古より伝わる陶器工芸の技に触発され、Tal Batitが作り上げたのは、現代的な色彩パレットに彼の専門でもある光沢仕上げを組み合わせた、全く新しい作品です。Batitは、その美しさの起源についてこう語ります。「色彩と組み合わされた素材感と見た目、そしてそこから生まれる矛盾と不協和音が、そのモチーフなんです。」
「ハイブリッド」と名付けられたこの2017年のシリーズは、まさにこのBatitという作家の工芸に関する考え方を、そのまま表現していると言えるでしょう。花器や器に似せて作られた陶器製の作品は、装飾品としても、実用品としても、またその両方の用途にもふさわしい物たちです。全ての作品は、素焼きの素材で作られたトップ、もしくはボトムを持ち、それとは全く異なる、光沢を持った別の素材と組み合わされています。常に変わり続けていく趣味や嗜好に合わせるため、彼の作品は全て同じ大きさの直径を持っています。そうすることで、彼の作品をどのような組み合わせで展示しても違和感のないよう計算されているのです。光沢仕上げ、焼きの工程、組み立て、全てが独立した異なる工程で行われ、最終仕上げの火入れ工程でその二つが組み合わされることで、彼の新たな作品は生まれるのです。
