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MUSIC

イスラエル人なら誰もが知る伝説のバンド「Kaveret カヴェレット」とは?

by ISRAERU 編集部 |2026年09月30日

イスラエルの音楽史を語る上で欠かせない存在が、1970年代に活躍したロックバンド「Kaveret カヴェレット」です。日本ではあまり知られていませんが、イスラエルでは世代を超えて愛され続け、「イスラエル音楽の原点」と呼ばれることも。結成から50年以上が経った現在も、その楽曲やユーモアは多くの人々に親しまれています。


kaveret 2013年の再結成ツアーのステージ

イスラエル初の“国民的ロックバンド”

カヴェレットは1973年に結成されました。メンバーの多くはイスラエル国防軍(IDF)の音楽部隊で活動した経験を持ち、ダニー・サンダーソン、ギディ・ゴヴ、エフライム・シャミール、アロン・オレアルチク、メイール・フェニグシュタインらが中心となってスタートしました。その後、ヨニ・レヒテルとイツハク・クレプターが加わり、7人編成のバンドとして活動を開始します。


当時のイスラエル音楽界では、軍楽隊やフォークソングが主流でした。その中でカヴェレットは、ロックやポップスの要素を取り入れた新しいサウンドを生み出し、多くの若者たちの支持を集めました。彼らはしばしば「イスラエル初の本格的ロックバンド」とも評されています。



音楽だけではない、独特のユーモア

カヴェレットの魅力は音楽だけではありません。楽曲の合間にコントやスケッチを挟む独特のスタイルで人気を集めました。


そのユーモアは英国のモンティ・パイソンやアメリカのコメディ文化にも通じるものがあり、イスラエルの日常や若者文化を風刺的かつ温かく描いていました。現在でも彼らのセリフやギャグは、イスラエル社会の中で引用されることがあります。


ユーロビジョンにも出場

1974年、カヴェレットは「Natati La Khayay 私は人生を捧げた」でユーロビジョン・ソング・コンテストにイスラエル代表として出場しました。この経験により海外でも知られるようになり、一部の国では「Poogy」という名前で活動していました。


わずか数年間の活動でしたが、3枚のアルバムを発表し、イスラエル音楽界に大きな足跡を残した伝説のバンド。1976年に解散した後も、メンバーたちはソロアーティストや音楽プロデューサーとして成功を収めています。



解散後も続く“カヴェレット現象”

カヴェレットは解散後も1984年、1990年、1998年、2013年などに再結成コンサートを開催してきました。とくに1984年の再結成公演には数十万人規模の観客が集まり、イスラエル音楽史に残る伝説的イベントとなりました。


2013年には結成40周年を記念した再結成ツアーが実現し、チケットは即完売。テルアビブやエルサレムの公演には数万人のファンが詰めかけました。若い世代の観客も多く、カヴェレットの人気が単なる懐メロではないことを証明したのです。


Kaveret 2013年の再結成ツアーのステージ

2013年 カヴェレット結成40周年を記念した再結成ツアーより


なぜ今も愛されるのか

カヴェレットは単なるロックバンドではありません。彼らは1970年代のイスラエル社会が変化していく時代を象徴する存在でした。伝統的なイスラエル文化と欧米のポップカルチャーを融合させ、新しいイスラエルらしさを表現したのです。


そのためイスラエル人にとってカヴェレットは、青春時代の思い出であると同時に、国の文化的アイデンティティの一部でもあります。現在でもラジオやテレビで彼らの楽曲が流れ、多くの家庭で親から子へと受け継がれています。


もしイスラエル人と音楽の話をする機会があれば、「カヴェレットを知っていますか?」と聞いてみてください。きっと世代を超えて会話が盛り上がるはずです。