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BUSINESS

次世代スポーツファンのニーズに応える「ハイライト動画」革命

ダイジェスト動画生成ソリューションを提供するイスラエルのAIスポーツテック企業、WSC Sports

by ISRAERU 編集部 |2023年07月26日

スポーツの試合をライブではあまり視聴しないが、ダイジェスト版映像は日常的にチェックするという新しいタイプのファンが増え続けています。Z世代が各コンテンツに費やす時間は8秒前後とも言われる現代、より短いコンテンツが好まれる傾向が加速しているのはスポーツの世界でも例外ではありません。


今回は、そんな次世代スポーツファンの間で高まるダイジェスト映像への需要に応えるイスラエルのAIスポーツテック企業、WSC Sportsについてご紹介します。



スポーツファンのニーズの変化

シーズン中の観戦スケジュールの管理は、スポーツファンにとって悩みの種です。さらに、日本人スポーツ選手が海外でプレーをしたり、また海外のチームを日本人が応援することが一般的な現代では、ライブ観戦の際には時差の問題や配信サービスなども考慮する必要があります。日本国内で行われる様々なスポーツの試合や、海外で活躍する日本人選手の試合が、インターネットのスポーツチャンネルやSNSなどで配信される動画で気軽に視聴できるようになりましたが、スポーツファンが全ての試合をリアルタイムで追い続けるのは現実にはほぼ不可能です。


また視聴者にとっては、各種スポーツにおいてどの試合のハイライト動画ををいつ、どのような形で視聴するかの選択がすることの重要性も高まっています。これに伴いスポーツメディア各社は、見逃せないハイライトシーンを特集した動画を、ライブ試合とのタイムラグを最小限にして配信することが求められるようになりました。



スポーツハイライト動画の作成、配信、視聴に革命をもたらすリアルタイムコンテンツ作成

WSC Sportsは、イスラエルのテルアビブに本社を置くAIスポーツテック企業。もしあなたが最近、リオネル・メッシのゴールシーンや、レブロン・ジェームズのダンクショットなどの瞬間を切り取り編集した動画を見たことがあるなら、実はその動画クリップの作成に同社のテクノロジーやコンテンツソリューションが関わっている可能性が非常に高いといえるのです。


同社独自のプラットフォームは、先進的な機械学習技術を駆使して、スポーツのライブ放送を解析。ゲーム中に起こるあらゆる出来事を特定し、タグ付け、インデックス化します。さらに、20種類以上の異なるスポーツに対応して、リアルタイムでカスタマイズされた動画を作成・公開します。同社の提供するソリューションによって、技術やビデオ編集について深く理解する必要なく、該当試合のダイジェスト映像をほんの数十秒程度で生成することが可能となり、独自のAIプラットフォームを核に従来のスポーツハイライト動画の作成、配信、視聴のプロセスを一新しました。



この技術は、放送権所有者がビデオ編集に費やす時間を大幅に削減し、スポーツメディアや選手たちによる、迅速かつ直感的に配信できる幅広い動画パッケージの作成を可能としました。昨年末にカタールで開催されたFIFAワールドカップを例に取ると、WSC Sportsのハイライト動画はグーグル、YouTube、Twitter、スポーツアプリなど様々なプラットフォームで30,000本、合計807時間に及ぶコンテンツをカバーしました。その中にはYouTubeに公開された6,780本の動画が含まれ、それらの合計視聴回数は3億3700万以上を記録しています。また、WSC Sportsのパートナーは合計で17,808本のワールドカップハイライトをTwitterに投稿し、それが500万以上のいいねと496,000のリツイートを獲得しました。


同社サービスは現在、NBAやESPN、ラ・リーガ、セリエA、NASCAR、YouTubeTVなど、350以上の世界的スポーツメディアの動画コンテンツ作成を支えています。



より多角的なマネタイゼーションを支援

パンデミックの影響で、一時的にスポーツをライブで見る機会が失われたことから、スポーツ業界は創造的になりました。直接試合を感染できなくなったファンが、自分のお気に入りのチームや選手に関するコンテンツを求めた結果、それが権利所有者たちにとっての新たなビジネスチャンスとなり、今までにないマネタイズ方法を発見するきっかけとなったのです。


もちろん、ビデオの前後に配置された広告の視聴数から収益を得るという古典的な方法もありますが、例えば、スポンサーに向けてブランドのオーバーレイを特徴とする特別なコンテンツパッケージの作成をしたり、ハイライト動画を視聴するためにユーザー登録を促したり、また各ファンが何を好きで何を嫌いなのか、またはどの選手がお気に入りなのかを把握し、それに基づいて個々のファン向けのビデオを作成し、ファーストパーティデータを収集する方法なども実際の使用例として挙げられます。



こうしてユーザー(ファン)データを収集し、それらの情報を活用することで、ゲームのチケットや関連イベントへの割引、ブランドへの特別オファーなどを個々のファンに向けてパーソナライズすることが可能になり、ファンエンゲージメントを高めます。WSC Sportsの技術は、ハイライト動画の制作を早めるだけでなく、放送権保有者によるより魅力的でファンが喜ぶコンテンツの作成、およびその権利の効果的な収益化もサポートしています。


ダイジェスト動画は将来的にどう変化していくのか

WSC SportsのCEO、ダニエル・シックマン

WSC SportsのCEOであるダニエル・シックマンは、すでにこの領域をデジタル時代の劇的な変化を通じてリードしてきたにもかかわらず、今後も更なる変化が必要だと考えており、次のように業界の将来について語りました。


「この技術は将来、よりパーソナライズされたコンテンツへの需要へ応えるように進化するでしょう。それほど遠くない将来には、全てのファンがパーソナライズされたハイライト動画を楽しむことが可能となり、その内容と視聴時間を完全にカスタマイズできると予想しています。」


WSC Sportsの経営陣メンバー

「当社は過去数年間で急速に成長してきており、クライアントだけでなく社内でも、周囲の変化に迅速に適応しながらも柔軟に運営するという、スタートアップの精神を保ちながらどのように成長を実現するかという課題も残っていますが、スポーツ業界のトップと共にファンの体験を革新する方法を模索することを当社は楽しんでいます。そしてそれが、スポーツファンとしての個人的な夢でもあります。」




 



WSC Sportsは、スポーツ動画コンテンツの作成、配信、視聴形態の在り方に革命を起こす、スポーツテック業界における先導的企業です。高度かつ先進的なAI(人工知能)を用いてスポーツのライブ放送を分析、試合中の全ての瞬間を特定し、カスタマイズされたハイライト動画を自動かつリアルタイムに生成、配信するツールを提供します。

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<WSC Sportsに関するお問い合わせ先>

WSC Sports 日本責任者 中川ベン 

ben.nakagawa@wsc-sports.com