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BUSINESS

廃棄されるジャガイモの茎葉を飼料へ イスラエル発RumaFeedが挑む「農業のグリーン革命」

by ISRAERU 編集部 |2026年07月28日

世界の食卓に欠かせないジャガイモ、トマト、ナス、パプリカ。これらナス科の作物は、世界で年間約3,000万ヘクタールにわたって栽培され、その市場規模は約3,540億ドルに上るとされています。しかし、私たちが食べているのは、植物全体の一部分にすぎません。収穫後に残る茎や葉には有害物質が含まれるため、多くが活用されることなく廃棄されています。この未利用資源に着目し、農業の生産性と収益性を大きく変えようとしているのが、イスラエルのアグリテック企業「RumaFeed ルマフィード」です。

畑で収穫されたじゃがいも

廃棄物だったジャガイモの茎葉に新たな価値を

2020年に設立されたルマフィードは、先端的な生命科学と農業技術を活用し、ナス科作物の生産効率を高める技術を開発しています。


同社が最初に取り組んだのが、ジャガイモの茎や葉である「茎葉部」の活用です。ジャガイモの茎葉は、タンパク質を含み、消化性にも優れた飼料資源となる可能性を持っています。一方で、グリコアルカロイドと呼ばれる天然の有害物質を高濃度に含むため、そのまま人や家畜の食用・飼料用として利用することはできません。

ルマフィードは、グリコアルカロイドの生成に関わる遺伝子の働きを抑える独自技術を開発。処理したジャガイモでは茎葉部のグリコアルカロイドがほぼ検出されない水準まで低下したとしています。これにより、これまで畑で処分されていた茎や葉を、栄養価の高い家畜用飼料として活用できる道が開かれました。

じゃがいものイラスト

農家の新たな収益源に

従来のジャガイモ栽培では、収穫前に除草剤などを使って茎葉部を枯らし、廃棄する方法が一般的です。ルマフィードの技術を導入すれば、地下で育つジャガイモを食品として出荷しながら、地上の茎葉部も飼料原料として販売できるようになります。


つまり、同じ農地、水、肥料を使いながら、ひとつの作物から「食料」と「飼料」の両方を生産できることになります。ルマフィードによる米国での試算では、ジャガイモの茎葉を活用することで、乾燥重量1トン当たり約165ドル、1ヘクタール当たり約600ドルの追加利益を農家にもたらす可能性があるといいます。


茎葉部はジャガイモ生産の副産物であるため、飼料作物を新たに栽培する場合と比べ、生産のための追加コストを抑えられることも大きな利点です。

畑で収穫されたじゃがいも

食料・飼料不足と環境問題を同時に解決

人口増加などを背景に、世界では食料だけでなく家畜用飼料の需要も拡大しています。その一方で、利用可能な農地や淡水資源には限りがあります。新たな農地を増やすだけではなく、現在栽培されている作物を余すことなく利用する発想が求められています。


ルマフィードによると、世界では年間約1億3,000万トンのジャガイモの茎葉が利用されずに廃棄されています。同社の技術が広く普及すれば、飼料生産のために使われる土地や水、肥料を削減できるほか、茎葉処理に使用される除草剤の削減にもつながる可能性があります。

じゃがいもの茎葉活用のイラスト
約1,800万ヘクタールで行われている、除草剤や焼却による茎葉処分を削減。同時にCO₂換算で約400万トンの排出を削減

羊を対象とした給餌試験では、有害性を示す臨床的な兆候は確認されず、消化性やエネルギー利用、窒素保持にも良好な結果が得られたと報告されています。また、茎葉から作られたサイレージは、代表的な飼料作物であるアルファルファと同程度のタンパク質を含み、消化性では上回る結果も示されています。
ヘブライ大学による発表


ナス科作物の可能性を広げるイスラエルの技術

ルマフィードの構想は、単に廃棄物を再利用することにとどまりません。ひとつの農地から得られる価値を増やし、農家の収益向上、飼料不足の緩和、農業廃棄物や二酸化炭素排出量の削減を同時に目指すものです。

じゃがいもの茎葉活用のイラスト

同社は今後、ジャガイモで確立した技術を、トマトやパプリカなど他のナス科作物へ広げることも視野に入れています。現在は捨てられている植物の部分を安全な資源に変えることができれば、世界の農業生産のあり方そのものが変わるかもしれません。

収穫されたミニトマト
畑で育つ黄色のパプリカ

「廃棄する農業」から「植物全体を活用する農業」へ。ルマフィードがイスラエルから提案する“ポテト・グリーン・レボリューション”は、食料安全保障と持続可能な農業の両立に向けた、新たな可能性を示しています。


RumaFeed公式サイト
https://rumafeed.com/?utm_source=chatgpt.com