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BUSINESS

イスラエル発スタートアップ”SolCold”。太陽光で冷却する革新的技術

by ISRAERU 編集部 |2026年03月19日


イスラエルの気候テック企業

SolCold(以下、ソルコールド社)は2016年にイスラエルで創業したスタートアップで、太陽光を利用して物体を冷却する革新的な材料技術を開発しています。同社のコーティング素材は、建物や車、コンテナなどの表面に塗布することで温度上昇を抑え、エネルギー消費やCO₂排出の削減につながると期待されています。


ソルコールド社の冷却技術の仕組み

ソルコールド社は、コーティング素材、塗料、生地などの分野で、ナノテク分野での技術を基にした特殊な素材を提供します。その全ては、「反ストークス蛍光現象 (anti-stokes fluorescence phenomenon) 」と呼ばれる、太陽光線から冷却効果を得る技術に基づいています。


ある物質は、特定レンジの太陽光エネルギーを吸収すると、より高い周波数でその光線を再放出する性質を持っています。その再放出された光線には、元々の太陽光よりも高いエネルギーが蓄えられており、その増加した分のエネルギーは、実は放出元の物質から奪われたものなのです。この特殊な効果によって物質の温度は押し下げられ、冷却効果が実現できます。



ソルコールド社の提供するこの技術を使用すれば、冷却の必要なあらゆるものを、直接太陽光に当てるだけで冷やすことが可能になります。

この技術は、様々な分野で応用可能です。

1.流通業界 :保冷カバー、貨物コンテナ、貨物トラック

2.構造物:屋根、自家発電 (off-grid) 、倉庫

3.自動車:エクステリア & インテリア

4.その他



開発秘話と今後の展開

ソルコールド社のCEOであり共同創始者のヤロン氏に、技術の開発秘話と今後の展開についてコメントを頂きました。


Credit : SolCold

「全ては、エアコンの不調から始まりました。


元々私は、物理学と物体の性質に精通した電子技術者なので、その時こう考えたのです。熱の実体(エネルギーと同義語)を考えると、部屋の温度をエアコンで下げる、ということは、電気のエネルギーを使って部屋のエネルギー、つまり温度、を下げるということ。だけどそれって、なんだかちょっと変じゃないか、と。


この素朴な疑問が、物質の初期状態を変えていくためのエネルギーとはどんなものなのだろうか、という研究の発端となったのです。しかしながら、太陽エネルギーに晒された物質が、より高エネルギーを外へ放出することで、それ自体に冷却効果をもたらすことができるかもしれない、などという少し気狂いじみた理論は、その時はまだ我々の目の前に立ちはだかる、探究されるべき大きな壁でした。


2013年に、実用化に向けての実際の実験段階へと踏み込みました。


無論、実験は繰り返し行われ、実用化までの時間はまだまだかかりました。しかし、主に化学と物理学のトップメンバーを集めた10人の才能あるチームは、世界初の、太陽光による冷却システムの実用化に向けて、執拗に実験を積み重ねてきたのです。


我々の目標は、この技術が様々な分野に応用されることで、人々にとっても、また自然環境にとっても恩恵を生む技術となって欲しい、ということです。どんな物でも、太陽光に晒すことができれば冷却することが可能というこの技術は、冷却を必要とする、建築物、貨物、自動車など、本当に様々な分野で応用することが可能なのです。」



ウェブサイト

https://solcold.co/


※記事は2020年8月12日に公開した記事を再編集しています