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Art

おさえておきたい!イスラエルを代表する女性現代アーティスト

by クニコ コーヘン |2021年03月25日


シャローム hello こんにちは。イスラエル在住のクニコです。


年々日本でも広がりを見せている3/8国際女性デー。今回は、世界のキャンバスにその名を刻む、才能ある現代イスラエル女性アーティストたち5名をご紹介します。素晴らしい彼女たちの作品をご覧ください。


イスラエル人画家アリエラ・ウェーセイマー Photo by Sivan Farag

現代イスラエル女性アーティスト 目次

1. アリエラ・ウェーセイマー

2. シルビア・フェインステイン

3. ミリアム・カベサ

4. ナタリー・ゾラボワ

5. シガリット・ランダウ


アリエラ・ウェーセイマー(Ariela Wertheimer)


イスラエル出身のアリエラ・ウェーセイマーは、20年間にわたりドローイングと写真撮影を行っています。作品に写真や照明、アクリル絵の具など様々な素材を用い、キャンバスに印刷するなど、常に新しい素材や技術を探求しています。彼女の作品は、見る人に無関心の余地を許さず、人道的かつ個人的な視覚体験を与えます。





インスピレーションの源は、私のライフストーリーと歴史的、文化的環境です。大都市のネオンライトをライトボックスに変換し、グラフィカルに編集された看板を写真とデジタルプリントに変換し、ボートを巨大な抽象的でカラフルな絵画に変換します。最初の作品では、ジェンダーの平等、社会的、そしてジェンダーに基づく制約に焦点を当てました。女性の歴史、移民の歴史、文化的対立、トラウマ、勝利、そしてエンパワーメントに焦点を当てた物語。作品と物語は、現在ヴェネツィアで展示されているシリーズ「スキン」のように、文化的および政治的に変化します。これは、MeToo運動と、イスラエルのユダヤ系アラビア語都市であるヤッファの船積み場での漁船の回収プロセスに触発されました。これらの2つのプロセスは、それらを区別することができなくなるまで、私の「スキン」とボートの「スキン」が絡み合っています。

アリエラ・ウェーセイマー

https://www.arielawr.com/


シルビア・フェインステイン(Sylvia Feinstein)


アルゼンチンで生まれたシルビア・フェインステインは、マヌエル・ベルグラノ美術学校で美術学士号を取得。絵画、エッチング、陶芸の研究を続け、モンテビデオに位置するアロステギ織物芸術学校で織物研究を完了すると同時に、ヘブライ大学ベザレル芸術デザインアカデミー大学院を卒業しました。

1988年には、アルゼンチンとイスラエルの文化科学交流研究所が後援する「ISRAELI CONTEMPORARY ART CRAFTS」で、オーディオビジュアル作品を制作。この作品はラテンアメリカだけでなく、アメリカやヨーロッパでも上映されました。

1991年に執筆された彼女の記事「織りと聖書」は、5言語に翻訳され、外務省の「イスラエルの芸術と手紙のアリエルレビュー」にも掲載されました。

1994年、外務省が運営する「イスラエル・イベロアメリカ文化センター」からの招待で中南米を訪れ、イスラエル工芸品に関する講演を行いました。




聖書は美術史において中心的な役割を果たしています。それは最初から創造的な表現に影響を与え、現代アーティストの才能を駆り立て続けています。テキスタイルアートとファイバーアートも古代と現代の両方です。私の創造的な努力は、この深いインスピレーションの井戸から引き出された、精神的で芸術的な古いものと新しいものとの組み合わせでできています。

シルビア・フェインステイン

https://www.biblicaltapestries.com/


ミリアム・カベサ(Miriam Cabessa)


モロッコ・カサブランカ生まれのミリアム・カベサは、3歳の時に家族と一緒にイスラエルへ移住、イスラエル北部で育ちました。1997年に開催されたヴェネツィアビアンナーレでは、イスラエルを代表するアーティストとして世界に知られるようになりました。現在はニューヨークを拠点に活動しています。


彼女の没入型の絵画では、自身の体をペイントブラシとして用いるほか、櫛や鉄、スキージや眼鏡、ぼろきれやスポンジなどを使用。制作過程をスローモーションアクションペインティングと呼び、絵の具を何層にも美しく重ねて絵画を描き、緻密な構成を創り出す工程を演出して披露しています。ニュージャージー州モリス美術館、ペンシルバニア州ピッツバーグユダヤ博物館、ミシガン州クレッジ美術館、ヘルズリヤ現代美術館、エルサレムイスラエル博物館、ベンアリ現代美術館、テルアビブ美術館、ハイファ近代美術館、国立女性美術館など、ヨーロッパ、アメリカ、イスラエルのギャラリー、美術館などで幅広く展示を行っています。


これまでアメリカ・イスラエル文化財団から奨学金取得、科学省および若手芸術家のための芸術賞、Nathan Gottesdiener Foundationイスラエル芸術賞を獲得するなど、その実力が認められています。




美術史を見るとき、私の作品を女性画家としての基本とすることはできません。 男性に関連しないものを絵画に持ち込むにはどうすればよいでしょうか?ここからスタートしました。私は家を掃除するのに使う、スキージ、敷物、アイロン、黒のペンキ、ゴミ箱、お皿、コップといった道具を使い始めました。これが女性と芸術についてのコメントです。そして掃除をする代わりに、汚すのです。これがアイデアです。

ミリアム・カベサ

https://www.artsource.online/artists/miriam-cabessa/


ナタリー・ゾラボワ(Natalia Zourabova)


ロシア・モスクワ生まれのナタリー・ゾラボワは、現在テルアビブを拠点に活動している画家です。モスクワのロシア演劇芸術アカデミーとベルリン芸術大学で学んだ彼女は、観察をもとに造形美を描いています。作品の題材となるのはテルアビブの近所の通りや家のインテリアなど、身近にあるもの。特に作品の中心となるのが絵画に用いられる色であり、彼女の用いる色彩は自然主義から不条理主義までさまざまで、写実絵画や抽象画を描きます。ロシア演劇芸術アカデミーでの教育は彼女の作品に影響を与えており、彼女が描くシーンは舞台のセット、住民はキャストを彷彿させます。これまでヘルズリヤ現代美術館(2019)ディスカウントバンク芸術奨励賞、移民大臣賞(「Alyia and Klita」)を受賞しています。


2011年、4名の画家とともに「ニューバルビゾン」というアーティスト集団を設立。グループ名は、19世紀フランスで活躍し、スタジオの外で直接観察することで風景画を擁護し、絵画の写実主義と社会的現実の鈍い見方を結び付けたバルビゾン派の画家たちにちなんでいます。

彼女の作品は、テルアビブ美術館やエインホッド美術館に展示されています。




私の絵はアイデンティティのさまざまな側面を示しています。異質なものからなじみのあるものまで、帰属と非帰属の瞬間、そして安全な空間の境界を定める試みを反映します。
1人娘のエステルと住んでいる家の部屋もモチーフとして紹介したりします。リラックスしたスタイルで女性である家の居住者を描写します。時々私たちはロシアから訪れる祖母と一緒に生活します。「私たちの猫でさえ女性なんですよ」

ナタリー・ゾラボワ

https://www.nataliazourabova.com/


シガリット・ランダウ(Sigalit Landau)


エルサレムで生まれたシガリット・ランダウは、ドローイング、彫刻、映像、パフォーマンスなどマルチに活躍するアーティストです。アメリカとイギリスで数年間過ごした後、エルサレムベツァレル美術デザインアカデミーで学びました。彼女の作品では、ホームレス、追放、犠牲者と加害者の関係、衰退と成長の関係などの複雑なトピックを取り入れ、社会的、歴史的、政治的、生態学的問題に触れています。多くの作品が人間の状態と関係しているため、体は重要なモチーフそしてガイドとなります。塩、砂糖、紙、規制のオブジェを用い、大規模な現場でインスタレーション作品を制作します。


彼女の最も有名な作品の一つは、金属の彫刻フレームを死海に浸すことによって作成される、塩の彫刻「ソルトワークス」です。この作品で数々の賞を受賞しました。




私の個人的な思考プロセスをたどるように展示したドローイングは、私が長年夢中になっていたインスタレーションや大規模な作品とはまったく対照的でした。色を染み込ませ、さまざまな方法で作成されたショーのドローイングは、私が持っていたアイデアを明確にしたり説明したりするために作成され、その他は概念的なシーケンスとして作成されました。スケッチブックの描画の親密な性質をエミュレートするために、スケッチの一部は小さな紙に描かれ、そして一部は折衷的な技術を適用するために大きな紙で作られました。

シガリット・ランダウ

https://www.sigalitlandau.com/


いかがでしたか?国際女性デーを記念して、イスラエルで世界のキャンバスにその名を刻む才能ある現代女性アーティストたちをご紹介しました。イスラエルには多くの素晴らしい女性たちの活動があります。女性、男性の差別のない世界が築かれますこと祈ります。


それでは、次回をお楽しみに!レヒトラオット!さようなら