Share

BUSINESS

テクノロジーで社会を変えるイスラエル発「Hilma」

スタートアップ・ネイションとして知られるイスラエルでは、世界を大きく変える新進気鋭の企業が常に誕生しています。しかし、今回紹介する「Hilma(イルマ)」は、他のテック企業とは異なります。ハイテク分野のほとんどの企業が自社の利益に焦点を当てている一方、Hilmaは「影響力のあるテクノロジー」の開発を目標に掲げ、社会の役に立つことを目指しているのです。


テクノロジーで社会を変えるイスラエル発「Hilma」

Hilmaでは、世界をより良い場所にするためにテクノロジーが駆使されています。彼らが生み出すシステムは、現実世界の問題を解決することを目的としており、その過程で若い技術リーダーの育成も行なっているのです。そこでHilmaの全貌を紐解くべく、Hilmaの創設者でありCEOを務めるヨッシ・ツリア(Yossi Tsuria)氏にお話を伺いました。


Hilmaの始まり

数学者としてキャリアをスタートさせたヨッシ氏は、1988年設立、後にグローバル企業Pay TV securityとなるNDS社の創設者の一人でした。2011年、NDSがシスコに買収されると、彼はエグゼクティブ・アドバイザーに抜擢されます。2018年に入ると、社会に影響を与えるテクノロジー開発の必要性に気づき、またこれに対してイスラエルが貢献できると踏んだヨッシ氏は、他の仲間とともにHilmaの設立を決断。こうしてHilmaが正式に発足しました。


ソーシャルインパクト分野の市場は未だ小さく、それ故この分野で先陣を切る存在であるHilma。全ての国が自国をより良い場所にするためには、テクノロジーが必要であると創設者たちは信じています。そして、スタートアップが多く存在するイスラエルには、より大きなチャンスがあると感じているのです。イスラエルのテクノロジーは進んでいるものの、それを必要としている人々を助けるために使用するまでには至っていません。そこでHilmaが登場します。


Hilmaの創設者であるYossi氏の写真です。
Hilma創設者、CEOを務めるヨッシ・ツリア氏

新進気鋭のテクノロジー・リーダー

社会に影響を与えるテクノロジーを開発を目指すHilmaでは、若手社員や女性社員の採用を積極的に行っており、ほとんどの社員が25歳というとても若い会社です。高校を卒業したばかりの若い人や女性を採用し、Hilmaの製品開発を通じて、技術的スキルを習得する機会を提供してきました。「ある研究によると、助成は自分の仕事に意味を見出すことに最も関心があるという結果が出ています。」とヨッシ氏は言います。こうしてHilmaでは、学位を習得するよりも前の段階から、若い女性がコーディングの経験を積める環境を提供することにより、社会的影響を与えようと試みているのです。


何か話を聞いている様子の5人の写真です。

アイデアは専門家から

Hilmaは、非営利団体や政府機関に焦点を当て、彼らの課題は何かを専門家から聞き出し、その後「パートナー・クライアント」として、彼らのプログラムが実際に役立つものなのかを確認します。「私たちは、自分たちが提供する解決策が最適の方法・手段で使用されることを望んでいます。」


そして、ターゲット層にとって真に使いやすいソリューションであるか立証されると、いよいよ開発段階へ。開発後は、クライアントに試作品を使用してもらい、彼らが満足する商品が完成するまで何度も試行錯誤を繰り返します。


ここで一つ、実際の開発事例をご紹介しましょう。


ある時、エルサレムに位置するハダサ病院の産婦人科長がHilmaを訪れ、「現在当院では、患者に看護師を呼び出すことができるボタンを配布しているのですが、緊急かどうかに関わらず、同じボタンが使用されています。 」と伝えました。そしてHilmaは、世界のほとんどの国がこれと同じ原始的なシステムを使用していることに気がついたのです。そこで、Hilmaは、患者が全ての言語で看護師に必要なものを知らせることのできるアプリを開発しました。患者は、追って要求をすることも可能です。現在、イスラエルの複数の病院がこのテクノロジーを採用しています。「これにより、イスラエルおよび世界中の医療スタッフと患者の関係に革命がもたらされるでしょう」とヨッシ氏は述べています。


パソコンを眺める女性二人の写真です。

Hilmaが目指す未来

会社の立ち上げた当初は、様々な挑戦があったとヨッシ氏は語ります。「Hilmaで働きたいという若者がいるのか不安でしたね。また他のハイテク企業と同じレベルの製品を開発できるということを証明しなくてはなりませんでした。そして政府の援助に頼ることなく、経済的に自立することも課題の一つです。他のハイテク企業が私たちの製品を見た際に、一緒にやりましょうと言ってほしかったのです。


パソコンで作業をする女性の写真です。

ヨッシ氏は今後、国内外でさらに支店を増やしていきたいと言います。また、国際的に大きな可能性を秘めたHilmaの製品を、海外でも販売することを目指しており、国際的なパートナーを求めています。「私たちのモデルが自立していることを証明したいのです。そうすることで、国際的に採用され、貧しい国々を支援することができるのです。


ハイテク企業で長く務めた後、ヨッシ氏と他のHilma創業者たちは、ハイテク企業という形でテクノロジーを通して人々を助けることは可能だということに気づきました。そして、Hilmaが真のハイテク企業であるということを証明し、若い開発者を通して社会に役立つ製品を生み出してきました。Hilmaは、イスラエル人の日常生活をより良くするためにテクノロジーを駆使し、近い未来には世界中の人々にも役立てていきたいと考えています。



https://www.english.hilma.tech/