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BUSINESS

フードテックスタートアップ特集

Week 5 - Planterra

by The ACT Hub |2021年04月21日

フードテックスタートアップ特集 – Food Tech Startup of the Week – は、ISRAERUウェブマガジンがThe ACTHubとの提携でお届けするイスラエルのフードテック業界のスタートアップを紹介する週刊シリーズです。今注目を集めているフードテックの新しい技術とそれを開発するスタートアップ企業のCEOや創設者を取材し、ベンチャー事業の奮闘、企業の成長やサクセスストーリーなどをお伝えし、イスラエル企業への投資を検討している日本企業へ情報を提供すると共に、同じ軌跡をたどろうと夢見る未来の起業家たちへ、彼らのノウハウやインサイトを提供します。


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今週のスタートアップ企業 – Planterra(プランテラ)

この特集では、イスラエルのフードテックスタートアップを紹介し、よりクリーンで健康的な食品環境を全世界に広げていく目的を持って続けられています。バイオテクノロジー関連のスタートアップでは、実験室の中で生まれた様々な素晴らしい結果を通常の生産ラインで再現し、一般に向けて提供できるよう、様々な挑戦が行われています。製品として完璧なものを目指すため、最初のハードルとなるのが、ステージの変化にどう対応するかということ、そして商品化のプロセスでしょう。


Planterraは、2019年創立の会社で、ひよこ豆のタンパク質から、ヨーグルト、クリームチーズ、牛乳、クリーマー、そしてプリンなど、様々な乳製品の代替品を製造しています。不飽和脂肪酸と優れたビタミンを豊富に含んだひよこ豆から作られるその革新的な製品群は、豆乳やアーモンド由来、そしてオート麦由来の代替乳製品と競合していますが、ひよこ豆ベースの食品は主要なアレルギー源を持たず、サスティナビリティにも優れた製品でもあるのです。


今回は、PlanterraのCEOであり、共同創業者である、Noam Sharon(ノアム・シャーロン)氏に、事業のスケール拡大に伴い直面する様々な問題について、お話を伺う事ができました。

Noam Sharon氏

インタビュー | Planterra社CEO・共同創業者 Noam Sharon(ノアム・シャーロン)氏

―――自社製品が市場に受け入れられると判断できるのは、どの時点なのでしょう?


自社製品が市場にちゃんと受け入れられるのか、商品の発売前にしっかりとした情報を入手すべく、本当に色々と努力しました。でも、もしそんな情報が世の中に存在していれば、企業の大小を問わず、新商品が失敗に終わるようなことはありませんよね。しかしながら実際には、様々な企業がそんな情報は掴めていないようです。


私たちは自社製品を、ゆっくりとそして確実に市場に根付かせていきたいと思っています。そのために、市場そして消費者の欲求がどこにあるのか、市場に対する理解を深める努力を怠らないできました。加えて、様々なテストや試食会を通じて製品改良を行い、消費者へのアピールを改善してきたのです。私たちの考え方は、製品はそれ自体が発する情報で売れるものであり、我々のような企業の役割は、その製品をどのように消費者に向けて発信し、消費者の心に根付かせていくかを考え、実行することだと考えています。そしてその究極のテスト環境こそ、実際の売り場にあるのです。


失敗に終わった商品と成功した商品、同じような製品でもそんな違いが出る事があります。では、その失敗した商品は、市場への適合性がなかったのでしょうか?いえ、私はそうは思いません。市場は常に私たちに対して開かれており、失敗の原因は、単に継続的な進化の努力が足りなかったせいだと考えています。そしてこの部分こそが、私たちの仕事なのです。ですから、製品を単に世に出しただけでは、私たちの仕事は終わりません。

―――技術革新を製品化していく上で、予測できなかったハードルなどはありましたか?


契約生産者など、正しいパートナーをどのようにして探してくるかが最大のポイントでしょう。私たちは、本当に何ヶ月にも渡って、信頼できる契約生産者を探し続けてきました。無論、対等な関係ではないからこそ、皆さんも100%信用の置けるパートナーを探したいと思われるでしょうね。スタートアップにとって、こういった本当に信頼のできるパートナーを持つ事は本当に大切な事で、そんなパートナーがいるからこそ、安心して経営を続ける事ができるのです。しかしこういったパートナー探しは、決して終わることのないストレスの多い、そして込み入った仕事ですね。

―――もしやり直せるとしたら、そういった信頼できるパートナー探しのプロセスで、どのようなことをやり直してみたいと思われますか?


どのポイントで、もっと早くパートナー探しを行っていれば良かったのか、今でも指摘することは難しいですね。それこそ、どんな時期でも様々な困難やチャレンジがありましたから。しかし、あまり事業が煮詰められていない段階から生産者と交渉を行うのは、トラブルの火種になる可能性が高いのは確かです。自らの経験からお話すると、どんな可能性のある生産農家の方でも、長期的なビジネス契約を結ぶことに、非常に躊躇される方が多いのです。何しろ、スタートアップにとって、如何に自社の製品アイデアと将来の可能性を売り込むか、これが大きなキーとなりますね。ちゃんとした資金があり、しっかりした投資家がバックについており、優れた研究開発チームを自社で抱え、競争力の高い優れた製品を持っているのだ、ということを納得させていかなければなりません。言い換えると、パートナー生産者探しは、通常業務として常に行っていかなければならない競合プレゼンテーションなのだ、ということなんです。それは、生産者たちに、私たち経営者の心の底からの言葉で訴えていかなければならない仕事なのです。

―――これから食品業界に進出しようとしている起業家の方々に対して、アドバイスをお願いするとすれば、どのような事でしょう。


常に製品改良を加えていく努力を怠らない事、そして自身のプレゼン能力を高め続けていく事、これが大事だと思います。起業家たるもの、綿密な市場調査と、自らの時間を全て使うくらいの仕事に対する貢献度、そして自身の製品をちゃんとデザインしていくための資金、信頼できる自社チームの構築、投資家からの継続的な資金提供、戦略パートナーとの関係づくりなどなど、こういったことを全てに渡ってしっかりとこなしていかなければなりません。それには、どのようにして自身の物語を語れるかが大事なのです。最初の時点、そして何より一番大事なのは、自分自身にどう物語れるかという事でしょう。次に共同経営者たちに対して、今のそして未来の従業員たち、投資家たち、流通、ブローカー、自身のエコシステムに対してはどうなのか、… ひいては全世界と妻(そう、奥さんも、ですよ。まあ、今では慣れた関係になってるだろうと思いますが)に対しては、どう語るのか、この物語にゴールはありません。常に改良され、続けられていく、それが起業家としての「ものがたり」なのです。

―――今までの資金提供はどうだったのか、そして、これからの商品化に向けた段階での投資事情は、今までと異なるものなのか、教えてください。


会社を創立して以来、私たちは常に研究開発に力を注いできました。その資金は、最初はイスラエルのエンジェル投資家、その後は国外のエンジェル投資家の皆様に負うところが大きいですね。近年では、自然植物由来の食品に特化して投資を行うシンガポールの投資家グループから支援を受けています。これらの投資によって、私たちはしっかりした研究開発を行う事ができており、まさに実際の市場化に向けてあと一歩、というところまで来ています。現在、この何週間かに渡って、最終的な事業化のための詰めが行われており、この9月には実際の市場での発売が予定されています。確かに、研究科初の段階とは比べ物にならない資金が必要な段階ですが、私たちの投資家の選択は間違っていないと確信していますし、ちゃんとした発売が行えるだけの規模に見合った資金提供を受けています。

Planterra

https://www.chkpfoods.com/


インタビュー by the ACT Hub