東日本大震災から10年。イスラエルはどこの国よりも早く医療団を派遣し、震災で負傷、被災された方々のサポートに乗り出しました。イスラエル国防軍の医療チームは、宮城県南三陸町に仮設診療所を設置。約2週間にわたり地域社会を支援し、負傷者だけでなく地域の女性いや子どもたちに対して治療を行いました。またイスラエル帰国時には、地元の病院にすべての医療機器を寄贈しています。
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そして東日本大震災から10周年の節目となる今年、駐日イスラエル大使館では東北地方の復興活動を支援し、彼らの体験談を国際的に周知し、イスラエルと日本両国の人と人との友好と連帯を強化することを目的とした一連のプロジェクト「イスラエル・日本・パートナーシップ – 東北イニシアティブ2021」を開始します。
目次
パートナーシップ – 東北イニシアティブ2021概要
東北-イスラエル・スタートアップ・コラボレーション
仙台を拠点とし東北全体を支援するMAKOTOグループ、および日本財団と連携し、イスラエルのスタートアップ業界のリーダーによるメンタリングプログラム、e-ラーニングセッション、ノウハウ共有プラットフォームなどを実施します。この東北のスタートアップを支援する包括的なプログラムは、2つのスタートアップコミュニティ間の長期的な協力関係を育むものです。
「311-321プロジェクト(イスラエル東北ミュージック・コラボレーション)」
鹿踊り(鹿子躍)をはじめとする豊かな伝統芸能で知られる南三陸町。イスラエル大使館では、イスラエルを代表するバンド「Boom Pam」と地元の芸能団体の担い手の方々、そして彼らが古来より受け継ぐ伝統のオリジナルなコラボレーションを実現します。
「311-321プロジェクト(イスラエル東北 ミュージック・コラボレーション)」と名付けられたミニアルバムは、今後数ヶ月の間に両国でレコーディングされ、「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」フェスティバルのプロデューサー、及び全日本郷土芸能協会所属アーティストとのコラボレーションによりリリースされる予定です。
短編映画『行き止まりのむこう側』プロジェクト
津波により15,800人以上もの命が奪われ、現在も2,500人以上が行方不明のままです。高松康雄さんは、行方不明になったままの妻・高松祐子さんを探して、今なお海に潜り続けています。この心動かすストーリーを伝えるため、津村将子氏とエリック・シライ氏という2人の日本人・日系人映画監督と、イスラエルの著名な作家で、2017年マン・ブッカー賞(現在の国際ブッカー賞)を受賞したデイヴィッド・グロスマン、およびイスラエルのジャズピアニストで作曲家でもあるシャイ・マエストロを迎え、短編映画「行き止まりのむこう側」を制作しました。本作は5月末に公開予定です。
石巻体験プログラム
イスラエル大使館、日本国際支援プログラム、地元NPO法人TEDICのが連携し、石巻市の不登校の児童たちに安全な空間とユニークな機会を提供する体験プログラムを立ち上げます。このプログラムは、漁業、農業、地場産品の生産者など、石巻市の基幹産業と連携のもと展開していきます。
亘理町福祉プロジェクト
亘理町を拠点とするNPO法人・セリアサークルとイスラエル大使館が連携し、地域の人々がアグリテック、フィンテック、クリーンウォーター、クリーンエネルギーなどの分野で国内外の専門家から学ぶことができる「メノラー国際リーダーシップセンター」が運営されており、東北地域の振興と発展に貢献しています。
今回のプロジェクトについて、ヤッファ・ベン・アリ駐日イスラエル大使は、次のように述べています。
「私たちの日本とのパートナーシップと友好関係は、この10年間で飛躍的に発展してきました。両国の深い絆の中でも、東北地方のケースは非常に特別なものです。10年前に日本のために、他の国に先駆けて医療支援を行ったことは、私たちにとって名誉なことでした。そして本年、この地域で一連の特別協力プロジェクトを立ち上げることができたことを光栄に思います。10年経った今も、私たちの心と思いは東北の方々とともにあります。私たちの地域支援は、市民の皆様のニーズの継続的な変化を認識しているため、特定の期日に縛られたものではありません。従って、私たちの事業は年間を通して継続していきます」
イスラエル大使館
https://embassies.gov.il/tokyo