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Art

1000体以上のこけし収集家であるジェイコブ・フォス氏に
その魅力をインタビュー!

by ナボン 恵子 |2020年12月07日


国際的なビジネスコンサルタントとして活躍するジェイコブ・フォス(Jacob Fass) 氏は、日本の伝統工芸品であるこけしの収集家でもあり、現在1000体以上のこけしをコレクションに持ちます。Jacob氏は外交官時代に日本に5年間滞在していましたが、実はそのもっと前から日本文化に惹かれ、浮世絵の収集などもされています。今回は、Jacob氏がこけし収集家になったきっかけや数々の珍しいこけしを皆様にご紹介いたします。


ジェイコブ・フォス氏

―――いつ頃から日本文化に惹かれたのですか?


大学では経済学と国際関係を専攻していたので、特に日本文化について勉強したわけではありません。25歳のとき、オランダで外交官として駐在していて、美術館を訪れた際に浮世絵に触れる機会がありました。何となく自然な成り行きでアジア文化に興味を持つようになり、その中でも特に日本文化に深く惹かれるようになったんです。外交官として次の駐在先がカリフォルニアか日本という選択を迫られ、迷うことなく日本を選びました!



―――Jacob氏にとって、こけしの魅力は何ですか?


1985年に外交官として来日し、5年間を過ごしました。ある日、上野公園を散歩していたとき、ひとりの男性が路上でこけしを売っていたんです。これが初めてのこけしとの出会いでした。全て手作りのアンティークのこけしに魅せられました。自分の中で何か「これだ!」と感じるものがあったのです。その後こけしに関する歴史や背景を学び、ますます好きになりました。週末はよくフリーマーケットを訪れたり、表参道にあるオリエンタルバザールで骨董のこけしを購入しましたね。


―――日本中からこけしを収集していますが、その中でもお気に入りはありますか?



それぞれのこけしには特徴があって、その中から一つを選ぶのは難しいですね。私が収集するのは、お土産用の商業的なこけしではありません。ひとつずつ手作りされる、伝統的なこけしで、希少価値のあるものも含まれます。



―――このコレクションをイスラエルで公開する予定はありますか?


イスラエル北部のハイファは、プライベートなギャラリーや美術館など文化的要素が集まる都市です。当地にある Tikotin Museum of Japanese Art (ティコティン日本美術館) は、日本美術に特化した美術館で、日本とイスラエルの文化交流を行う上で重要な役割を担っています。もう2年ほど前になりますが、このティコティン日本美術館で6ヵ月間にわたり展示会をさせていただいたことがあります。日本文化の継承としても、今後また私のこけしコレクションを展示いただく可能性があります。



―――今後の活動を教えてください。


こけしは、日本の伝統文化です。1000体以上のこけしを収集しているのは、世界を見ても、もしかしたら私だけかもしれません。是非日本の皆様にも希少なこけしや珍しいこけしをご紹介したいですね。いつか日本でも展示会ができたらいいなと願っています。



こけしコレクション


https://jacobfass.wixsite.com/gallery