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Art

地面に向かってぶら下げられた作品が生み出す対話|DOWN TO EARTH

by Sara Hamada |2020年08月31日

Cos x Ohad Benit


アートとデザインの境界線にある作品を創作し、枠にとらわれない自由なアイディアで、オーディエンスを魅了してならないオハド・ベニット氏。前回は、彼のフォト作品「クリーンルーム」をご紹介しましたが、今回はプロダクト作品「DOWN TO EARTH」をご紹介します。


オハッド・ベニット氏紹介記事はこちら

「クリーンルーム」紹介記事はこちら



「DOWN TO EARTH」

Materials: Brushed Aluminium, Copper

形と素材によって、ファッション的な文脈へと拡がりを見せゆくものたち。


これらの作品は、色調と手触り感、実体とイマジネーションの間で、ある種の対話とも言える現象を生み出します。ダウントゥーアースに(地面に向かって)ぶら下げられた柔らかな素材、そして硬い素材が互いに混じり合い、創造性と、私の回りの様々な素材から手作りで作られた作品の間で、その対話はますます進みます。

そう、それは革新へと繋がる芸術的な集合体へとまとまっていくのです。


Materials: Aluminium, Galvanised metal, Concrete

これらの設備の一部は、持続可能な材料で作られており、このスペースのいたるところにぶら下げられています。

作品をぶら下げた産業用のガラス管は、その内側から輝きを発し、光と影の織りなす陰影によって作品に深みを与えます。

幾何学的に組まれたその作品には、手作りの、そして触ること自体が新たな経験となるような、様々な素材が使われています。

また、これらの作品は、これを作るために特別に用意された道具を使って組み立てられました。



ダウントゥーアースの感覚を生み出すその作品群は、地球上での重力の存在、まるで洗濯物干しに掛けられた衣服であるかのように「下に向かう」カタチへの、重力の影響を感じさせます。そして、もともとの素材感、軽快感、そして作品の与える浮遊感の対比が絡み合うことで、様々なインスピレーションを与えてくれます。パイプに埋め込まれたイルミネーションの明るさによって変化するこの掲示物とそのコントラストは、見えるもの、そしてその大きさとの間での対話を生み出していくソフトでもあり、またハードでもあるのです。ビルの設計には、100年を迎えたバウハウス運動の影響が顕著ですが、これらの図形によって形作られるこの芸術的な空間での経験は、この作品の生み出す美しさ、特にハンガリーの画家であり写真家であるLeslow Moholi-Neji氏の作品に顕著な美しさと重なり合います。


Materials: Brushed Aluminium, Copper, Brass, Iron metal

このプロジェクトは、ファッションブランドであるCOSとのコラボレーションによって生み出されました。


ART & Original sound by Ohad Benit
ART Direction & Edit by Roni Azgad
DOP- Ofer Ben Yehuda


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