
イスラエルの家庭に必ずあるもの、それはオリーブオイルです。フムスやザーターブレッド(ピタパンにオリーブオイルとザーターと呼ばれるスパイスを塗ったもの)など、イスラエル料理にオリーブオイルは欠かせません。

イスラエルでは、主にイスラエルで生産されたオリーブオイルが消費され、パンを焼くときや揚げ物、サラダのドレッシングなど、様々な料理にオリーブオイルを使用します。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らす働きがあるだけでなく、小腸で吸収されずに大腸を刺激するため、腸の動きを活発にし、便秘対策や健康維持にも効果的。またオリーブオイルには抗酸化作用のあるビタミンが含まれており、抗菌作用があるとされているため、料理だけでなくスキンケア製品にも使われることが多く、イスラエルで販売する多くの石鹸や化粧品の主成分としてオリーブオイルが含まれています。
目次
イスラエルのオリーブオイルの歴史
イスラエルにおけるオリーブオイルの歴史については、様々な諸説がありますが、とある遺跡の調査結果によると、約8,000年以上前からオリーブオイルが製造されていたそう。古代、オリーブオイルは宗教的意味合いも持っており、イスラエル第二の王ダビデはオリーブの精油によって聖別されました。他にも、ランプやキャンドルを点灯するためにも、オリーブオイルが用いられていました。
オリーブオイルはユダヤ教にとっても非常に重要とされています。12月のハヌカは、1日分しかなかったオリーブオイルが8日間にわたり火を灯したという「ハヌカの奇跡」と呼ばれる出来事があったため、油をたっぷり使った料理を食べるのが伝統です。
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高品質のオリーブオイルの選び方
イスラエルのほとんどどこでもオリーブオイルが手に入りますが、全てのオリーブオイルが同じ品質であるとは限りません。

オリーブオイルの品質は、苗の状態や適した土で育っているか、使用する肥料や農薬の種類、収穫のタイミング、抽出方法、保管状況など、様々なコンディションによって異なります。
またオリーブオイルを作る工程も、品質に大きく関わってきます。オーガニックオリーブオイルは、いずれの過程においても化学農薬や化学肥料が使われていないということが必須条件です。イスラエルでは、法律によって定められた厳しい条件を満たさない限り、「オーガニック」と呼ぶことはできません。
イスラエルのおすすめオーガニックオリーブオイル5選
それでは数あるイスラエルのオリーブオイルから、高品質のオーガニックオリーブオイルを選ぶにはどうすればいいでしょうか。そんなお悩みにお答えすべく、今回はイスラエル人がおすすめする高品質オーガニックオリーブオイルを5選ご紹介します。
Einot Kedem
2020年、イスラエルで最高のオリーブオイルを決めるコンテスト「Olive Branch」で優勝した、Elinot Kedemのオーガニックオリーブオイル。オリーブオイルの鮮度を示す酸度は、低ければ低いほど鮮度が高く、エクストラバージンオリーブオイルはこの酸度が0.8%以下でないと、エクストラバージンオリーブオイルと認められません。しかしElinot Kedemでは、彼らの努力により、酸度がわずか0.4%という驚くべきオリーブオイルを生産しています。
4種類のオリーブの木から抽出されるオイルをブレンドしたElinot Kedemのオーガニックオリーブオイルは、ほのかにフルーティーな味わいです。
Ezuz
様々な種類のオリーブの木を育て、豊かで香ばしい味わいのオーガニックオリーブオイルを製造するEzuz。聖書ではオリーブの木が育つ大地に関する話がいくつか登場します。
農薬や肥料を使用していないため、土壌や地下水は汚染されることなく、とても肥沃です。また砂漠の気候はオリーブの木の育成に適しており、塩水と丁寧な手入れが加わることで、Ezuzのオリーブオイルは最高品質を保っています。毎年厳格なオーガニック認証の検査を受け、ボトルにはオーガニック認証のマークが誇らしげに掲げられています。
Meshek Achiya

農薬や化学肥料は使わずに育てられたオリーブの木から作られるMeshek Achiyaのオリーブオイル。熱や化学薬品を使わず、機械がオリーブに力を加え、オリーブの実から油を分離させる、コールドプレス製法によって抽出されています。
抽出されたオリーブオイルは、フルーティーな風味が強く、ほのかに苦みとスパイシーさが感じられます。こちらのオリーブオイルは揚げ物や炒め物に適しています。
何年にもわたり、Meshek Achiaのオリーブオイルは、国際的なオリーブオイルコンテストである「Terra Olivo」で金賞を受賞しています。
ウェブサイト
Sindyanna of Galilee
Sindyanna of Galileeのオリーブオイルは、友情と信用の産物といえるでしょう。クファルカナと呼ばれる街で、アラブ人とユダヤ人が一緒に働き、笑い合い、文化における衝突や偏見を打ち破っています。
もちろんオーガニックオリーブオイルの質も本物。2018年に行われた最も権威あるコンテストの一つである「Evooleum」にて、世界トップ100のオリーブオイルとして選ばれています。
様々なオリーブオイルの試飲、圧搾体験、料理教室など様々なワークショップが行われているので、もしみなさんもクファルカナを訪れることがあった際には、立ち寄ってみてください。
ウェブサイト
Masik Magal
サラダやカルパッチョなど、冷たい料理に合う苦みのある最高品質のオーガニックオリーブオイルを製造する「Masik Magal」。
キブツマガルで栽培される複数の種類のオリーブの木から、オーガニックオリーブオイルが作られています。最高品質を保つため、使用するオリーブの種類とブレンド量は毎年調整されています。
オリーブの選定とオイル調合には、専門家のテイスターとアドバイザーが起用されており、プロ意識に高さが垣間見えます。その甲斐あって、Masik Magalのオリーブオイルは、Evooleumのトップ100を含む、世界中のコンテストで多数賞を受賞しています。
Masik Magalの広大なオリーブ園には世界中から観光客が訪れ、オリーブオイルのテイスティングを含む、ガイド付きツアーを楽しんでいます。
ウェブサイト
https://www.masik.co.il/english/
さて今回は、イスラエル人がおすすめする、お墨付きオーガニックオリーブオイルを5選紹介しました。パンにつけて食べたり、サラダにかけて食べたり、その使い道は無限大です。ぜひイスラエルを訪れた際には、イスラエルのオーガニックオリーブオイルを試してみてくださいね。