イスラエルの若手コミック作家Gali Sharf (ガリ・シャラフ)さんは、毎朝コーヒーを飲みながら描くコミックをInstagramで発信し、多くの共感を集めています。自身の思いや社会で起きている出来事をユーモアや言葉遊びを交えて表現する作品は、時に数十万回以上閲覧されることもあります。彼女はなぜ描き続けるのでしょうか。その創作の原点とは?

失恋をきっかけに始まったコミック制作
イスラエルのコミック作家ガリ・シャラフさんは、エルサレムの美術大学「ベツァレル芸術デザイン学院」でビジュアルコミュニケーションを学びました。現在はコミック制作を続ける一方で、テルアビブにある伝統的な製紙工房の運営にも携わっています。
そんな彼女がコミックを描き始めたきっかけは、学生時代の失恋でした。フランスへの留学中、5年間交際していた恋人から突然別れを告げられたことが転機になったといいます。
帰国後、初めてコミックとイラストの講座を受講し、自身の体験を題材にした作品を描きました。そのとき、「自分の気持ちを物語として表現すること」の面白さに気づき、それ以来ほぼ毎日コミックを描き続けているそうです。

「描くことで孤独ではなくなる」
ガリさんにとってコミックは、単なる創作活動ではありません。
「頭の中にある考えや感情を紙の上に置くことで、自分は一人ではないと感じられる」と語ります。
実は彼女は、自身を「イラストレータータイプではなかった」と振り返ります。遠近法などの技術は得意ではなく、最初から完成された絵を目指していたわけではありませんでした。
しかし、自分の気持ちを伝えたいという思いから自然に生まれたシンプルなキャラクターや表現方法が、現在の独特な作風につながっています。
白と黒を基調としたシンプルな絵柄に、紙を切り抜いたような仕掛けや言葉遊びを組み合わせるスタイルは、多くの人の印象に残る彼女の大きな特徴となっています。

毎朝欠かさない創作の習慣
ガリさんの一日は、コーヒーと白い紙から始まります。
毎朝、何も描かれていないA4用紙を前に座り、その時に頭に浮かぶことを自由に書き出したり、描いたりするそうです。
社会の出来事、自分の感情、ふと思いついた言葉――どんな内容でもまず紙に向かいます。
最初から完成形が見えているわけではありません。むしろ、描きながら少しずつアイデアが形になっていくことが多いといいます。
「今日は何も思いつかない」と感じる日も少なくありません。それでも彼女は描くことをやめません。
たとえSNSに投稿しない日でも、毎日手を動かし続けることが、自分自身を支える大切な習慣になっているのです。
SNSで広がる共感
ガリさんの作品が大きな注目を集めるようになったのは、社会問題や日々の出来事をテーマにしたコミックを発表するようになってからでした。
彼女の作品は、ユーモアや機知に富んだ言葉遊びを交えながら、人々が感じている不安や希望、戸惑いを映し出します。
その結果、多くの作品がSNS上で数十万回以上閲覧され、多くの人々の共感を呼ぶようになりました。
ガリさんは、読者から届くメッセージを何よりも大切にしているといいます。
作品への感想や応援の言葉を受け取るたびに、「描いてよかった」と感じるそうです。
「絵」と「言葉」の両方を使って感情を伝える彼女の表現は、国や世代を超えて人々の心に届いています。

和紙作家でもあるガリさん
実は、ガリさんは日本にゆかりがあり、和紙作家としても活動しています。1984〜1986年に日本で和紙作りを学び、岐阜県美濃市の井上源次氏や新潟県門出の小林康夫氏に師事したイスラエルを代表する手漉き和紙作家・紙漉き職人のIzhar Neumann(イザール・ノイマン)さんから直接学んだそうです。


繊細な表現と美しい色彩を併せ持つガリさんの和紙作品は、そこにあるだけで心が癒されるやさしいアート。
「日本が大好きで、何度も訪れています」とコメントしたガリさんの作品は、イスラエルと日本の親和性を感じさせます。

「日本との創造的なつながりを、より深めていきたいです」と語ったガリさん。日本でガリさんのコミックや和紙が紹介され、人の心から心へと広がっていくことを、ISRAERUは応援します。
Gali Sharf Instagram
https://www.instagram.com/galisharf/?hl=ja
和紙作家 Gali Sharf Instagram
https://www.instagram.com/_papers?stkn=aWxnNnZ0dnNrMnJy&utm_source=qr


