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BUSINESS

広告コンテンツと出会う楽しみを提供するコンテンツレコメンデーションのパイオニア「Outbrain」

by Miho Nibe Messi |2022年01月12日

テレビ、雑誌、新聞、看板、電車、インターネット、ソーシャルメディアとあらゆるメディアで目にする「広告」。広告主である企業が、少しでも多くの人の目に自社の情報が触れるようたくさんの広告を出す一方で、企業からの一方的な広告に追われる消費者はこうした状況に疲労し、皮肉にも「広告疲れ」という言葉まで誕生している。

では、消費者に喜ばれる広告があるとしたら―。


消費者にとって有益な情報を届けることで、消費者はストレスなく広告に触れることができ、また商材への興味が顕在化していない潜在顧客層に対してもリーチを図ることができる、そんな消費者にとっても企業にとっても嬉しい特徴を持つのが「ネイティブ広告」と呼ばれる広告形態だ。

今回は、このネイティブ広告を用いて、消費者が広告コンテンツと出会う楽しさをデジタル上で実現する、コンテンツレコメンデーションのパイオニア的存在「Outbrain(アウトブレイン)」の全貌を紐解く。


outbrain ロゴ

消費者が求める「ネイティブ広告」とは

ネイティブ広告とは、メディアが発信する記事やニュースなどのコンテンツとともに表示され、「ユーザーにコンテンツの一部として広告を見てもらう」ことを目的とした広告のこと。つまり具体的な広告そのものではなく概念であり、普段私たちが目にする「記事広告」や「SNS広告」もメディアに自然に溶け込んでいればネイティブ広告の一種と言えるのだ。従来の広告は文章や動画といったコンテンツとは切り離され、独立した形で存在するため、どれが広告なのか一目でわかる。しかし、ネイティブ広告はコンテンツの中に溶け込む形で存在しているため、結果、Web上の通常のバナー広告と比べると、「視線の止まりやすさ」「共感性」「購入意欲の上昇」などに大きな差が出るとの研究結果が示されている。このように、もちろんPR表記対応などは徹底した上で、広告を様々なメディア内に自然に溶け込ませることで、ユーザー体験を妨げることなく、かつ違和感やストレスを与えずに情報を届けることを可能にするのがネイティブ広告である。



ネイティブ広告は、IAB(Interactive Advertising Bureau)により、インフィード・インコンテンツ型、コンテンツレコメンデーション型、ブランド・ネイティブコンテンツ型の3種類のタイプに分類されている。また広告がページ全体のデザインにフィットしているか・広告が設置されたページ上の他の要素と同様に機能しているか、また同系統のコンテンツ体験を提供しているかどうか・広告の挙動がどの程度周囲のコンテンツと合致しているかといった評価軸が定められている。


ネイティブ広告分類 コンテンツレコメンデーション型のうちの一つ、レコメンドウィジェット型とは、顧客の嗜好を分析し、それぞれの顧客に興味・関心がありそうな情報を予測や判断して「お薦め」を提示する仕組みのこと。「レコメンド」とは一般的に「勧めること・推薦すること」を意味するが、マーケティングにおいては、顧客の閲覧履歴や購買履歴をアルゴリズムで解析し、適切な情報を表示することを指す。これは広告主にとって、顧客になる可能性の低い消費者への無駄な広告を省き、顧客となりうる消費者へ情報を届けることができ、また消費者にとっても自分が興味を持つ可能性が高いコンテンツが表示されるため、広告のマッチングとも言えるだろう。


PC画面を見て笑顔の女性

この広告主にとっても消費者にとっても嬉しいコンテンツレコメンデーションプラットフォームのパイオニア的存在がOutbrainなのだ。


Outbrain独自のアルゴリズムによってAIが学習、最適化

Outbrainは、「雑誌のページをめくって次の記事や製品に出会うような体験をオンラインでも実現したい」というパブリッシャーの問題を解決するため、2人のイスラエル人、ヤロン・ガライとオリ・ラハブによって、2006年に設立。本の虫であった創設者が、自分が好きであろう良質なコンテンツを見つけたいという思いから生まれたそうだ。以来、レコメンデーション技術のリーディングカンパニーとして、オープンウェブ上のあらゆるフォーマットやデバイス上でのより良いコンテンツディスカバリー手法に注力し、新しいものを探索したり発見したりする事を可能にするレコメンデーション技術を開発している。


Outbrain創業者の ヤロン・ガライ氏(左)とオリ・ラハブ氏(右)

現在、その独自技術によるレコメンデーションの提供数は、世界中7,000以上のオンラインメディアにおいて毎日100億件に上る。広告主と消費者を結びつけることでビジネスの成長に貢献し、ユーザー獲得、エンゲージメント、リテンションの面でGoogleやFacebook等のウォールガーデン(クローズド・プラットフォーム)に対抗できるよう支援している。創業15年目を迎えた今は米国ニューヨークに本社を置き、55カ国で事業を展開をするほか、日本、イギリス、フランス、ドイツ、イスラエル、シンガポール、オーストラリアなど18か国にオフィスを構え、850名以上のスタッフが従事している。


2021年7月アウトブレインNASDAQに上場
2021年7月、NASDAQに上場

それではこれほどまでにOutbrainが世界的成長を遂げられた理由は何なのか。その肝となる一つが「AI(人工知能)」である。

Outbrainでは、以下の3点を独自のアルゴリズムによってAIが学習、最適化しオートターゲティングを実現することで、人力のターゲティング設計が不要な広告配信技術を提供している。


・独自のコンテンツ解析技術によるテキストマイニングでのLPの内容を分析

・広告配信面のメディア記事のコンテキスト

・ユーザーの興味関心のビッグデータ


このオートターゲティングを用いたベーシック配信を基本に地域やデバイス、配信メディアカテゴリなどの細かいターゲティングも可能。中でも注目したいのが「コンテキストターゲティング」と呼ばれる、広告配信先となるメディア記事のコンテキストに合わせて広告を配信するものだ。ユーザーが今読んでいる記事と関連性の高い広告が表示させることで、違和感のない高品質なユーザー体験を提供し、クリック率が向上するだけなく、クリック後のアクション率も向上するのだ。またコンテキストターゲティングではクッキーを必要としないため、これからやってくるとされるクッキーレス時代に対応したターゲティング手法でもある。


ターゲティングのイメージ

Outbrainの課金システムがクリック課金であることも、広告主にとって嬉しいポイントだ。広告が表示されるだけで課金されるインプレッション課金とは異なり、広告に興味を持ってクリックした場合のみに課金されるクリック課金システムは、無駄な広告費を省き、費用対効果の高い広告運用を可能にする。また大手新聞社から専門メディアまで、国内300を超えるバラエティに富んだ質の高いパブリッシャーと提携しているため、質の高い消費者へのリーチが見込めることも大きなポイントだ。


日々進化を続けるOutbrain独自のアルゴリズム

Outbrainが多くの顧客に評価、支持される理由の一つとして、日々進化を続ける独自のアルゴリズムが挙げられる。また顧客のニーズに合わせたプロダクト/機能も開発し、顧客それぞれの要望に応じた広告配信を可能とすることも外せない。今回はその中でも注目すべき2点をご紹介。


Native Awareness+

Outbrainでは静止画、ビデオ、アニメーションなど、様々な配信フォーマットに対応しており、目的に応じた手段で活用できるのが特長だ。中でもNative Awareness+は、ソーシャルメディアの投稿のような縦長のスマートフォン向け配信フォーマットで、日頃からソーシャルメディアを利用するユーザーにとって親しみやすいフォーマットである。ブランドロゴ、テキスト、CTAボタンなどエンゲージメントに重きを置いたこちらのフォーマットは、より自然な広告体験をユーザーに提供し、CTRやビューアビリティ(可視性)が高いという結果も出ている。またウェブサイトへの誘導と併せて、SNSサイトへの誘導も可能なため、SNSのフォロワー獲得にも貢献し、まさに一石二鳥な配信フォーマットだ。


Native Awareness+

2021年12月時点

Conversion Bid Strategy

次に紹介するのは、従来のKPI最大化配信機能の”KPIオプティマイゼーション”のアルゴリズムを進化させたConversion Bid Strategy(コンバージョンビットストラテジー =CBS)という機能。ページ滞在時間、購入、問い合わせなどといった配信キャンペーンの実KPI数、KPIデータに応じて、配信ユーザー・面を自動で選定、入札を自動で強化・抑制し、KPIを最大化していく機能で、CPAの削減に大きく貢献しているという。(2020年11月の発表時で「最大49%削減」、場合によってはそれ以上の改善がみられることもあるとのこと)


Conversion Bid Strategy

このCBSでは、目標CPAを優先した広告配信、キャンペーンの収益性を維持する「Target CPA」、予算内での最大コンバージョン数獲得に向けて、Outbrainアルゴリズムがキャンペーン最適化を行う「Fully-Automatic」、様々な設定項目を調整できる柔軟性を持ちつつ、コンバージョン率の高い媒体セクションに向けて、トラフィックを最適化する「Semi-Automatic」のほか、目標ROASを指標に、CVRの高いユーザーが滞在するメディア・セクションに向けてCPCを自動で最適化・調整する「Target ROAS」も登場している。


既に導入している企業の一例によると、Fully-Automatic CBSと手動で最適化した場合のキャンペーンの結果を比較したところ、CBS機能を追加したことにより、CPA削減を達成しただけでなく、パフォーマンス・マーケティングチームがそれまで手作業での最適化に費やしていた一週間あたり3.5時間という作業時間が削減できたことが示された。これは広告運用担当者にとって非常に嬉しいポイントである。


ブランドセーフティを守るための厳しい審査体制

Outbrainが多くの企業に支持される理由はこれだけではない。Outbrainを語るうえで外せないのが「信用」だ。以前より質の高い広告に重きを置くOutbrainでは、非常に厳しい審査体制を取っている。世の中には未だグレーな広告が多く存在するが、Outbrainではそういった広告を排除するため、専任のコンテンツ審査チームを設け、掲載可能商材、コンテンツ、クリエイティブといった基本審査はもちろん、広告の真偽性の確認・審査を行っている。また薬機法への抵触コンテンツを防ぐため、第三者による審査も行う徹底ぶり。昨今の薬機法改定もあり、より如実にOutbrainの真摯な姿勢が評価されている。


広告主、媒体社、読者を公平に扱い、三者は正三角形の関係でなければならない。これがOutbrainの信念である。そしてそれを実現させるための弛まぬ努力があるからこそ、Outbrainは誰もが安心できる広告配信を可能にしているのだ。

最近では、動画広告機能強化に向けたvideo intelligence AGの買収やヘッダービディング分野への参入などが発表され、Outbrainから新たなサービスが登場するのもそう遠くないだろう。今後もOutbrainの動向から目が離せない。


https://www.outbrain.com/jp/