イスラエル発、炭酸メーカー「ソーダストリーム」
家庭で簡単に炭酸飲料が作つことができる炭酸メーカーを展開し、世界No.1の炭酸水ブランドである「ソーダストリーム」。シンプルな炭酸水はもちろん、シロップを使えば炭酸ジュースも簡単に作ることができます。日本でも上戸彩さんを起用した広告をよく見かけますが、実はイスラエル発ということを知っていましたか?
そしてこの度、ソーダストリーム社とハダッサ・メディカルセンターは、コロナウイルス感染者に向けた呼吸補助装置「Stream02」を共同開発したことを発表しました。
コロナウイルス感染者の呼吸を補助する装置「Stream02」
世界中で多くの感染者が増加している新型コロナウイルス。日本でも日々新規感染者が発表され、予断を許さない状況です。今回発表された「Stream02」は、コロナウイルスに感染した軽度から中等度の患者の呼吸の補助を可能とし、イスラエルの保健省承認後、すでに集中治療室での臨床実験が始まっています。
ソーダストリームの技術から着想を得て、ハダッサ・アインケレム病院と連携して開発されたこの画期的な装置は、コロナウイルスに感染し、呼吸機能が低下しているものの、自力で呼吸できる程度の患者の治療に適しており、患者の状態に応じて必要な酸素が供給されます。これにより、患者によっては重症化、挿管(侵襲的人口呼吸管理)を回避し、罹患によるリスクや合併症を軽減することができることが、これまでの研究でわかっています。
「Stream02」は、高流量、高湿度、体温と同じ温度で空気・酸素を混合し、鼻から供給が可能。空気・酸素混合気体の温度をコントロールし、それを80%以上の高い湿度で患者の鼻に送り込む、熱力学系システムが使用されています。湿度、温度、そして酸素濃度など呼吸の質にとって重要なパラメーターは常時モニタリングされ、異常が検知された場合には医療従事者に視覚的、聴覚的に知らせる仕組みを搭載しています。
上記要件を満たす装置は既にいくつか存在していますが、パンデミックのような大規模な治療現場には適しておらず、これに危機を感じたハダッサ・アインケレム病院の集中治療室のAkiva Nachshon上級医がソーダストリームの研究開発部門長Avi Cohen氏に連絡を取り、ソーダストリームの開発エンジニアを中心としたCohen氏率いるエンジニアリングチームを編成。Nachshon医師ほか専門家らの医療監修のもと、短期間で厳しい厳しい技術要件を満たし、規制を遵守した機器の設計を開始しました。そしてイスラエルの保健省の臨床試験部門はすぐに承認をし、40名の患者の臨床試験を開始したところです。
「Stream02」は大量生産が可能なため、今後世界に向けた生産も視野に入れているとソーダストリーム社は述べています。
ソーダストリーム