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FASHION

ファッションに自然への敬意を。新世代レーベルMarei1998のイスラエル人ファッションデザイナー、マヤ・レイク氏インタビュー

by SHIHO TAKAYA |2020年07月16日

Maya Reik

新世代のアパレルとアクセサリーのファッションレーベル、Marei1998 をご存じでしょうか?フェミニンで洗練されたシルエットと完璧なディテールはさることながら、リサイクルナイロン、ビーガンレザー、ベルベット、フェイクファーなどの環境に配慮した素材に焦点を当てたMarei1998は、持続的・永続的なエレガンスを象徴。それぞれのコレクションは、現代的な安らぎとバランスのとれたロマンチックな旧世界の魅力の概念を追求しています。


実は、ケイティ・ペリー、ベラ・ハディッド、アリアナ・グランデ、エマ・ワトソン、エイミー・アダムス、ソフィア・リッチーなど、多くのトップモデルが着用しているファッションレーベルとしても知られ、世界中の女性や毛皮廃止運動に参加する人々からの支持も得ています。


Model: Hannah Claverie, Photographer: Haris Farsarakis

イスラエル人ファッションデザイナー、マヤ・レイク(Maya Reik)によって2015年に設立されたMarei1998は、クラシックモダンなデザインの感性、妥協のない品質と地球への配慮を徹底しています。 そして2019年、Marei1998はPETA(People for Ethical Treatment of Animals)(和名:「動物の倫理的扱いを求める人々の会」)の公式メンバーとなりました。


今回このMarei1998の創業者、マヤ・レイク(Maya Reik)さん(以下、マヤさん)に、新しく発表される『自然とのダンスコレクション』や彼女が追及するファッションのあるべき姿などについて伺いました。

               

―――今回、自然をテーマにしたコレクションを発表された背景をお聞かせいただけますか?

                                          

マヤ・レイクさん(以下、マヤ):木々や花々、窓の外で響く鳥のさえずりに勝るものは何もありません。私自身、自然と親しみやすく、そして自然に触れることができる環境に惹かれています。

地中海沿いにある母の家は、静かで穏やかな瞬間に感謝し、シンプルな喜びの感覚に身を包み、新しい方法で自分らしくあることを学ぶ時間を与えてくれました。創造の瞬間や、一生を通して持ち続けるような長年の品物や上質なものに対する敬意や感謝の気持ちからくる全てのインスピレーションは、この特別なコレクション『自然とのダンスコレクション』の全ての作品のDNAとなっています。」


                                      

―――「自然とのダンスコレクション」の特長について教えていただけますか?

              

マヤ:このコレクションの美しさとパワーは、家庭、都市、自然など、多くのライフスタイルに適応できることです。私はピカソと彼の妻フランソワーズ・ジローの人生について多くの文献を読んできました。ピカソに代表されるキュビスムアートやフランスのコート・ダジュールの現代画家達(マチス、ミロ、シャガール)による新しい流派の時代は、このシーズンに向けて制作をする私の心をつかんで離さない、自由な感覚と芸術的な深みを与えてくれました。こんな風にいつも過去の時代や当時の生活について考えたり、空想したりしているので、私のことを古風な精神を持った人間だという人もいます。


実際、私自身富士山や日本の地方の完璧な自然環境について、深い考えや理想を抱いています。この、わびさびの相互関連性についての思考は私が日課として取り入れ始めているものです。

                                       

―――上質で着心地の良い服を大切に長く使うファッションの価値観「スローファッション」についての、マヤさん自身のご意見をお聞かせください。

              

マヤ:スローファッションについての私の考えは、環境とより調和し、日常の様々な意思決定において意識的になり、可能な限り無駄を作らない必要があるということです。また、スローファッションのコンセプトでは、日常生活の中でスローダウンする必要性を重視しています。 『少ないほど良い』のです。環境に対する愛情、動物の保護、自然への敬意、そして地域社会への取り組みなど、自身の中核となるようなこうした良い価値観に触発されていますし、それが、私が考えるファッションへの正しいアプローチにも投影されています。


Model: Maya Reik, Photographer: Haris Farsarakis

最高品質の素材を使い「環境への配慮」と「快適さ」の両立を追求するMarei1998

Marei1998の新しいコレクション『自然とのダンスコレクション』では、柔らかく仕立てられたシルエットを取り入れ、最小限のアプローチで衣服を清潔で新鮮に保ちます。 Marei1998では、彼らが重視している「快適さ」を維持する最高品質の生地で衣服を縫い合わせています。このコレクションの厳選された生地は、100%持続可能で残虐行為のない素材で作られており、軽量のフェイクファー、ビーガンレザー、ビーガンスエードがコレクションの中心的な素材です。新作のフェイクファーコートの1つは、100%オーガニックコットンから作られたシャーリングコート。Marei1998がこのコレクションで最初に導入した素材で、豪華な感触がありながら、着る人を快適に包み込むほどに軽くなっています。


                  

また、Marei1998では、コレクションが環境に優しいレーベルとして維持できるよう、フレンチテリーとテンセル生地も導入しています。このコレクション内の配色は、過去数ヶ月にわたって自然を探索しているときに彼らが見たものが反映されています。これらの色には、砂の色調、アースブラウンが含まれ、焦げたオレンジは、夏の毎夜に沈む地中海の豪華な夕日を思い出させます。マヤ・レイクを深く刺激するモダンで時代を超えた世界の場所に、着る人を誘うよう設計されています。

             

ソフトテーラードアウターウェアと併せて、Marei1998では、快適なスウェットパンツとパーカーを含む新しいシリーズのホームウェアも提供。これらは、一つ一つ慎重に浸漬染色して、それぞれに多様性と独自性を与えています。彼らが紹介しているもう1つの新しい重要な素材は、『TENCEL™』ブランドのリヨセルとモーダルファイバーで、持続可能な方法で調達された天然原料から生産されています。



                                 

Marei1998では、このコレクションの発表に合わせ、地中海の環境の物語を伝えるルックブックも制作。世界が現在直面している危機的状況の中、Marei1998の歴史史上初めて遠隔作業で制作されました。ルックブックでは、静けさ、風通しのよさ、新鮮な春の香り、自宅で過ごす時間、自然など、すべてが時を越えて美しく、本物であり続けるミニマルな地中海の環境の物語を伝えています。

              

『自然とのダンスコレクション(A dance with nature collection)』–このコレクションは、2020年8月1日から2週間、Marei1998.comにて事前注文可能です。

                            

Marei1998公式ウェブサイト

Marei1998公式インスタグラム