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FOOD

ソムリエが選んだイスラエルワインおすすめランキングTOP5

by クニコ コーヘン |2020年10月21日

赤ワインと白ワイン

シャローム  hello こんにちは。イスラエル在住のクニコです。


ワインと聞くとイタリアやフランス、スペインやチリなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はイスラエルのワイン産業はとても盛んで、世界的にも有名です。
イスラエルの総面積は2.2万平方kmで、そのうちブドウ畑の面積は5,500ヘクタール。スペイン南部アンダルシア州のブドウ畑が5,500ヘクタール、フランスのブルゴーニュ北部のシャブリが6,800ヘクタールなので、一国のブドウ栽培面積としては大きくありません。しかし、生育期は雨が少なく、夏は乾燥して温かく、冬は冷涼という地中海性気候はワイン生産に適しており、こうした多彩な土地から多彩なワインが作られています。

今回は日本ではまだあまり馴染みのない、イスラエルのワインについて紹介します。


ワイン畑

イスラエルワインの歴史

イスラエルはワイン発祥の地の一角を占め、ワイン造りには5,000年以上の歴史がある国です。
ところが第一次世界大戦が終わる近年まで、400年に渡ってオスマン帝国(イスラム教)に支配されていた時期があり、さらに遡ってみればイスラム教による支配は古くは600年代から始まり、その期間は約1,200年にもなり、またこの間はイスラエルでワイン作りが禁止され、当時の土着品種の葡萄はすべて引き抜かれてしまったと言われています。


ワイン畑のブドウ

近代のワイン造りの再建

近代のイスラエルのワイン造りは、1882年にシャトー・ラフィットのオーナーであった、エドモンド・ド・ロスチャイルド男爵がカーメル・ワイナリーを設立したところから始まります。
当初はユダヤ人向けの*コーシャワイン作りが中心でしたが、時代が進むこと1983年のゴランハイツ・ワイナリーの創設を機に、イスラエルのワイン造りは高品質ワイン造りへと舵を切って行く事になるのです。
これらの動きに触発されて1990年代に入ると、イスラエルではブティック・ワイナリーが次々と生まれ、現在に繋がっていきます。


*(コーシャワイン= ユダヤ教の教義にのっとったコーシャの認定を受けたワイン。また、ぶどうは神聖なものとされているので、「畑を7年収穫して1年休めせる」「ぶどう畑の10%を収穫しないで誰でも収穫できるようにする」などの細かい規定があります。そのため、コーシャワインを造るときは、この規定に則る必要があります。)
乾杯の様子

有名ワイン評論家ロバート・パーカーによる高い採点で一躍有名になったイスラエルワイン

2007年に、ワイン評論家として最も有名なロバート・パーカー氏が、9つのワイナリーのワインに90ポイント以上のスコアを付けたことから、イスラエルワインは世界基準のワインとして世界中に知られるようになりました。


以下、ロバート・パーカー氏が高評価をつけた9つのワイナリーです。

・ヤティール・ワイナリー
・ゴランハイツ・ワイナリー

・ツオラ・ヴィンヤード
・ドメーヌ・デュ・カステル

・ガリル・マウンテン・ワイナリー
・カーメル・ワイナリー

・チューリップ・ワイナリー
・ペルター・ワイナリー
・クロ・ド・ガット・ワイナリー


日本だと最も有名なのが、後ほどランキングでも多数ご紹介する「ヤルデン」を生産しているゴランハイツワイナリーでしょうか。


ソムリエが選んだイスラエルワインランキングTOP5

イスラエルには優れたワインが多くありますが、その中でもソムリエが選ぶおすすめイスラエルワインベスト5をランキング形式で紹介します。


5位 ユデアン ハイツ プティ・シラー



ユデアンハイツで造られたプティシラーです。ユデアンハイツは、2000年に設立された新しいワイナリーですが、年々出荷量を増やしており、今や世界中に輸出するまで成長したブティックワイナリーです。口に含むと豊富なミネラルを感じ、溌剌とした酸味が際立っています。タンニンもしっかりと感じられ、凝縮した果実とほんのり感じる苦みの流れを感じることができます。プティシラー100パーセントで造られているので、色味も濃く、インパクトのあるボディです。

グリルしたステーキやBBQなど、味付けのしっかりしたお肉料理と合わせるのがおすすめです。


4位 ビンヤミナ ヨゲブ カベルネ・ソーヴィニヨン プティ・ヴェルド



ビンヤミナワイナリーは、イスラエル建国から4年後の1952年に、ハンガリーから移住してきたJoseph Zeltzerによって設立されたワイナリーです。 2008年にはイスラエルのワイン産業を牽引してきた個人投資家によって買収されました。

カベルネ・ソーヴィニヨンとプティベルドーのブレンドで、アニスのような甘美な香りがします。ワインの一部はステンレススチールタンク熟成で、残りはオーク樽で6ヶ月熟成しているワインは、濃厚な風味が特徴です。


3位 ヤルデン ヴィオニエ



ベスト3は全て同じワイナリー「ヤルデン」から選出されました。

日本国内では「イスラエルワインといえばヤルデン!」と言われるほど認知度があるワインです。アロマ豊かなこのワインからは新鮮なモモ、アプリコット、花を思わせる香りとともに微かなスパイスが感じられ、その背景に広がる滑らかなオークが全てを際立たせています。ヴィオニエ特有の繊細な苦味が特徴的で、舌に長く残ります。ブルーチーズやエスニック料理といった、少し癖のある料理に合わせることができます。


2位 ヤルデン シャルドネ



アロマ溢れるこのワインは、トロピカルフルーツやパイナップルのような果実味のある香りが広がります。 リッチなオーク樽由来のバニラ香とミネラルのニュアンスがはっきりと感じられ、上品な味わいに仕上がっているのが特徴。ワインスペクテイター誌では、96年ヴィンテージがイスラエルの白ワイン第1位として紹介されました。魚介料理やグリルチキン、ポークチョップといった脂っこい料理にも合わせられるワインです。


1 位 ヤルデン カベルネ・ソーヴィニヨン



今回、イスラエルワインで1位に選ばれたのは、ヤルデンのカベルネ・ソーヴィニヨンです!チョコレートやタバコのニュアンス、樽由来のなめし革といったアロマが感じられる複雑性のあるワイン。濃厚な深い味わいで、肉料理全般、ジビエなどとも相性抜群です。こちらもワイン・スペクテイターなどのワイン専門誌で、イスラエル赤ワインの第1位として紹介されています。また、イスラエル航空のファーストクラスのワインに採用されているワインとしても知られています。ヤルデンは世界中のワイン評論家から高い評価を受けていますし、日本でも流通量が増え、人気が高まってきています。その中でも、このカベルネ・ソーヴィニヨンは特に秀逸。煮込み料理やすき焼き、鰻の蒲焼といった和食との相性も抜群に良いです。


いかがでしたか?世界をリードするテクノロジーはイスラエルに多々ありますが、イスラエルの豪華なワイン産業も見落とすことができません。是非友人たちとのパーティーでご家族との食卓でイスラエルワインをお試しください。

それでは、次回をお楽しみに!レヒトラオット!さようなら