Share

FASHION

日本伝統工芸に魅了されたイスラエル人デザイナーが手掛けるラグジュアリージュエリーブランド「Mirit Weinstock」

独占インタビュー| ミリット・ウェインストック(ジュエリーデザイナー)

水引コレクション(2020年)

イスラエル・テルアビブ出身のミリット・ウェインストックさんは、2019年に拠点を日本へ移し、日本の伝統工芸を学び始めました。日本文化からインスピレーションを受けているという彼女の美しいジュエリーブランド「Mirit Weinstock」は、国内外で人気を集めています。


今回のインタビューでは、彼女のブランドや現在手掛けているプロジェクト、そして今後の目標などについてお話を伺うことができました。


ミリット・ウェインストック氏(2020年、東京)

創造性と好奇心ーブランド誕生までの道のり

ジュエリーを制作するときに実験するのが好きだと語る、クリエイティブなミリットさん。様々な技術や素材を取り入れ、複雑かつエレガントなデザインで注目を集めています。


彼女のブランドに欠かせない技術の一つに電鋳(でんちゅう)というものがあります。


「このプロセスでは、選んだ素材を銀や金などの金属に浸します。これはとても古くからある技術で、元の素材を金属の中にいれることで、永遠に保存するのです。」


日本の名師からの学び

Fall Winter 2020 コレクション(2020年)

ミリットさんが2019年に来日したのは、伝統的な和紙会社である小津和紙から、日本の伝統工芸品である和紙を学ぶために招待されたことがきっかけでした。これを日本の伝統と芸術に浸るチャンスだと感じた彼女は、東京への移住を決意したのです。


来日したミリットさんは、日本の製紙、生け花、水引といった伝統工芸を学び始めました。地元の巨匠、そして先生としても知られる師匠は、言葉ではない何かで、その歴史ある伝統とモノの見方を指導します。


浅草の寺で生け花を学ぶミリット氏(2020年)

「浅草のお寺で生け花を習っています。元々生け花を学ぶ予定はなかったのですが、すっかり虜になってしまいました。生け花を通して、日本の文化や哲学について多くのことを学ぶことができました。」


彼女のクリエイティブに対する好奇心は、水引や生け花、和紙や風呂敷といった様々なスキルを磨き、技術のレパートリーを増やすこととなります。


彼女は過去にも何度か日本を訪れ、ポップアップイベントやショップでのジュエリー展示を行ってきました。その際に日本の文化や美意識、そして伝統工芸に対する理解を深めてきたのです。


日本とイスラエルの文化をジュエリーでブレンド

伝統について学んだあと、ミリットさんは自身のオリジナルデザインと調和する日本工芸にインスピレーションを見出します。その結果、伝統的な手法に手作りのモダンデザインを加えた、ラグジュアリーなジュエリーが誕生しました。最新の水引コレクションでは、水引を使ってジュエリーのサンプルを制作し、それらを銀に浸して完成させます。


水引コレクション(2020年)

「私のお気に入りは、和紙で作った”Folded Hearts”というコレクションです。日本に移住する前の数年間、和紙の練習をしながらデザインしました。折りたたまれたハートは折り紙からインスピレーションを得ており、クラシックなハートの形をオリジナルにアレンジしたものです。」


Folded Hearts コレクション(2018年)

最近では、日本の工芸品や文化への愛と情熱を表現する新ブランド「WA Boxes」を立ち上げました。箱の中には、日本の豊かな文化にゆかりのある、日本のオリジナルアイテムが5~7点ずつ入っています。


WA Boxesでは、縁起や調和をテーマにしたコンセプトボックス、季節の味や食感をテーマにしたシーズンボックス、キッズボックスの3種類を展開しています。箱の中には、ミリットさんが厳選しただるまや折り紙、塩風呂、風呂敷ガイド、こけしなど、伝統的なものから現代的なものまで、様々なアイテムが入っています。



「私の心は日本の伝統に魅了されています。日本の伝統や文化に対する情熱を伝えたいです。」


コレクションの全貌をご覧になりたい方は、ミリットさんのウェブサイトをご覧ください。ジュエリーはテルアビブでハンドメイドされ、世界中に発送が可能です。


公式ウェブサイト


https://miritweinstock.com/


WA Box


https://waboxes.com/