世界規模でエネルギー問題と気候変動への対応が急務となるなか、イスラエルと日本の強みを掛け合わせた新たなイノベーション創出の動きが始まっています。イスラエルの気候・エネルギー分野に特化した投資ファンド『NetZero Tech Ventures』と、日本・イスラエル間の技術連携を推進する『NGLI Holdings Ltd.』は、共同で新たな協業フレームワーク『ベンチャークリエーション』の始動を発表しました。

「4つの力」の融合で社会実装へ
この取り組みの特徴は、単なる技術導入や投資ではなく、日本企業が抱える“リアルな産業課題”を起点に、イスラエルの最先端研究から新たなスタートアップを生み出す点にあります。そして、今回のフレームワークの鍵を握るのは、“4つの力”の融合と言えるでしょう。
・イスラエルのアカデミアによる先端研究
・日本企業が蓄積してきた産業課題への深い理解
・スピードと実践力に優れたイスラエルのインキュベーション力
・日本の高品質な製品開発力
これらを統合することで、研究段階にとどまりがちな技術を、実際の産業ニーズに直結した形で社会実装へと導くことが可能となります。
特に注目すべきは、日本企業が“デザインパートナー”として初期段階から関与する点です。これにより、開発段階から市場ニーズが反映され、技術とビジネスの乖離を最小化することが期待されています。

「エネルギー」と「気候」の領域に注力
このイニシアチブでは、以下の分野を中心に取り組みが進められます。
・エネルギーの生成・貯蔵技術
・水素を含む代替燃料
・次世代の産業を支える先進材料
いずれも脱炭素社会の実現に向けて、また、世界規模でエネルギー供給が不安定化している現在、ますます重要性が高まる領域であることは間違いないでしょう。

「研究を現実へ」──両トップが語る期待
『NetZero Tech Ventures』のCEO、シュムエル・カドミ氏は次のように語っています。
「科学的研究を実用的な応用へと転換するプロセスを支援できることを光栄に思います。産業パートナーとの連携を通じて、現実のニーズに即した技術開発を加速していきます」。
また、『NGLI Holdings Ltd.』のCEO、ジェイコブ・アズラン氏は、今回の取り組みの意義をこう強調します。
「このパートナーシップは、日本とイスラエルのイノベーション連携を新たな次元へと引き上げるものです。早期からの協働により、持続的な成長の基盤を築いていくことができるでしょう」。

国境を越えた“実装型イノベーション”へ
イスラエルはディープテック分野で世界有数の研究力とスタートアップ創出力を持ち、日本は高度な製造業基盤と品質へのこだわりで知られています。
この両者が“課題起点”で結びつく今回のモデルは、単なるオープンイノベーションを超えた“実装前提型”の新しいアプローチと言えるでしょう。



