フードテックスタートアップ特集 – Food Tech Startup of the Week – は、ISRAERUウェブマガジンがThe ACT Hubとの提携でお届けするイスラエルのフードテック業界のスタートアップを紹介する週刊シリーズです。今注目を集めているフードテックの新しい技術とそれを開発するスタートアップ企業のCEOや創設者を取材し、ベンチャー事業の奮闘、企業の成長やサクセスストーリーなどをお伝えし、イスラエル企業への投資を検討している日本企業へ情報を提供すると共に、同じ軌跡をたどろうと夢見る未来の起業家たちへ、彼らのノウハウやインサイトを提供します。
今週のスタートアップ – Spicerr(スパイサー)
Spicerr社は、デジタル技術とフレーバーの世界を組み合わせ、家庭での料理を以前よりシンプルかつスマートに、そしてより一層美味しくする機能的な製品を開発しています。またSpicerrとは手持ちで使用できる調理用電子デバイスのことで、スパイスやハーブなど、幅広い天然のエキスの専用カプセルが付いていて、スマートフォンのアプリと連動することができます。
共同創設者 & CEO トマー・エデン(Tomer Eden) 氏インタビュー
―――なぜSpicerrを立ち上げようと思ったのですか?
家庭では食品本来の良さを引き立てるのが難しいことや、料理のレベル向上の必要性など、たくさんの課題があることに気づきました。一般的に家で料理をする人のほとんどが、数多くある調味料やスパイスの正しい使い方などの知識がなく、お店で食べるような料理を家庭で作ることができません。またスパイスやハーブなどを勉強し、自分の好きな味にパーソナライズしたり素材の味を引き立てられるようになるには、相当の労力と時間がかかってしまいます。そこで弊社の技術を使ってSpicerrを開発し、家庭での料理や食事経験の改善をサポートできると考えました。
――― Spicerrの製品と技術の特徴は何ですか?
Spicerrは、簡単に自分好みの味やおすすめの味にスパイスを調整し調理することが出来る世界初の家庭用調理器具です。スパイスが入った専用カプセルと自動的で味を調整できるオンラインのサービスが付属されていて、最適な味の組み合わせを提案します。また通常の料理だけでなく、お菓子作りやドリンク、ヨーグルトやお肉など様々な食材や調理に対応しています。弊社の製品は、機械工学や電子工学など多くの専門分野における最先端技術を駆使して開発されており、現在国際特許を申請中です。
――― Spicerrの製品は市場動向にどのように影響を受けていますか?
昨今では、お家で簡単に料理ができる携帯のアプリやそのほか料理に役立つ最新テクノロジーのトレンドが見受けられます。特にインターネットやSNSが普及してからは、人気シェフや料理インフルエンサーがテレビやオンラインの番組などで台頭し、多くの人が料理を始めるきっかけとなっています。特にこのコロナ禍では家にいる時間が多いため、料理に関する製品はさらに注目されています。ですので、新しい革新的なテクノロジーを活用し食材の最高の味を引き立たせることができるSpicerrは、このトレンドに大いに貢献できると信じています。
――― Spicerrの商品化計画について教えてください。
すでに製品は完成していますので、2021年内に発売予定です。
――― ビジネスパートナーはいらっしゃいますか?
IFF(インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス)は弊社のメイン投資パートナーです。また、戦略的な提携を拡大するため、世界の大手食品会社と話し合いを行っています。
――― Spicerrの製品の5~10年後をどのように見込んでいますか?
数年後には、Spicerrは世界中の何百万もの家庭で愛用され、食品市場を再定義をし、食品業界にとって新しい時代を作っていくと期待しています。また家庭のキッチンにおける近年の技術革命において、重要な役割を果たすことを目指しています。さらに私たちは、ロボット工学を取り入れた調理メーカーと提携して、フレーバーの管理のために弊社のスマートディスペンサーの導入を進めています。
Spicerr オフィシャルウェブサイト: http://www.spicerr.com/
写真・情報提供: Spicerr
インタビュー: The ACT Hub