日本を含め、世界各地でLGBTQ+に関するイベントが開催される6月は、プライド月間としても知られています。イスラエルでも数多くのイベントが開催され、特にテルアビブは「ゲイの街」という愛称で親しまれているように、ドラァグクイーンの講演会やパフォーマンスをはじめ、様々なイベントが開催されます。その中でも特に盛り上がりを見せるのは、プライドパレードです。
今年は6月25日に開催され、全国各地より10万人が参加し、自分たちの存在の認知、平等を求めて行進しました。
暗いベースメントからから最大のステージへ
テルアビブのプライドイベントが始まったのは1998年と古く、今やイスラエルの伝統的な行事の一つとなっています。
かつてイスラエルでは、LGBTQ+文化は敬遠されており、ゲイのアーティストたちは自分たちの身を守るため、偽名を用いて小さな場所でパフォーマンスを行っていました。しかし多様な性的嗜好や性別を正常化するために情熱的な啓蒙活動を続けたことで、今やイスラエル国内だけでなく、世界各地から参加者が集まるまでに成長したのです。
パレードに参加するのは、LGBTQ+の人々だけではありません。彼らの友人や家族もパレードに参加し、LGBTQ+の人々をサポートします。というのも、イスラエルでは同性婚は未だ法的に認められておらず、同性愛者に対する寛容さは増しているものの、トランスジェンダーの人々にとっては厳しい状況が続いています。
今年のパレードでは「コミュニティが変化を起こす力」を強調しており、LGBTQ+のコミュニティを強化し、外部の組織と協力して平等のために闘うという確固たるメッセージが込められていました。
また近年イスラエルでは、自分のセクシュアリティをオープンにするアーティストたちが増えており、今回公式プライドソングを担当した若手シンガーElla Leeもその一人。彼女は同性パートナーがいることを公表したばかりです。
パレードは、ビーチ沿いのラハット・プロムナードからスタート。まずはカラフルな衣装を身にまとった大勢のパフォーマーたちを乗せた6台の大型トラックが登場しました。レインボーフラッグが多く掲げられ、多様性を表現しています。
パレードのゴール地点であるチャールズ・クロア公園では、Ella Lee LahavとEden Hasonが公式プライドソング「Simi Pas」を披露するほか、有名歌手によるライブパフォーマンスが行われ、LGBTQ+コミュニティへのサポートを表明しました。
昨年はパンデミックの影響で残念ながらパレードは中止となりましたが、今年は圧倒的な参加者数で見事に復活し、コミュニティの強さを証明しました。