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#イスラエルに寄り添います

【対談】ガザ関連報道にまつわる10の嘘(後編)

by ISRAERU 編集部 |2023年12月19日

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ハマスとイスラエルの戦争に関する報道について、多くの情報が交錯しています。そこで今回は、Youtubeチャンネル「懸けはシオン」のアリさんに、ガザ関連報道に関する疑問や嘘について、また日本にも影響を与える可能性がある中東問題について詳しく解説していただきました。聞き手は漫画家の田中マコトさんです。



田中マコトさん(左)とアリさん(右)

「ガザ地区の死者数はイスラエル側の10倍以上」という嘘

イスラエルでは、大虐殺から2ヶ月以上経った今でも正確な死亡者、拉致被害者の数がわかっておらず、行方不明と思われていた方の遺体が発見されたりしています。そのような混乱の中、ガザでは「死者の数」をどうやって正確に把握しているのでしょうか。また、ガザからの情報を私たちは信用していいのでしょうか?


ガザの死者に関する全ての情報はハマスが発表しており、死者の正確な数は実は把握されていませんし、テロ組織の発表する情報を信用してはいけません。例えば、ハマスのリーダーは大虐殺で「女性、子供と市民」を殺さなかったとBBCに堂々と嘘をつきました。FOXニュースの記者もハマスと連絡を取っていますが、明らかな嘘を付いていると明かしました。


ハマスの発表する死者数の辻褄が合わないことを指摘するポスト


上のポストでもわかるように、ハマスが報告している死者の数は完全に嘘であると、「HonestReporting」のメンバーがその数字を分析することによって暴露しました。国際連合人道問題調整事務所がそのハマスの数字を報告していますが、彼が指摘した通り、その数字がはっきりと彼らの嘘を暴いてくれています。女性と子供の死者数が、同日の死者数を上回るなどの例がしばしばありました。


アル・アハリ病院が爆撃されたという報道の際は、ガザ側から発表される死者の数が二転三転していたのが気になりました。


そうですね。アル・アハリ病院爆破事件は、ガザ側の発表する死者の数があまり信用出来ないことが広く知られるきっかけとなりました。爆破が起きてすぐに、イスラエルの空爆によって500人が殺されたとハマスが報告をし、世界中のマスコミがそれを鵜呑みにして報道しました。


映像が証明するように、これはイスラム聖戦のロケット弾が病院の駐車場に落ちたもので、最近ヒューマン・ライツ・ウォッチもイスラエルによるものではなかったと結論づけています。死者の数は専門家によると50人ぐらいでしたが、このフェイク情報は、反イスラエルのプロパガンダとしてとても効果的なので、パレスチナ自治体はをつき続けてきたのです。そして、一度報道された内容が訂正されても、すでに報道されたフェイク情報が撤回されることは稀なのです。


そもそも死者数について報道する前に、なぜそれだけの数の死者がでているのか、そしてそれは一体誰の責任なのかを問うべきだと思います。そもそもガザ地区が戦場になっているのは、ハマスが大虐殺を犯してこの戦争を仕掛けたのが原因であり、責任はハマスにあります。しかもガザ市民を人間の盾として使い、死者の数を出来るだけ増やそうとしています。それによって、国際社会がイスラエルを非難することを狙っているからです。同じ理由で、ハマスはイスラエルの警告に従ってガザ地区の南部に避難するガザ市民を銃撃していました。


そして、2023年10月27日のインタビューでハマスのリーダーは、何故市民のためにシェルターを作らなかったかと聞かれ、ガザ市民を守るのはイスラエルと国連の責任だと答えました。すなわち、ガザ市民が死んでもハマスは構わないと言い切ったこととなり、ガザの民の死を利用して世論を反イスラエルへと向かわせることだけを目指していることがよく分かります。


ロシア・トゥデイのインタビューを受け、自分たちにガザ市民を守る義務はないと話すハマスのリーダー


「イスラエルの人質との交換を条件に釈放されたパレスチナ人は無実の市民である」という嘘

今回のイスラエルの人質解放にあたり、人質1人に対して収監されていた3人のパレスチナ人が釈放されたことが話題になりました。この記事には書かれていませんが、彼らの罪状は主になんでしょうか。


主な罪状はテロ行為です。つまりイスラエル市民を銃撃したり、ナイフで刺したり、車でわざと衝突したり、走っている車に石を投げたりした行為により収監されていました。囚人たちの中には、生後 3ヶ月の赤ちゃんを含むフォゲル一家5人をナイフで殺害した二人のテロリストや、67人を殺害した爆弾を作ったテロリストなどが含まれています。


今回の人質と囚人の交換では、自分が乗っていた車を爆発させてイスラエルの警官に怪我をさせた女性テロリストや、隣のビルで暮らしていたユダヤ人の母親を、その子どもたちの目の前でナイフで刺した女性テロリストなど、多くの凶悪犯が釈放されました。尚、ハマスのガザ地区最高指導者ヤヒヤ・シンワルは、2011年のシャリート交換(イスラエル軍兵士の人質ひとりの代わりに1,027人のテロリスト達が釈放された)で釈放されました。彼は10月7日の大虐殺を企み、実行した中心人物のひとりです。


彼らは、イスラエルの刑務所内でどのような待遇を受けるのでしょうか。


刑務所内では非常に楽な生活を送っていたと、解放されたテロリスト達がテレビで明かしています。イスラエルは囚人を国際法に従って待遇し、国際赤十字がそれを監視しています。


国民の税金を使ってテロリスト達の命を救う手術などもしています。ヤヒヤ・シンワルは、イスラエルの刑務所内にいる時に脳腫瘍除去の手術も受けていますが、この手術を成功させたユヴァル・ビトン医師の甥が、ハマスの人質になっているという皮肉な事実は報道ではあまり伝えられていません。


「イスラエルはガザへの支援を阻んでいる」という嘘

日本はガザ地区に15億円の人道支援を決定しましたが、支援が悪用されているという報道も目にします。実際、世界中からの支援は市民まで届いているのでしょうか?


国連などの機関からの物資は「ガザ保健省」が管理しますが、ガザ保健省=ハマスであるため、エジプトからガザに食料などを届けても、結局のところ市民には届きません。残念ながら、支援は本当に必要とする市民にはあまり届かないだけでなく、テロリストに利用されています。


支援物資のセメントは攻撃のためのトンネルに、水道管ロケット弾に、というように援助は常に武器に化けています。食材はハマスの手に渡り、それをコントロールすることで彼らは支配を強めています。2005年にイスラエルがイスラエル人全員をガザ地区から立ち退かせる時まで、ガザには農業地が沢山ありました。イスラエルはグリーンハウスなどをそのまま残して行きましたが、ガザの市民がそのグリーンハウスから全てを盗んで破壊してしまいました。


ハマスの政策の目的はイスラエルの破壊ですから、援助を市民のために使うのではなく武器にすることは、残念ながら彼らにとっては正義です。因みに、これはパレスチナ自治体の目的でもあり、そのためテロリストの囚人や死んだテロリストの家族に多額の給料を払い、最後の一円まで必ず支払われると何度も約束しています。もしハマスが、イスラエルの破壊以外の政策をとっていれば、ガザはシンガポールになっていたはずですが、現実にはそうはなりませんでした。


ハマスの支配を排除しない限り、この状況は変わりません。市民はガザに残る限り、苦しみが続くでしょう。イスラエルは人質解放のための大事な作戦として、食糧や燃料がハマスに届かないように尽力していて、この作戦が非常に効きました。


「ハマスはガザ地区を率いる ”政党”である」という嘘

日本では、ハマスには “政党”、”福祉団体”、”軍事組織” の3つの顔があると説明する記事や、ハマスが真っ当な政府機関のように説明する子供向けの新聞もあり、混乱している方もいると思います。


ハマスは国際的に「テロ組織」としてリストされています。母体であるムスリム同胞団と同じく、「福祉団体」のふりをして支持を増やそうとしていました。これはテロ行為への準備であると、ハマスはずっと前から言っています。政党としての「姿」も、テロ行為を進めるための手段に過ぎません。


ハマスの憲章には、最初からイスラエルの破壊、つまりユダヤ民族のジェノサイドが明言されています。ハマスのみならず、ガザ地区の数千人の市民が10月7日の大虐殺に参加し、ハマスと一緒に拷問、レイプ、殺害、盗難、拉致、監禁の罪を犯しました。そして、彼らはガザ地区でイスラエル人を大量虐殺したことを祝ったのです。


囚えられたテロリストの中にUNRWA学校の校長や国連のスタッフが含まれていることが判明


人質が解放されるにつれ、ガザでの監禁についての詳細が報告されはじめ、UNRWA学校の教師が自宅内でイスラエル人の子供を人質として監禁し、飢えさせていたことなどが明らかになりました。また戦況が厳しくなって以来、ガザ地区の地下にある攻撃トンネルに潜んでいたハマスのテロリスト達が次々と上に出てきて、イスラエル国防軍に降伏しています。衝撃的なことに、最近それら投降したテロリストの中に、UNRWA学校の校長である Darwish Gharbawy、および国連のスタッフである Ahmed Akram Lubad が含まれていたことも判明しています。


つまり、ハマスには「国連のテロリスト」という4つ目の顔もあるという訳です。


実際のところ、ハマスはガザの人達から支持を得ているのでしょうか?


ガザ地区だけでなく、「西岸地区」でもハマスは支持を得ていますが、それらの市民はハマスを「テロ組織」として支持しています。


例えば、2023年11月14日に発表されたパレスチナ人の研究グループが行ったアンケートによると、ガザ地区と「西岸地区」のパレスチナ人の75%が、10月7日の大虐殺を支持しており(ガザ63.6%、西岸83.1%)、反対と答えたのは12.7%のみでした。同地区でのハマスの支持率は76%(ガザ59.6%、西岸87.7%)、ハマス軍事部門の支持率は88.6%です(ガザ79.3%、西岸95.4%)。因みに、同地区におけるパレスチナ自治政府の支持率は10.3%にとどまっています。


「ネタニヤフ政権がパレスチナ問題の亀裂を深めた」という嘘

イスラエルの情報機関の一つ、シンベトのトップを務めたアミ・アヤロン氏はしばしば日本のメディアでも取り上げられており、彼は「過去15年間にわたり主にネタニヤフ政権が行ってきた政策こそが、イスラエルに対するパレスチナ人の信頼を完全に失わせた」と話しています。


アヤロンはイスラエル労働党の元議員であり、つまり左派の政治家で、イスラエルでは全然評価されていません。残念ながら多くの情報機関の元リーダー達は超左派であり、彼らが作った安保制度が今回の大虐殺を許す結果となってしまいました。


アラファト議長は、1994年には既に「オスロ合意はイスラエルを騙すための作戦だった」と発言していますし、2000年には第二次インティファーダと呼ばれるテロ戦争を仕掛けました。「パレスチナ人の信頼を失った」というのは、元々信頼があったかのような言い方ですが、個人や小さなコミュニティ同士では信頼関係の構築に成功した例もありますが、パレスチナ政府は元々イスラエルを信頼していません。


ネタニヤフが負う責任といえば、ハマスときちんと対峙せず放置したことにより、イスラエル国民を今回のような危機にさらしたことでしょう。2009年の選挙戦で、ネタニヤフは「ハマスを打倒する」と動画の中で約束しました。あれから14年が経過しましたが、ハマスを打倒するどころか、不十分な対応のせいでテロリスト組織の成長を許しただけでした。


最後に:日本への影響が懸念される他の中東問題とは

最後に、日本では中東問題というと、パレスチナとイスラエルの事が多く報道されますが、他の中近東の国で起きている紛争についても教えてください。また、それらが今後日本に影響を与える可能性はあるのでしょうか?


仰る通り、他の問題は完全に無視されているかのようです。それでも「パレスチナ問題」だけは集中的に報道され、世界中でイスラエルを非難する大きなデモ活動が起こるのが現状です。


例えば2023年11月1日にパキスタンは、170万人のアフガン人の強制退去を始めました。イエメン内戦では、2015年から2022年まで約37万7千人が殺されました。シリア内戦では、国連の報告によると2011年から2021年まで少なくとも35万人が殺されたとされ、活動家のグループの報告によると2023年まで約61万4千人が殺されました。


日本に影響を与える可能性が最も高い中東の国といえば、イランだと思います。イスラエルを攻撃しているハマス、ヒズボラとフーシは皆イランがバックについており、イランとの代理戦争を請け負っています。2023年11月15日の国際原子力機関の報告によると、イランは監視を無視して3本の核兵器の元となる量の濃縮ウランを作ってきました。彼らは、短時間で原子爆弾を手に入れられる状況にあります。


また、イランと北朝鮮の協力関係は以前からよく知られており、国連の報告によると長距離ミサイルの開発でも協力しています。しかもハマスは、10月7日の大虐殺において北朝鮮製のロケットランチャーを使用しました。


こうしてみると、日本にとってもこの問題は他人事ではなくなる可能性があることがお分かりいただけると思います。世界の安全保障にとって、中東は最も考慮するべき重要な地域かも知れません。この地域の情勢を正しく把握して対応するためには、正確な情報が不可欠です。この対談記事が、今回の戦争に関する偏向報道について考えるきっかけとなることを願っています。