Share

BUSINESS

テルアビブが世界スタートアップ・エコシステム・ランキング7位に

by nocamels |2021年10月07日

Startup Genomeが調査するGlobal Startup Ecosystem Report (=GSER) 2021年版で、テルアビブは7位にランクインしました。GSERとは、2012年から年一度発表されている、世界スタートアップ・エコシステムと業界動向に関するレポートで、昨年の発表で、テルアビブとエルサレムは同率6位を記録しています。テルアビブに関しては、2019年度も6位を記録していました。


本年のレポートでは、昨年同様、世界中のスタートアップ・エコノミーがCOVID-19の影響を受けていますが、エコシステムは成長を続けています。Crunchbaseによると、2020年には91ものエコシステムがユニコーン企業を生み出し、また、米国企業が独占するものの、中国、カナダ、インド、ドイツ、イスラエル、イギリス、フランスでは、2021年上半期までに7から10のユニコーン企業が誕生したと記されています。


夜に撮影されたテルアビブスカイラインの写真です。
夜のテルアビブスカイライン. Deposit Photosより引用

Startup Genomeは国際的な調査を実施し、世界140カ国の世界スタートアップ産業を分析しました。昨年はテルアビブ・エルサレムエコシステムとロサンゼルスが同率でしたが、今年はロサンゼルスが6位、テルアビブが7位に順位を落とす形となりました。


一方で世界スタートアップ・エコシステムトップ5カ国は変わらず上位を維持し、1位にカルフォルニアのシリコンバレー、ニューヨークとロンドンが同率2位と続きます。4位、5位は北京とボストンでした。トップ10リストは、上海、東京、シアトルで締めくくられています。


このレポートでは、世界のスタート・アップ・エコシステムのトップ30と次点者、および100の新興エコシステムを再度ランク付けしています。


7位に順位を落としはしましたが、テルアビブは世界スタートアップ・エコシステムのトップ30カ国の中でも引き続き勢いがあり、特にパフォーマンス、資金調達、経験、ネットワークや市場アクセスの項目では最上位に位置しています。


テルアビブは3ヶ月で出資記録を破る記録的な年となり、どのヨーロッパ諸国よりも出資と市場アクセスの項目で高く評価されました。


テルアビブ

テルアビブはレポートで「世界で最もイノベーションとテクノロジーが期待される都市の1つ」と呼ばれています。「スタートアップ国家の心臓」と称されるテルアビブでは、市民の154人に1人がスタートアップを誇っていると言われており、世界で最も高い比率となっています。イスラエルのハイテク首都には、「クリエイティブで熟練した技量、国内外からの投資家、そして2,750のスタートアップ」が存在しています。


市はまた、115の外国のR&Dセンターと、同市をイノベーションの拠点とする幅広い多国籍企業を抱えています。Google、Microsoft、Amazon、Facebook、Apple、Ford、Nikeといった大企業やその他企業がテルアビブにオフィスを構えており、一人当たりの研究開発費が世界で2番目に高いこの国から恩恵を受けています。


テルアビブと市庁舎を空中から撮影した写真です。
テルアビブと市庁舎の航空写真. Barak Brinker/Tel Aviv-Yafo Municipality提供

テルアビブは最近VC資本が急増し、成長企業の状況が改善し、エコシステムでは2020年度の資本が25%増加し、昨年は68億ドル以上がスタートアップに流入しました。これにより、テルアビブではユニコーン企業の数が2倍にまで増加しました。レポートによると、現在、10億ドル以上の価値がある20以上の民間企業の本拠地となっています。


地元の成功例としては、IPOの一環として2021年6月にZoomとSalesforceから1億5000万ドルを調達したMonday.comや、2020年5月にIntelが9億ドルで買収したモビリティ・アズ・ア・サービス( Mobility-as-a-service = (MaaS) )のスタートアップ、Moovitがあります。


「テルアビブは驚異的な成長と成育を見せており、多くの新興企業がスケールアップ、ユニコーン、公営企業に進化しています」と、米国の代替投資管理会社であるブラックストーン社の専務取締役兼テルアビブオフィスの責任者であるYifat Oron氏は述べます。


AI、ビッグデータとサイバーセキュリティ

テルアビブは、特定の地域内で選定された中東および北アフリカ( Middle East and North Africa = (MENA) )のトップパフォーマーの中で1位を獲得しましたが、中でも大きなニュースは、3つのUAEエコシステムがトップ10にランクインしたことでした。AIとビッグデータはMENAの主要なサブセクターであり、レポートによると、2018年1月から2020年6月までの間に30億ドルが初期段階、80億ドルが出口価値に投資されました。


テルアビブはAIスタートアップの数で世界第7位であり、2020年には714社、合計30億ドルが投資されています。レポートによると、新規AI企画では、次の5年でサブセクターをさらに成長させるため、6億ドルが必要とされています。すでに1億6,820万ドルの初期資金の調達に成功しています。


レポートは、2021年6月に3000万ドルを調達した政府向けのAIソリューションであるZenCityと、新規株式公開(Initial Public Offering=(IPO))で2億8,675万ドルを調達したイスラエルのデジタル採用プラットフォームWalkMeに注目しています。


テキストやコップの乗った机の上でパソコンを操作する人を映した写真です。
パソコンを使用する人. Pixabay提供

Startup Genome Reportによると、2020年はテルアビブを拠点とするサイバーセキュリティ企業にとって記録的な年となり、合計で29億ドルの調達に成功した年でもありました。 2021年の第1四半期だけでも、サブセクターは17件の取引で15億ドルの確保に成功しています。レポートでは、合計3億3200万ドルを調達したイスラエルのエンタープライズネットワーキングおよびセキュリティ会社Cato Networks、合計3億5000万ドルを調達したクラウドネットワークインフラストラクチャ会社Wiz、および合計2億6500万ドルを調達したクラウドネイティブセキュリティ会社AquaSecurityの3社が強調されました。


テキスト: Simona Shemer