テルアビブ中心地に拠点を置き、主に現地でのプロジェクトに取り組んでいるインテリアおよびインダストリアルデザイナーのチェン・シャドミ(Chen Shadmi)氏。「私は勉学のため、15年前にここに引っ越し、この街と恋に落ちました。建築物やデザインは地元の工芸品だと考えているので、私はクライアント、サプライヤー、材料が揃った現地で暮らし、働くことが多いです。」
インテリアデザイナーとインダストリアルデザイナーの両方の資格を持つシャドミ氏は、2010年にスタジオを設立しました。主にオフィスや都市のアパートを手掛け、空間デザインだけでなく、家具から照明まで含む包括的なサービスをクライアントに提供しています。「クライアントが希望した場合、私は360度の観点からプロジェクトを計画できます。そうでない場合は、地元の優れたサプライヤーや専門家を紹介することができます。」
―――新しいプロジェクトのインスピレーションはなんですか?
チェン・シャドミ氏(以下、シャドミ):クライアントです。私の作品は全て私を取り巻く人や家族、従業員に関する物なので、彼らが私にインスピレーションを与え、デザインプロセスを導いてくれます。
―――では、ビジュアル面ではいかがでしょう?
シャドミ:私は天然素材が大好きです。木、石、セメント、そして緑、地元のもので、ここイスラエルの気候に耐えることができるものは何でも。私はだいたい、これらの素材を自然な形のまま保ち、空間に暖かさを加えるため、細部に色のタッチを施します。
シャドミ氏は、設計プロセスでテクノロジーとイノベーションを組み合わせることがよくあります。「最近、ガジェット愛好家の起業家が所有する、ラマト・ガンのプライベート別荘で作業をしました」と彼女は説明します。「私は彼がVRメガネを持っているのを見て、すぐに3Dモデルを挿入できるかどうか尋ねました。自分のビジョンと計画を彼やサプライヤーと早い段階で共有できるようにです。技術的にそれを機能させる方法を見つけるまで一緒に研究したのですが、その結果はエキサイティングなものでした!私たちは何もない空間にいながら、天井の高さからキッチンの構造まで、すべてを見ることができました。デザイナーではないほとんどの人は、最終的な結果を想像するのに苦労することが多いため、ビジョンを明確に伝えることは非常に重要です。このプロセスは、クライアントとのコミュニケーションと計画を実行した専門家の正確さの点で、大きな一歩でした」
―――シャドミ氏の1番のデザインの秘訣はなんですか。
シャドミ:事前計画です。何をしたいか理解し、3Dモデルを使用してシミュレーションをしますが、その過程で発生する変更にも柔軟に対応できるようにしています。
―――小都市のアパートに特有の何かですか?
シャドミ:専門家や建築家、デザイナーに協力してもらい、計画を立てやすくしています。表面が小さいほど、各パートの価格が高くなるため、すべてのインチを最大限に活用することが重要です。そのタスクに適した経験とノウハウを持っている人と協力することが大切です。
―――そして、現在自宅で仕事をしていて、安定したワークステーションが必要な人のために?
シャドミ:適切なホームオフィスのためのスペースを作り、快適かつすべてのニーズを満たすよう設計します。音響設備や簡易的なキッチンなど、ワークゾーンを他のスペースと切り離すために必要なものは何でも。集中力を高めるのに役立つ最大限に快適な空間を生み出すのです。
―――デザインオブジェクトはどうですか?
シャドミ:地元のデザイナーと一緒に仕事をすることを常にお勧めします。ここには才能溢れる方々がいて、また一緒に働く人々が地理的に近くにいるということは、デザインプロセスのすべての過程に携われるなど、非常にプラスになります。
―――シャドミ氏がテルアビブが大好きなのは明らかですが、世界の他の場所でプロジェクトに取り組むことができたら、どこがいいですか?
シャドミ:ニューヨーク、パリ、ロンドンなどのすべての大都市圏がいいです。プロジェクトを成功させるには、コンテキストを深く理解する必要があると思いますが、独創的で革新的なアイデアを思いつくには、”よそもの”が必要になることもあると私は考えています。
テキスト:Inbal Sinai
写真:Omri Amsallem