オンラインショッピングで服選びに迷った経験はありませんか。そんな身近な悩みを解決しようと、イスラエルの女子学生7人が開発したのがデジタルスタイリスト「Flair フレア」です。ファッションとテクノロジーを融合させたこのプロジェクトは、イスラエルの若い世代が持つ発想力と実践的なテック教育の成果を示しています。

5つの情報からコーディネートを提案
Flairは、利用者の体型サイズ、靴のサイズ、肌の色、髪の色、目の色という5つの情報をもとに、最適なファッションコーディネートを提案するシステムです。
さらに、結婚式やパーティー、仕事のイベントなど、参加予定の予定を入力すると、その場に適したスタイルを考慮した提案を行います。季節や時期、祝祭日なども判断材料に加えられ、利用者は膨大な商品の中から自分に合ったアイテムを効率よく探すことができます。

ファッションの感覚をアルゴリズムに
開発チームはまず、衣服を色やカテゴリー、サイズ、スタイル、季節などの要素ごとに分類したデータベースを構築しました。その上で、PythonやJavaScriptを用いてアルゴリズムを開発し、利用者の条件に合うアイテムを選び出してコーディネートを組み立てます。
最も難しかったのは、「どの服同士が似合うのか」という感覚的な判断をコンピューターに教えることだったといいます。
サイズや季節は数値や条件で整理できますが、ファッションの好みやスタイルには主観的な要素が多く含まれます。そのため開発チームは、色の組み合わせやアイテム同士の相性、トレンドの傾向などを研究し、それらをルールとしてシステムに組み込みました。

AI時代の実践的な学び
現在のFlairは、生成AIのように大量のデータを学習して判断する仕組みではなく、あらかじめ設定されたルールとデータベースに基づいて提案を行うシステムです。
それでも利用者が別の提案を希望すれば、異なるコーディネート候補を提示できるなど、実際の利用を意識した設計がなされています。
このプロジェクトは、イスラエルのファッション企業Factory 54と教育支援団体「Magshimim マグシミム」の協力によって実現しました。開発に参加した学生たちは、女子学生向けテクノロジー教育プログラム「Mamriot マムリオット」の受講生です。
同プログラムでは、PythonやC++、アセンブリ言語、ネットワーク、オペレーティングシステム、サイバーセキュリティなどを学ぶほか、チームワークや課題解決力も身につけます。

イスラエル流イノベーションの原点
参加した学生たちは、技術的な知識だけでなく、自分たちのアイデアを形にする経験を通じて大きな自信を得たと語っています。
Flairは現在もデモ段階ですが、このプロジェクトはイスラエルのイノベーション文化を象徴する事例の一つといえるでしょう。サイバーセキュリティやAI分野で知られる同国では、最先端技術だけでなく、日常生活の小さな課題にもテクノロジーを活用する発想が根付いています。
「服選びに時間がかかる」という身近な悩みから生まれたFlairは、次世代のテクノロジー人材がどのように課題を発見し、解決へと導くのかを示す興味深いプロジェクトとなっています。

*本記事はイスラエルメディアynetの報道をもとに構成しています。


