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TRAVEL

イスラエル北部、エズレルの谷の魅力を発見。アートとインスピレーションの旅

イスラエルの観光名所というと、エルサレムやテルアビブを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、イスラエル北部、ガリラヤ地方に位置する広大な自然の美しさを持つエズレルの谷。

数年前までの私にとってエズレルの谷は「週末の遊び場」でした。


このあたりには人気のクラブがたくさんあり、毎週金曜日の夜になるとハイファから30分ほど車を走らせて、ラマットダビッドにある「ヴェルティゴ」やラモットメナシェにある 「ターミナル」、ラマットイシャイにある「ベイト・ハミズラハ」といったクラブに繰り出していました。


そんな遊びに夢中な時期も過ぎ、クラブシーンとはお別れしましたが、エズレルの谷の魅力は他にもあります。


エズレルの谷にある通りの写真

今回はエズレルの谷のさらなる魅力を再発見すべく、エイナット・ヘルシュコさん企画によるプレスツアーに参加しました。以前にも彼女が企画した西ガリラヤ地方のツアーに参加したことがあるのですが、その時も驚きに満ちた素晴らしいツアーだったので、今回も素敵なツアーになることに違いありません。


案内してくれたのは、エイナットさんとジュード・ヴァイマンさんのお二人。一体どんなツアーになるのでしょうか。


キブツ・ハソレリム

家具やオブジェなど全て購入可能なギャラリー兼Airbnb「Jude’s Upstairs」

まず最初に訪れたのは、キブツ・ハソレリム。キブツというのは、イスラエルで20世紀初頭に集団農場として始まった生活共同体です。

ジュードさんはキブツ・ハソレリムに住んでおり、「Jude’s Upstairs」というギャラリー兼Airbnbをオープンしました。彼女がデザインを担当し、家具はジュードさんのご主人が手掛けています。建物内にある家具やキッチン用品、オブジェなどは全て購入可能です。


イスラエル、キブツ・ハソレリムにあるギャラリー兼AirbnbのJude’s Upstairsの外観

ひとつのことだけに集中するのではなく、同時に色々なことをすることを得意とするというジュードさん。ギャラリーであり、Airbnbであり、ワークショップも行われるJude’s Upstairsは、そんなジュードさん自身のユニークさをエレガントかつ自然な形で表しているようです。今後どうなるのかとても楽しみです。


Jude’s Upstairsで展示販売されている作品
Jude’s Upstairs建物内の様子

“Jude’s Upstairs”を予約するにはここをクリック。Airbnbの利用が初めての場合は、このリンクから利用登録を行うと、初回の予約が150シェケル(※1シェケルは約30円)のディスカウントになります。



Jude’s Upstairs Facebook

https://www.facebook.com/judesupstairs/


美しい景色とコーヒーを楽しめるワゴン式コーヒースタンド「Cafe 79」

次に訪れたのは、キブツ・ハソレリムの入り口、エズレルの谷の緑を望む絶好のロケーションに位置する、スマダルさんとヤロン・ヘルシュコヴィッツ夫妻が営むワゴン式コーヒースタンド、「Cafe 79」です。


ワゴン式コーヒースタンドCafe 79の様子

ワゴン式のコーヒースタンドのため、屋根や壁に仕切られた空間ではなく、自然の中で美しい景色を眺めながら美味しいコーヒーを嗜むことができます。


数年前にキブツ・ハゾレアを訪れた際に、初めてワゴン式のコーヒースタンドに出逢ったのですが、いずれのコーヒースタンドもエズレルの谷にあるのは決して偶然ではありません。イスラエルでは珍しく、谷の地方協議会が移動式ワゴンでの食品販売を許可しているのだそうです。


せっかくこの辺りを旅するのであれば、ぜひここを訪れて一息ついてはいかがでしょうか。他ではなかなか体験できない感覚が新鮮に感じられるはずです。


ワゴン式コーヒースタンドCafe 79から楽しめる景色


Cafe 79 Facebook

https://www.facebook.com/cafe79hasolelim/


アロネイ・アバ

ひらめきの場所、カフェ併設ギャラリー「マコム・ハシュラー」

コーヒーを嗜んだ後に訪れたのは、アロネイ・アバという場所にある、19世紀後半にドイツから入植したプロテスタントの一派、テンプラー様式の建物を利用した、「マコム・ハシュラー」(Makom Hashraa)というカフェを併設したアートギャラリーです。「マコム・ハシュラー」というのは「Place of Inspiration(ひらめきの場所)」という意味で、まさにこの場所に相応しい名前です。


オーナーのシルリ・バルレヴさんとイフアット・ゴランさんは、この建物をアーティストの家にしたいという長年の夢を抱いており、空きが出るとすぐにここを借りて、夢を叶えることにしたとのことです。


建物の周囲には大きな庭があり、テーブルやイス、子どもの遊び場にはティピーテントと呼ばれる小さな円錐型のテントが置いてあります。これだけ見ても、この場所には何か魔法が隠されているのではないかと胸が躍ります。


テーブルやイス、ティピーテントが並んだ、カフェ併設ギャラリー、マコム・ハシュラーの周囲の様子

マコム・ハシュラーは、アートギャラリーだけでなくカフェやトークイベント・ワークショップのためのスペースも兼ねています。またこの辺りのアーティストが借りることのできるスタジオも備えており、まさにアーティストの家と呼ぶにふさわしい場所です。


マコム・ハシュラーで展示される作品たち

ギャラリーではここで制作しているアーティストの作品のほか、エズレルの谷で活動しているイスラエル人アーティストの作品を販売しています。作品のジャンルは様々で、絵画もあればアクセサリーや陶芸などもあります。


おしゃれなイスが並んだマコム・ハシュラーの内観の様子
マコム・ハシュラーの内観の様子

近いうちにまたこちらを訪れ、ゆっくり作品を鑑賞したり、カフェで美味しいケーキを食べながら、のどかな谷の風景を楽しみたいと思います。



マコム・ハシュラー Facebook

https://www.facebook.com/makomhashraa/


ティムラット

全長24kmのトレイル「初代の番人から初代の宇宙飛行士へ」

次に向かったのは、アロネイ・アバから車で15分ほどに位置するティムラットという場所です。そこにあるナハラルの墓地で、ラマット・ダヴィッド基地の指揮官や空軍人事部長を務めたラミ・ベンエフライム准将(予)にお会いしました。


ラミ氏は、「初代の番人から初代の宇宙飛行士へ」と名付けられたトレイルの開発メンバー。トレイルはカルメル山の尾根、谷を見晴らす展望スポットからスタートし、いくつかの史跡を通り、ナハラルの墓地にあるイスラエル初の宇宙飛行士であるイラン・ラモン氏と息子のアサフ・ラモン氏のお墓にたどり着きます。


イスラエルにある初代の番人から初代の宇宙飛行士へと呼ばれるトレイルから望む景色

トレイルは全長24km、ジープや自転車で巡るほか、一部を徒歩で巡ることができます。


こだわりの詰まったブティック・ミール「ヌリット&リー」

トレイルを訪れた後はお待ちかねのランチタイムです。この日は、テイラーメイドのブティック・ミールを自宅で提供するヌリット・コルカ―さんとリー・ベンエフライムさんのおもてなしを受けました。


デザイナーのこだわりが光るヌリット&リーの内観の様子

デザイナーとしても活動するヌリットさんとリーさん。目でも楽しめる美しい料理の盛り付けや、細部まで整理された家からも、二人のデザイナーとしてのこだわりが感じられます。


こだわりは食材からも感じられます。二人が使う食材はどれも上質なものばかり。エズレル産の食材と輸入食材をうまく組み合わせて使います。


ヌリット&リーが提供する料理や建物内の写真

今回頂いたスープは、ショウガとレモングラスを効かせたオレンジ色のアジア風スープ。今まで食べたスープの中で一番おいしかったです。


キブツ・ミズラ

最後に訪れたのはキブツ・ミズラ。キブツ・ミズラの入り口にはレストランがあり、子どものころに家族と北部地方を旅行した後には、ランチを食べにしばしばこちらを訪れました。しかしキブツの中に入ることはなかったため、まさかヴィンテージショップがいくつもあるとは思いもよりませんでした。


ヴィンテージ好きは絶対訪れたいショップ「パームシュニヤ」

リリー・シェメシュさんが営む「パームシュニヤ」(Paam Shniya)は、ヴィンテージ好きにとっては天国のような場所です。


リリー・シェメシュさんが営むヴィンテージショップ、パームシュニヤの店内の様子

リリーさんの夢は、外国の蚤の市を訪れ、そこで選んだ宝物ともいえるオブジェをコンテナに詰めて、イスラエルで販売することでした。そしてその夢を叶えたリリーさん。今では毎年のようにベルギーの蚤の市を訪れており、店の商品のほとんどはそこで買い付けたものです。


リリー・シェメシュさんが営むヴィンテージショップ、パームシュニヤの外観の様子

ショップの経営に加えて、リリーさんは「エズレル谷の蚤の市」(Flea Market in the Valley)を立ち上げました。毎週第3土曜日にキブツ・ミズラで開催されるこの蚤の市には、アンティークディーラーが何十人と参加しています。


穀物倉庫を改装した古着屋「ギルグル」

リリーさんのショップの近くには、ギラット・ポラックさんによる古着屋「ギルグル」(Gilgul)があります。


穀物倉庫を改装した古着屋ギルグルの外観の様子

キブツで育ったギラットさん。少女時代には、服を選ぶクリエイティブな感性が抑圧されることに不満を抱いていました。その反動から、彼女の中で「服の店を持つ」という夢が生まれたのでした。そしてかつて穀物倉庫であった建物に、古着屋「ギルグル」をオープンし夢を叶えたのです。


店のデザインはとてもユニーク。元々の建物の面影を残すため、かつて穀物の秤が置かれた名残である床の穴は、埋めずにガラスで覆うことで内装の一部となっています。


ツアーを終えて

今回のツアーに参加して感じたのは、エズレルの谷がもはや北部地方の旅の途中に立ち寄るだけの場所ではなくなっていたということです。今回ご紹介したのはごく一部ですが、エズレルの谷で訪れるべき場所はまだまだ数えきれないほどあります。イスラエルを観光する際には、ぜひここを訪れてみてください。