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CULTURE

日本人が登場するイスラエルのCMの撮影現場レポート【Shufersal編】

by ナボン 恵子 |2020年09月09日


イスラエルは間もなく新年を迎えます!

えっ?と思われた方もきっといらっしゃいますね。イスラエルは、月の満ち欠けに基づいて一か月を定める「太陰暦」を、ユダヤ暦として現在も暦の基準にしています。日本は、明治5 (1872) 年にそれまで基準としてい太陰暦から、その頃すでに世界の主流となっていた太陽暦に突然変更しました。


2020年は、ユダヤ暦で9月19日がRosh Hashana (ロッシュ・ハシャナ)、新年です!イスラエルでは、前日の日没から新年を祝います。いわゆる大晦日といった位置づけですが、イスラエルでは宗教的な行事は、その前日の日没からが行事開始になるため、新年もその例外ではありません。大晦日は家族や親戚が集まって盛大に食事をするのが習慣です。



総合スーパー最大手のShufersal (スーファーサル) のTVコマーシャルやSNS広告で日本人が登場

イスラエルにもいくつか大型の全国展開スーパーがあります。日本でいう、イトーヨーカ堂、西友、イオンなどといった具合の総合スーパーです。その最大手であるShufersal (スーファーサル) がユダヤ暦の新年に向け、TVコマーシャルを含むSNSでの新年セールの宣伝に力を入れています。そしてこの広告では、イスラエル在住の日本人が登場しています。(実は筆者もその一人!) イスラエルだけで放映されているコマーシャルやSNS広告の制作現場を、ISRAERU読者の皆様にもご紹介いたします。


巨大スタジオで一日がかりの撮影

撮影は、3つの大型スタジオ (935m²、1300m²、1600m²) のあるPetach Tikva Studios (ぺタフティクバ・スタジオ) で行われました。



セットはけっこう大がかりでした。



撮影は朝から晩まで一日がかりです。



この手に持っている食べ物はgefilte fish (ゲフィルテ・フィッシュ)といって、ユダヤ人の伝統的な魚料理のひとつです。魚をすり身にした料理なので、日本のつみれに近いものです。



そして出来上がったCMがこちら。



このコマーシャルを撮影したプロデューサーに、ストーリーの背景を聞きました。

いつも人は新しい年を迎えるにあたり、気持ちを一新し、抱負を抱きます。2020年は、世界的なパンデミックに襲われましたので、是非新年は経済が安定し、少しでも正常化を図りたいものです。ユダヤ暦の新年は太陽暦の新年である1月1日より3ヵ月ほど早く訪れます。世界中にいるユダヤ人は一足先に新しい年を迎えることができます。そんな期待の高まる、楽しい大晦日を演出したかった」との事です。


バックに流れる音楽は、もともとはヘブライ語の新年をお祝いする曲です。それをスウェーデン語やイタリア語、日本語も交えて編曲しました。オリジナル感溢れるTVコマーシャルに仕上がっています。