のこと)の「エステル記」によれば、古代ペルシャ帝国の首都であったスーサ(現イラン西南部の都市)では、当時の首相であった悪役人ハマンからペルシャ王アハシュエロスへの讒言で、すべてのユダヤ人が殺されそうになります。ハマンは、この虐殺の日をくじによって決めようとしました。プリム祭りの名前は、その「くじ」の故事によるのですが、そのくじによって決まった日がアダルの月の13日であったのです(ユダヤの暦は、一般の暦とは異なっており、アダルとは通常の2~3月のことです)。今年は2月25日(木)~26日(金)がプリムです。


結局、ユダヤの人々は、アハシュエロス王の妻であった英雄的な女王、エステルによって助けられます。アハシュエロス王は、自身の妻がユダヤ人であったことを知ると、ハマンの作った法令を覆し、ユダヤ人たちを殺害する代わりに、ハマンとその息子、そして反乱の徒たちを処刑したのです。


どんなお祭りなんでしょう?

このお祭りの間、人々は様々に仮装するのがしきたりとなっています。なぜかって?この祭りの起源となった物語を思い出してみてください。逆もまた真なり、なんです。ユダヤ人たちがペルシャに虐殺される代わりに、ユダヤ人たちは敵をなきものにすることができました。そうして嘆きの日とする代わりに、アダルの月の13日は、ユダヤの人々にとって祝宴と祭典の日となったのです。



このエステル女王や他の聖書上の人物たちを装う伝統的な仮装もあれば、もっと現代的な意匠を凝らす人々もいます。まあこれはハロウィーンでの仮装と同じことですね。




そして国中から様々な人々が集まり、音楽の流れる屋外のお祭りの中で、その粋を凝らした仮装を披露します。仮装を披露するもう一つの大きなチャンスは、「アドロヤーダ」と呼ばれるお祭りの中のパレードです。このパレードは、イスラエルの様々な街で行われ、たくさんの見物客で賑わいます。




またプリム祭りに欠かせないのが、ガラガラです。ユダヤ教の礼拝堂では、このプリム祭りの起源が語られるのですが、この悪役であるハマンの名前が登場する度に、このガラガラで大きな音を立てるのです。この習慣は人々の間にしっかり根付き、今ではどんな休日でも子供たちはこのガラガラを大きな音で鳴らすのです。



祭りの食べ物では、ハマタッシェンが最もポピュラーなイスラエル伝統のお菓子です。この三角形のクッキーの中に、色々なものが詰まっています。塩辛い味付けのものもありますが、普通のハマタッシェンは、ケシとチョコレートが入っていて甘いものがほとんどです。





また「ミシュロック・マノット」と呼ばれるお菓子や贈り物の入った包みを贈り合うのもこのお祭りの特徴。学校で、職場で、そして人々が集まる様々な場所で、みんな自分のミシュロック・マノットを贈り合うのです。みんな自分の名前を紙に書き、混ぜこぜにします。なので、自分のミシュロック・マノットが誰に渡るのかは、これもくじのようなものなのです。




今年はコロナウイルスの影響で残念ながら「アドロヤーダ」は開催されませんが、人々は自宅で仮装やメイクアップを楽しみ、SNSで投稿する人も多くいます。