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MUSIC

初心者にもおすすめのイスラエルジャズアーティスト5選

by クニコ コーヘン |2020年12月31日

シャローム  hello こんにちは。イスラエル在住のクニコです。 


ジャズといえばアメリカ・ニューオリンズが有名ですが、イスラエルが真のジャズ超大国と呼ばれていることをご存じですか?現在ニューヨークまたはヨーロッパに拠点置き、音楽活動を行っているミュージシャンは200人以上もいるのです。

今回は、世界で活躍するイスラエルのジャズアーティストを紹介します。


額副上にクラリネットが乗った写真

イスラエルジャズの歴史

ベングリオン研究所でイスラエルのジャズ関連の研究をしているアリエ・テッパー氏は、イスラエルジャズについて以下のように述べています。


「ジャズはイスラエル発祥ではありません。イスラエルジャズの発展の経緯を調べることは、ヘブライ文化の境界を調べる方法でもあります。ここにイスラエルのジャズがあり、イスラエルの音がある。しかし同時に、それは別の場所で発生したのです。それはニューオーリンズであり、それ自体が当時の真の文化のるつぼなのです。これは、20世紀初頭にニューオーリンズに住む多くのコミュニティに関係しています。イタリア、ドイツ、クレオール、「アメリカの黒人」グループ、キリスト教、ユダヤ教、ブードゥー教などさまざまな宗教的信念に加えて、音、匂い、味、感性の特異な融合があるのです。」


イスラエルジャズの確立には時間を要しました。 1950年代初頭にイスラエルへ移住したアメリカ生まれのサックス奏者メル・ケラーの努力から始まります。彼はイスラエルジャズシーンをキックスタートしたことで知られています。現在、80歳のピアニストであるダニー・ゴットフリードは、紅海ジャズフェスティバルの創設者でもあるアーティスティックディレクターです。また77歳のドラマーであるアレレ・カミンスキー、81歳のマルチインストゥルメンタリストであるアルバート・ピアメンタなどがイスラエルジャズの先駆け者と言われています。


ピアノをはじく手の写真

イスラエルの有名ジャズアーティスト

それではまず、イスラエルの著名ジャズアーティストを10名紹介したいと思います。


アヴィシャイ・コーエン(Bass) Avishai Cohen

https://avishaicohen.com/


オメル・アヴィタル(Bass) Omer Avital

https://www.omeravital.com/


アナット・コーエン(Cl、Sax) Anat Cohen

https://www.anatcohen.com/


アヴィシャイ・コーエン(Tp) Avishai Cohen

http://www.avishaicohenmusic.com/


エリ・ディジブリ(Sax) Eli Degibri

http://www.degibri.com/


ヤロン・ヘルマン(P) Yaron Herman

http://yaronherman.com/


オメル・クライン(P) Omer Klein

https://omerklein.com/


ダニエル・ザミール(Sax) Daniel Zamir

http://danielzamir.com/home/en


ギラッド・ヘクセルマン(G) Gilad Hekselman

https://www.giladhekselman.com/


アヴィヴ・コーエン(ソル・モンク)(Dr) Aviv Cohen(Sol Monk)

https://www.facebook.com/avivcohenofficial/


ジャズ初心者にもおすすめのイスラエルジャズアーティスト5選

イスラエルジャズを聴いてみたいという方のために、特におすすめのイスラエルジャズ5選を紹介します。


Avishai Cohen (bassist) アヴィシャイ・コーヘン




1970年イスラエル生まれ。同じくベーシストのオメル・アヴィタル、トロンボーン奏者のアヴィ・レボビッチと1992年にニューヨークに渡った、イスラエルを代表するベーシストです。自身のトリオでは、シャイ・マエストロやニタイ・ハーシュコヴィッツら後進のプレイヤーを輩出した他、オーケストラ作品からヴォーカル・アルバムまで手掛け、多彩な音楽性を誇っています。アヴィシャイの最初の3アルバム、Colors、Devotion、Adamaは、開拓したジャズの分野と吸収したメロディーとの融合を目指しています。2002年、アビシャイは彼のレコードレーベル、RazdazRecordzを設立。 「私は常にジャズ、ロック、ポップ、ラテン、ファンクなど、いくつかのジャンルの音楽に興味を持っていました」とアビシャイは述べています。 現在、テルアビブを拠点に活動中。

https://avishaicohen.com/




Albert Beger アルベルト・ベーガー



イスラエルジャズアーティスト、アルベルト・べーガーの演奏写真

1959年トルコ生まれ、3歳の時に両親とイスラエルへ移住。 イスラエル出身のサックス、フルート奏者、アカデミー講師です。 ポストバップ、ハードバップ、フリージャズ、アバンギャルド音楽などのジャンルの作曲家でもあります。27歳の時、ボストンのバークリー音楽大学から奨学金を受け取り名門研究所に3年間留学。1995年にデビューアルバムThePrimitiveをリリースしました。1997年、イスラエルで国内最大のレコードレーベル「NMCレコード」からリリース、Columbia Recordsと販売契約を結びます。2005年、ランダウ舞台芸術賞を受賞。2005年と2006年、Evolveing Silence 2巻のアルバムをリリース。2008年8枚目のアルバムビッグマザーをリリース。2009年、イスラエルのミュージシャンに対する最高の栄誉である名誉ある作曲家賞を受賞しました。

https://albertbeger.bandcamp.com/




Omer Avital オメー・アヴィタル




1959年イスラエル生まれ。イスラエルを代表する芸術高校テルマ・イェリンに入学、ジャズの勉強とアレンジを始めます。1992年にニューヨークに渡り、古典作曲、アラブ音楽理論、沈香、伝統的なイスラエル音楽のルーツに根ざした音楽を積極的に採り入れた演奏を聴かせます。そこでプロとして演奏、録音、ツアーを開始。コンテンポラリーなジャズシーンで確固たる地位を築いたイスラエル・ジャズの第一世代を代表するベーシストです。

2001年、初作『Think With Your Heart』を発表。2006年『Asking No Permission』、『The Ancient Art of Giving』、『Arrival』3アルバムをリリース。『Room To Grow』(2007年)、『Free Forever』(2011年)、『Live At Smalls』(2011年)、『Suite of The East』(2011年)その重く分厚いサウンドと類稀なコンポジション・スキルで「ミンガスの再来」とも言われる現代ジャズ・シーン最高のベーシストとして”イスラエル・ジャズ”をレプリゼントしています。

https://www.omeravital.com/




Yaron Herman ヤロン・ヘルマン




1981年、イスラエル生まれ。ジャズミュージシャンOpherBrayerからピアノのレッスンを受けます。リモンジャズ現代音楽学校の「ジュニアタレント」賞を受賞。 19歳でアメリカへ渡ります。2008年にリリースしたアルバム「A timeforeverything」は、Revelation of theyearカテゴリーでフランスの賞「Victoiredujazz」を獲得。 2009年には、アーティストオブザイヤー、アルバムオブザイヤー(アルバムミューズ)、ピープルズチョイスの3つの「VictoiresduJazz」賞にノミネートされました。アルバム「ミューズ」は、2009年にiTunesタイトルのジャズアルバムオブザイヤーを受賞。2012年、2015年、2016年モントルージャズピアノソロコンペティションの審査委員長を務め、また2015~2016年にモントルージャズアカデミーの会長を務めました。モダンなタッチのピアニストで、中東音楽の要素も忍ばせています。

https://yaronherman.com/




Gilad Hekselman ギラッド・ヘクセルマン




1983年イスラエル生まれのジャズギタリスト。ギラッドは2004年にニューヨークへ渡り、ニュースクールフォージャズアンドコンテンポラリーミュージックに通いました。 2005年、スイスで開催されたギブソン-モントルージャズフェスティバルギターコンクールで優勝。アルバムには、Splitlife、Words Unspoken、Hearts Wide Open、This Just In、Homesなどがあります。伝統音楽からの影響はあまり感じさせず、コンテンポラリーなサウンドを追求しています。

https://www.giladhekselman.com/



いかがでしたか?現ジャズシーンにおける“ひとつの勢力”と言えるほど、イスラエル出身ミュージシャンたちの活躍はめざましいものです。すでにイスラエルのジャズマンは“第四世代の時代”に突入しつつあります。イスラエルのジャズマンの今後の活躍に期待いたしましょう。


それでは、次回をお楽しみに!レヒトラオット!さようなら!