突然ですが、質問です。あなたの家には、不用品がいくつありますか?
サイズが合わなくなった洋服、読み終わった本、昔遊んでいたおもちゃ、使わなくなったアクセサリー、食器棚に眠るお皿など・・・。
今後使う予定はないけど、もったいなくて捨てられないというようなモノを、誰もが一つは持っていることでしょう。
そんなあなたの不用品が誰かのギフトになるという、ユニークなプロジェクト「ギフトプロジェクト」が、現在開催中の東京ビエンナーレ2020/2021の一環として行われます。
モノの循環でギフトを届ける参加型「ギフトプロジェクト」とは?
「ギフトプロジェクト」では、参加者は家に眠る不用品を受け取り手となる方への手紙と共に指定先へ送ります。送られてきた不用品はラッピングされることで、ギフトへと姿を変え、会場となる大丸松坂屋上野店北口1階でインスタレーションとして展示されるほか、不用品を提供した人は会場でギフトを一つ受け取ることができます。見知らぬ人と人とで交わされる恩送り(ペイフォワード)とも言えるこのモノの循環は、まさに東京ビエンナーレの目指す”様々な「私」が出会い、「私たち」で共有する”というコンセプトに合致しています。
本プロジェクトを手掛けるのは、イスラエル人アーティスト、ダフナ・タルモン。彼女は何年もの間、自分の家を持たずに放浪しており、完全な自由を求めていました。そしてある日、倉庫にあるものを全て取り出し、一つ一つ写真を撮り、全てを手放すことを決意します。その処分方法こそが、今回のギフトプロジェクトに繋がるのです。彼女は不用品を包みインスタレーション作品を制作し、その展示を見に来てくれた人にギフトとしてプレゼント。これが彼女の暮らしと芸術が結びついた瞬間であると彼女は述べています。
東京ビエンナーレの公募プロジェクト「ソーシャルダイブ」の一つとして開催される今回のギフトプロジェクト。ダフナが企画書を送付した時には、誰もパンデミックが起こることを想像していませんでした。そして新型コロナウイルスが世界中に拡がり、家で過ごす時間が増えたことで、自分はモノを持ちすぎていると思った方もいるでしょう。そんな方はこの「ギフトプロジェクト」に参加してみてはいかがでしょうか。
あなたもギフトプロジェクトに参加できるチャンス!
「ギフトプロジェクト」では現在参加者を募集中。あなたもプロジェクトに参加できるチャンスです。
参加方法は、身の周りにある不用品を消毒、梱包し受け取り手への手紙と共に指定先に送るだけ。アーツ千代田3331に設置された回収ボックスに直接入れることも可能です。壊れているもの、ボロボロなもの、食べ物、刃物など、提供できないアイテムもあるので、詳しくはこちらのページをご覧ください。
また不用品を提供した方は、8/4(水)~8/17(火) 大丸松坂屋上野店北口1階にて、誰かが送ったギフトを一つ譲り受けることが可能です。
あなたの不用品が誰かへのギフトとなり、誰かの不用品があなたへのギフトとなる。顔も名前も知らない人と繋ぐモノの循環、何だかワクワクしませんか?
ダフナ・タルモン (アーティスト、写真家、地理学者)
1972年、ベエルシェバ(イスラエル)生まれ。テルアビブ在住。写真、インスタレーション、ビデオ、テキスト、パフォーマンスを組み合わせた作品を制作。 関連と分断、日常と儀礼、逃避、自由、拘束、家などを考察しながら、空間を能動的に移動し、形やライフスタイルのあり方に疑問を投げかける。The Postgraduate Fine Art Program(ハミドラーシャ)の大学院で美術学士号を取得。Tel Aviv UniversityとThe Hebrew University of Jerusalemで都市計画を専門とする地理学の学士号と修士号を取得。
https://www.dafnatalmon.com/