近年、多くの人々がサステナビリティ(持続可能)に向けたライフスタイルを選択しています。プラスチックは環境に害を及ぼすことは誰もが知っており、プラスチックの使用を削減しようとしています。スーパーで買い物をするときにマイバッグを持参する人もいるでしょう。使い捨て容器の使用を避け、代わりにお弁当箱を選ぶ人もいるでしょう。しかしながら、多くの人が長年の習慣を変えるのに苦労しており、毎年大量のプラスチック汚染が起こっていることも事実です。
Evi Artとしても知られるエヴリン・アンカ(Evelyn Anca)氏は、アートを通して環境問題について訴える活動家です。この独占インタビューで、彼女は活動家であることがどのようなものであり、なぜそれが重要であるかについて私たちに話してくれました。
エヴリン氏はアートを勉強したことはありませんが、7歳の頃から絵を描いています。彼女の動物愛もこの頃から始まりました。 「私はかつてナショナルジオグラフィックを見ていて、いつもアフリカに行きたいと思っていました」と彼女は言います。
彼女は2013年に初めてアフリカを訪れた後、活動家になりました。そこで彼女は、戦利品として掲げるために行われる、ライオンや他の動物の合法的な狩猟を目の当たりにします。このことがきっかけで、世界中の他の環境問題や絶滅危惧種に注目するようになりました。それ以来、彼女は絶滅危惧種、海洋汚染、プラスチック、気候変動など、数え切れないほどの環境問題の提唱者になります。
「私たちがここにいるのは、環境があり、生態系があり、また海が私たちに酸素を与え、木がCO2を吸収してくれるからです。私たちは環境に依存しているので、私たちがそれを世話しなくてはいけません。何も変わらなければ、気温が上がり、森がなくなり、海が生命を維持できなくなり、私たちは絶滅してしまいます。私たちの環境は私たちの生活です。」
たとえば海を見ると、プラスチックが原因で何十万もの動物が死んでいます。 2050年までに、海洋には魚よりもプラスチックが多くなるとの予測があります。
エヴリン氏はビーチの清掃を始め、ゴミ自体で何か行いたいと思うようになりました。 「これは、環境問題についての意識を高めるための重要なツールです。ビーチで集められたものが詰まったアート作品を見て、“なんてこった、これは私が昨日使ったものだ”と言う人がいるかもしれません。話はゴミ箱行きで終わりません。」
彼女が初めてアートを活動に使用したのは、ストローフリーイスラエルイニシアチブの作品を作成したときでした。毎日何百万本ものストローが捨てられており、使用をやめるのが最も簡単な解決策の1つです。
制作したのは、何千ものストローとビニール袋を使ったインスタレーション作品です。作品に使用するストローを集めるため、エヴリンは一人で映画館に行き、上映が終わるごとに他の席を周っては使用済みのストローを集めました。そして、たった5回の上映が終わったところで、彼女のバッグはストローでいっぱいになったのです。
「初めて大量のゴミを見た人々は、ショックを受けていました。私たちがどれだけのゴミを排出していていて、それがどれほど悪いことか気づいてもらえるので良いことだと感じています。」
ゴミからアートに
エヴリンのアイデアは常に、ビーチ、ニュース、科学研究論文などで見た経験やものから生まれます。ただし、作品の最終的な外観は、見つけた素材によって変わると言います。 「何が手に入るかは実際にビーチに足を運ぶまで誰にもわかりません。」
もう1つの課題は、接着剤を使用しないことです。接着剤は環境に有害だからです。代わりに、彼女はネジを使用し、プラスチックとタバコの吸殻を縫います。 「やがて、私はさまざまなプラスチックを扱うことを学びました。どのプラスチックがネジに耐えることができ、どのネジが曲がったり折れたりするかわかるようになりました。」
エヴリン氏がアートに使用しているゴミには、プラスチックコンテナ、ペットボトルキャップ、ビーチトイ、風船、発泡スチロール、食品のパッケージなどがあります。ゴミのほとんどはビーチの清掃から集められたものですが、人は至る所にゴミを捨てるので、自然の中で収集されたものもあります。建設現場では、パイプとチューブを集めて、彫像のベースの形と土台を作ります。
「これらはすべて、生分解性ではないプラスチック片であるため、細かくされ永久に生態系にとどまります。それならばどうにかして役立てたいと思い、この活動を行っています。」
良い結果へと繋がるため、彼女のお気に入りの素材の1つはたばこの吸い殻だと言います。しかし臭いがひどいため、使用するのは最悪です。事前にタバコの吸殻に残されたタバコを1つずつ取り除いてから、作業を始めます。
彼女は何千ものたばこの吸い殻を使って、お気に入りの作品の1つである「Butt-Nemo」を作成しました。形は彼女が見つけたプラスチックパイプから作られました。それから、彼女は壊れたバケツでひれを作り、それぞれをスクラップ生地で覆い、最後にたばこの吸い殻が生地に縫い付けられました。完了するまでに約150時間かかったそうです。
女性活動家として活動すること
「私が女性であるため、多くの受容とサポートを感じることがあります。しかし、私がビーチやさまざまな場所でゴミを収集していると、男性にアプローチされ、何をしているのか聞かれることがよくあります。ですから、外出するときは、ちょっとトラブルを探しているような気になりますね。しかし、私にはそこに行く理由があるということも、同時に強くも感じます。この理由が私を整え、大胆不敵で強気にしてくれるのです。熾烈な気持ちになります。」
活動家への第一歩を踏み出す若い女の子のために、エヴリン氏は次のようにアドバイスしています。「あなたがもっとも情熱を持っていることに集中してください。困難に直面したり、大変だったり、諦めたいと思ったりしても、自分のベストを尽くすには情熱が欠かせません。」
展示会と今後の計画
最近、エヴリン氏はテルアビブの持続可能性文化をリードする組織であるUp to Usと提携し、彼女の最初の個展「Love, Death and Plastic」を開催しました。この展示会は、旧ヤッファのギリシャのマーケット会場で5日間開催され、Tipa Corp、Zalul Environmental Association、Billabong Israelがスポンサーを担当しました。
「反応は素晴らしかったです。たまたまヤッファのこの活気あるエリアを通り過ぎた人々が足を運んでくださいました。彼らは入ってみて良かった、この展示会がどれほど意味のあるものであるか、そして次はいつ開催されるのかを聞いてくださいました。自分の夢が叶った瞬間でもあり、もっとこの活動を行いたいと思いました。」
展覧会の作品はすべてプラスチック汚染に関するもので、プラスチックで作られていました。
「(個展は)短かったですが、素晴らしかったです。イスラエルではこれまでプラスチック汚染に関する展示はありませんでした。人々がこのようなプロジェクトをもっと作りたいと思うようになることを願っています。」
展示会の後、エヴリン氏は修士号を取得するために英国に移りました。そこで、彼女は違法な野生生物取引を調査したいと考えています。「アートを使用することは間違いなくオプションで、常に選択肢の1つとして存在しています。今は私の旅の始まりに過ぎません。」
エヴリン氏は、環境を保護することは可能であると信じていますが、それを実現できるのは私たちにかかっていると言います。
「私たち全員が環境保全に貢献できると思います。小さな一歩では地球を救うことはできないかもしれませんが、行動を変える人々が多くいれば、地球は変えられるでしょう。明日でなくてもいいのです。しかし、いつかは始めなければなりません。」