地中海に面し、総面積は22,072㎢と四国程度の大きさの国、イスラエル。イスラエルは古代から文明が発達していたパレスチナ地方にあり、歴史的、宗教的な見どころが多くあります。最大の観光名所は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大聖地であるエルサレムの旧市街です。
現在イスラエル国内でユネスコの世界遺産に登録されているのは全部で9件。(2023年4月現在)今回は旅行に行った際には絶対に訪れたい、イスラエルの世界遺産全9件をご紹介します。
目次
- 1 1.マサダ(2001年登録)
- 2 2.アッコ旧市街(2001年登録)
- 3 3.テルアビブの白い都市(2003年登録)
- 4 4.聖書時代の遺丘群-メギッド、ハツォール、ベエル・シェバ(2005年登録)
- 5 5.香料の道-ネゲヴ砂漠都市(2005年登録)
- 6 6.ハイファ及び西ガリラヤ地方のバハイ聖地群(2008年登録)
- 7 7.人類の進化を示すカルメル山の遺跡:ナハル・メアロット/ワディ・エルムガーラ渓谷の洞窟群(2012年登録)
- 8 8.ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群 : 洞窟の大地の小宇宙(2014年登録)
- 9 9.ベート・シェアリムの墓地遺跡:ユダヤ再興を示すランドマーク(2015年登録)
1.マサダ(2001年登録)
マサダは、死海の西側にある巨大な自然の要塞です。周りの平地からほぼ垂直に約400mの高さに位置し、ヘロデ大王により、紀元前25年に工事が完成しました。城壁、見張り塔、宮殿、倉庫、浴場、そして水槽まで用意されています。紀元70年、ローマによってエルサレムが陥落し、追われたユダヤ人がここマサダに逃げ込み、3年間の篭城の果てに、最後はローマの奴隷になることを拒んで、967人が集団自決をしました。
2.アッコ旧市街(2001年登録)
イスラムの要塞湾岸都市で、紀元前1700年頃に貿易で繁栄したアッコ。18世紀から19世紀にかけて、城壁に囲まれた都市内にモスクや公共浴場などが造られました。また、十字軍の終焉の地となったアッコの地下には十字軍の遺構がほぼ完全な形で保存されており、貴重な史料となっています。これらが評価され、2001年に世界文化遺産に登録されました。
3.テルアビブの白い都市(2003年登録)
ヨーロッパで生まれたバウハウス様式が、イスラエルの地中海性気候と砂漠性気候の中で独自の発展を遂げ、イスラエルに帰還する人々のために次々と建てられていきました。
特にテルアビブでは、白色や明るい色の建築群が今もなお4000軒を数え、20世紀前半の都市計画や建築を考える上で大変に重要な遺産となっています。
4.聖書時代の遺丘群-メギッド、ハツォール、ベエル・シェバ(2005年登録)
イスラエルには、テルと呼ばれる遺丘(=先史人の丘状の居住地)が200ほど残っており、その中でも代表的なもので、旧約聖書に登場する3つの丘、メギッド、ハツォール、ベエル・シェバが世界遺産の対象になっています。当時の水利施設や建造物の跡などが、青銅器時代から鉄器時代にかけての都市の様子を伝えている点でも歴史的価値が評価され、2005年に世界文化遺産に登録されました。
5.香料の道-ネゲヴ砂漠都市(2005年登録)
紀元前2世紀頃から紀元3世紀頃のナバテア人の都市遺跡。ハルザ、マムシト、アヴダット、シヴタの4つの都市遺跡と、6箇所の城塞・隊商宿、キャラバンが通った交易路の一部、そして交易路に打ち立てられた22箇所のマイルストーン群などが世界遺産の対象で、数十キロくらいの範囲で点在しています。荒涼とした砂漠地帯は地球のスケールを感じさせるスポットでもあります。
6.ハイファ及び西ガリラヤ地方のバハイ聖地群(2008年登録)
バハイ教は、バーブによるバーブ運動をきっかけに、バハーウッラーによって創始されたイスラム教系の新宗教で、ハイファにはバハーウッラーの墓、バーブの霊廟など、26の建築物が2008年より世界文化遺産に登録されています。ここには教団本部棟をはじめ、住居、庭園、墓地などがあり、バハイ教の信者達にとっての聖地となっています。
7.人類の進化を示すカルメル山の遺跡:ナハル・メアロット/ワディ・エルムガーラ渓谷の洞窟群(2012年登録)
イスラエルの世界遺産の中でも有名なのが、人類の進化を示すカルメル山の遺跡:ナハル・メアロット/ワディ・エルムガーラ渓谷の洞窟群。2012年に世界遺産登録された、比較的新しい文化遺産です。イスラエルのバハーイー教の本部が置かれる場所として知られるカルメル山西側斜面にある渓谷、ナハル・メアロットには、人類の進化の研究上重要な4つの洞窟、タブーン洞窟、スフール洞窟、エル・ワド洞窟、ジャマル洞窟が残っています。
8.ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群 : 洞窟の大地の小宇宙(2014年登録)
2014年に「ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群:洞窟の大地の小宇宙」という名でイスラエルの世界文化遺産に登録されたのは、ベト・グヴリン=マレシャ国立公園。イスラエル南部地区に位置する、地下都市の考古学遺跡群です。この遺跡では大規模な墓所や埋葬用の洞窟軍、古代ローマ時代の剣闘士競技などの見世物などが行われた施設(アンフィテアトルム)、ビザンティン期の聖堂や公衆浴場、小片を寄せ合わせ埋め込んで絵や模様を表す装飾美術のモザイク群など、多くの遺構が出土しています。
9.ベート・シェアリムの墓地遺跡:ユダヤ再興を示すランドマーク(2015年登録)
イスラエル北部、ハイファの南東に位置する「ベート・シェアリムの墓地遺跡:ユダヤ再興を示すランドマーク」は、ベート・シュアリム国立公園内にあり、紀元前2世紀以降に建設されました。エルサレムの外に建てられた初期ユダヤ教の墓地で、初期ユダヤ教の中心とでした。ギリシャ語、アラム語、ヘブライ語の文字を用いた絵画や碑文が残されています。
いかがでしたか、深い歴史を持つイスラエル。世界遺産に登録されている遺跡の豊富な国です。
一方では、ヨーロッパのような街並みのお洒落なカフェやショップでエンジョイすることもできる国です。是非、一度イスラエルにお越しいただき、歴史とハイテクの共存する世界を実感してください。