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BUSINESS

世界が注目!麻から抽出されるCBDオイルとは?

by クニコ コーヘン |2020年09月02日


シャローム  hello こんにちは。イスラエル在住のクニコです。

今、世界で注目される「CBDオイル」を知っていますか?麻から抽出されるCBDは大麻に含まれる化合物の一種で、THC(テトラヒドロカンナビノール)という向精神作用を含んでいません。日本では食品として取り扱われており、一定基準を満たしたCBDオイルを購入できます。


今回は現在世界をリードする、イスラエルのCBDオイル産業に関して紹介します。


イスラエルのCBDオイル産業の歴史


日本ではあまり知られていませんが、イスラエルでは50以上のあらゆる機関の研究所で、医療用大麻の研究が盛んに行われています。1960年代からは、CBDオイルの研究を行ってきました。


ラファエル・メコーラム(Raphael Mechoulam)教授は、THC(テトラヒドロカンナビノール)からCBD(カンナビジオール)を分離した最初の人物で、大麻薬の「ゴッドファーザー」として知られています。「彼が1964年にTHC分子を発見したときー彼が非中毒化合物であるカンナビジオール(CBD)を分離した1年後ーカンナビノイド(大麻植物に自然に存在し、人体全体に内因的に存在する化学化合物)の研究に科学革命を起こした。 」と、TabletMagのジャーナリスト、マディソンマーゴリン氏は言っています。


メコーラム教授は、なぜ医療用マリファナに焦点を当てることを選んだのかを尋ねられたとき、「何世紀もの間、人々は痛みや病気を治す手段として天然の植物ベースの化学物質を使用してきた」と説明しました。同氏は、CBDが人間のためにできる可能性を追求するために、残りの人生を大麻の研究に捧げたのです。


現在88歳の彼の研究は、業界で最も重要かつ斬新な大麻の研究として切望されており、CBDの効果を証明し続けています。

国立薬物乱用研究所は、45年以上にわたって科学者の研究に資金を提供してきました。メコーラム教授は米国と共同して事業を開発、推進することを希望していましたが、米国は依然としてマリファナに関する研究の量を禁止および制限していたため、メコーラム教授は独自の知識によって業界を引き継ぎリードしていこうと決断しました。



CBDオイルとは?


カンナビノイドオイルとしても知られているCBDオイルは、麻の植物から抽出される多くの化合物の1つです。 CBDはカンナビノイドカテゴリに分類され、通常は大麻植物よりも油の割合が高い麻の植物から採取されます。


CBDには、向精神作用(「高い」感触を与える)化合物であるTHCは含まれていません。 CBDオイルが合法であるためには、THCの含有量が0.3%未満である必要があります。FDA(米国食品医薬品局)は、CBDオイルの使用について依然と注意をはかっており、ユーザーに有害な影響を警告していますが、それによって購入習慣が変わることはないようです。


FDAは、ユーザーを安全に保ち、この代替の治癒方法について十分に教育する必要があると考えていますが 、THCレベルがCBDの各用量で必要なしきい値を下回っていることを知らされた後、最終的に全国的に承認されました。


CBDオイル製品

出典:Aniwo

CBD オイルを扱っているイスラエルの Cann10では、最近は純度よりも、CBD の配合量を競っている様子がうかがえるとのことです。また、CBD 市場においては品質管理が今後の課題の一つで、高い配合量をうたっていても、実際に効果が見られない粗悪品も増えているそうです。高品質のカナビスの安定供給を目指して、農業関係企業がカナビス栽培に乗り出す理由も納得できます。


CBD 入りのスキンケア用品や、見た目は電子タバコのような CBD 吸引機器なども続々と製品化されています。イスラエル国内では医療用以外の使用はまだ認可されていません。しかしEU 諸国では既にレクリエーション用として販売が開始されていて、かなり人気のようです。


イスラエルのCBDオイル産業の現状と今後


2017年、ヘブライ大学の薬学部はカンナビノイドの研究の最前線におり、大麻が癌、痛み、免疫、神経科学などにどのように影響するかに焦点を当てています。
現在、イスラエルは大麻研究の最大かつ最も先進的な国として宣言されていて、科学者たちは、大麻とそれを医療目的で開発する方法を完全に理解する使命を続けています。


1992 年に大麻の医療目的の使用を合法化したイスラエルでは、その後大麻の工業製品や化学研究・開発が進みました。保健省医療用大麻局(IMCA) が医療大麻に関する法令の行使権を持っており、IMCA は栽培・抽出・梱包・流通に関わる様々なライセンスを発行するほか、医療用大麻を処方することのできる臨床医の認定もIMCAが担当しています。2017 年の時点で、4 万人程の患者が医療用大麻を処方されています。イスラエルは、アメリカが大麻の研究を開始する数十年も前の1963年から大麻の研究に着手しました。




研究の中心となったのは、先にも記載した「医療大麻業界のゴッドファーザー」と呼ばれるへブライ大学のラファエル・メコーラム教授。
大麻の向精神作用(ハイになる成分)THC(テトラヒドロカンナビノール)と、痛みや嘔吐を緩和する効果が期待され、向精神作用のない成分CBD(カンナビジオール)の化学構造を解明したのも彼の研究チームの功績です。


THC、CBDの解明はその後、医療大麻の研究を躍進させるキッカケとなり、これらの研究は、大麻産業の基盤を作るうえでも大きなインパクトがありました。
大麻に含まれる成分が明らかになったおかげで、お酒が飲めなくてもハイになれるアルコールの入っていない大麻から抽出した大麻ビールや、ハイにはならずリラックスできるCBD成分のみが含まれたマリファナミルクなどの大麻製品も誕生しました。


Forbsによると、世界の大麻市場は2021年までに、約3兆5700億円規模にまでに達すると予測しています。
また「イスラエルの輸出に対する経済的潜在力」によると、イスラエルの医療大麻の経済的潜在力は、年間最大1200億円に及ぶと推計されており、早くから医療大麻輸出を承認したイスラエル政府からは、医療大麻においても世界をリードする意気込みが感じられます。


いかがでしたか、世界をリードするテクノロジーはイスラエルに多々ありますがイスラエルの医療用CBDオイル産業の急成長はその1つですね。世界をリードするイスラエルのテクノロジーの今後の活躍を注目しましょう。

それでは、次回をお楽しみに!レヒトラオット!さようなら