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BEAUTY

砂漠で生まれた!イスラエルを代表する自然派コスメFaran Cosmetics(ファランコスメティックス)

by 松井 葉月 |2021年04月01日

オーガニック特集

厳しい環境で”生きるため”に生まれたコスメ

Faran Cosmetics(ファランコスメティックス)はイスラエル南部、砂漠に囲まれた小さな町、ミツペ・ラモンで生まれたコスメです。


イスラエル南部、ミツペ・ラモン。自然の侵食でできた巨大なクレーターは圧巻。
Faran Cosmeticsが誕生した地、イスラエル南部、ミツペ・ラモン。自然の侵食でできた巨大なクレーターは圧巻。

ブランド誕生のきっかけとなったストーリーも砂漠ならではで、非常にユニークです。砂漠では水が非常に貴重な資源です。砂漠で水が無くなることは、すなわち生命の危機を意味します。Faranの創設者であるItay Keynan氏は水が貴重なこの地で、生活用水をリサイクルしながら生活していました。


厳選された成分について説明するFaran Cosmetics CEOのItay Keynan氏
厳選された成分について説明するFaran Cosmetics CEOのItay Keynan氏

貴重な水を節制しながら過ごすなかで、洗濯機に使った水を庭の植物へ二次利用できるような洗浄剤が必要になりましたが、当時イスラエルにはそのような洗浄剤はありませんでした。化学的な強い界面活性剤は植物に与えることはできません。彼は必要に駆られ、庭に流せるほど自然と調和できるソープを自宅のキッチンで作り始めました。このソープが地域で好評を博し、それから間もなく1999年、自宅近くにソープ工場を開業します。それがFaran誕生のきっかけとなりました。


Faran誕生のきっかけとなったソープは現在も根強い人気を誇る。
Faran誕生のきっかけとなったソープは現在も根強い人気を誇る。貴重なミツペ・ラモン産のオリーブオイルをベースにしたものや、ラクダやヤギのミルクをベースにした保湿に優れたものなど、種類が豊富で選ぶのが楽しくなるラインナップだ。


こうして砂漠ならではの理由で生まれたFARAN。この切迫さは他のコスメブランドにはなかなか見られません。そして生命が脅かされる環境のなかで作るソープに、成分の妥協はできません。もしも妥協の末、そこにある手頃な界面活性剤が混入したソープを使ったら、たちまち砂漠の貴重な緑が死んでしまいます。「自然との調和」と言うだけなら誰でも言えます。巷には自然派・オーガニックを謳ったブランドがひしめき合いますが、Faranほど実体験として説得力を持つブランドは貴重です。だからこそ、Itay氏の成分に関するこだわりには絶大な信頼を置くことができるのです。


ミツペ・ラモンにあるビジターセンター。商品の購入はもちろんのこと、事前予約をすると工場の見学やオリジナルコスメの制作体験ができる。
ミツペ・ラモンにあるビジターセンター。商品の購入はもちろんのこと、事前予約をすると工場の見学やオリジナルコスメの制作体験ができる。

赤ちゃんからお年寄りまで 生活に寄り添うラインナップ

ブランド誕生当時のソープから徐々に製品は増えていき、現在のラインナップは非常に豊富です。ブランド誕生のきっかけとなったナチュラルソープ、そしてベビー・マタニティケア、スキンケア、ボディケア、デオドラントケア、スポーツライン、ミネラルメイクアップコスメ、などライフスタイルを支えるラインナップが勢揃いしています。


どの製品も高品質で、素材へのこだわりを感じる。
砂漠を彷彿とさせるパッケージデザインもおしゃれ。老若男女、幅広い層に向けたラインナップ。

自然由来の厳選された成分でできており、どの製品も生活に侵食してくるような強い香りではなく、ふわりと気持ちが良い香りです。派手さは無くコスメ自体の主張は強くありませんが、どれも機能的で生活に無くてはならない存在です。どれもItay氏によって選び抜かれた質のよい成分で作られており、赤ちゃんからお年寄りまで安心して使用できる点が魅力的です。


ベビー用のラインナップも豊富。1歳の息子がいる筆者も愛用している。
ベビー用のラインナップも豊富。優しい香りで使い心地が良く、1歳の息子がいる筆者も愛用している。

そしてイスラエルコスメにも関わらず、死海の成分をメインに出していない点も特徴的です。枯渇が心配される死海の成分ではなく、基本は植物由来という点もサスティナブルで好感が持てます。


Faranが提唱するシャバットメイクアップとは

ミネラルメイクアップの製品には、イスラエルならではの配慮がなされています。ユダヤ教には週末、金曜の日没から土曜の日没まで、シャバット(安息日)という慣わしがあります。シャバットにおいてはあらゆる労働が禁止されています。基本的には女性の化粧さえも禁止されています。着色されたものや、スプレット状の化粧品を塗ってはいけません。


使い心地が軽やかなFaranのミネラルファンデーション。
使い心地が軽やかなFaranのミネラルファンデーション。シャバットメイクにも最適に作られている。

ただし、パウダー状であり、手を加えていない自然の顔料であれば顔に塗ることができます。Faranのメイクアップラインは天然の鉱物から抽出された色素でできており、なおかつパウダー状で作られているためユダヤ教の女性がシャバットでも安心して使用することができます。シャバットは日本人からすると耳慣れない慣わしですが、週末の労働が禁止されることにより日々にメリハリがついたり、週末に肌を休めてリフレッシュできたり、私たちも享受したいメリットがある習慣です。


Faranのメイクアップラインの色素は天然の鉱物から抽出されている。
メイクアップラインの色素は天然の鉱物から抽出されている。発色が自然で優しい。

CEOのItay Keynan氏は親日家

こだわりの強い、魅力的なコスメを作り続けるItay Keynan氏。彼はFaranのCEOというだけではなく、空手家でもあります。日本への造詣が深く、お会いした際は東京に滞在した時のことを嬉しそうに話してくれたことが印象的でした。現在はFaranの経営の傍らでミツペ・ラモンの人々に空手を教えています。


ミツペ・ラモンの道場にて、子供たちに極真空手を教えるItay Keynan氏。
ミツペ・ラモンの道場にて、子供たちに極真空手を教えるItay Keynan氏。

最後にItay氏から日本のコスメファンへメッセージをお届けします。

「コスメは人生を豊かにする一つの手段です。特に質がよい、天然素材で作られた製品を手にしてみてください。生産者の誠実さ、注意深さ、そして愛情があなたの人生に利益を与えるでしょう。私たちは自分たちがしていることを信じていて、そして愛しています。Faranにベストを尽くすことが幸せなのです。私たちの製品がより多くの人々に幸せと健康をもたらすことを願っています。」


工場でこだわりのソープ作りを見せてくれたItay氏。
工場でこだわりのソープ作りを見せてくれたItay氏。

砂漠生まれと言うユニークなブランドストーリーを持ち、成分へのこだわりが強く、誠実さと愛情が詰まったFaran Cosmetics。イスラエルを代表する自然派コスメとして注目すべきブランドです。


Faran Cosmetics

Har Ardon 12, Mitzpe Ramon, 

80600 Israel