
不思議なフォルムのアクセサリーや驚くほど軽くて機能的なバッグは、すべて産業資材で作られたもの。『acrylic アクリリック』の経営者・デザイナーである坂雅子さんは、展示会で訪れたイスラエルで、日常の中で現代アートを感じたと語りました。坂雅子さんが見出した、モダンでスタイリッシュなイスラエルの魅力とは?
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自分が身に着けたいアクセサリーを創ったのが原点
坂雅子さんがデザインするアクリリックのアイテムは、公式オンラインショップの他に、ミュージアムショップやクリエイターの作品を集めたセレクトショップで販売されています。「もともと若い頃から、私が欲しいと思うアクセサリーはMoMAのショップにしかなかったんです」。
サーファーファッションやハマトラが全盛期だった学生時代、「青山の大学に通っていて、いつも一人浮いていましたね。キラキラした宝石には興味がなくて、全身緑色みたいな奇抜な格好をしていた時期もありました」。
自分が身に着けたいアクセサリー、持ちたいバッグを自らデザインし、素材にこだわってメーカーと改良を重ね、製品化してきた坂雅子さん。現在、オールブラックの装いで身に着けているアクセサリーは、どれも大ぶりで幾何学モチーフやモノトーンなど、辛口でシャープなデザイン。凛とした女性にふさわしい趣をたたえています。

Dorin Frankfurtでトークショーを開催
個性的な『アクリリック』のアクセサリーは、テルアビブにある建築家ロ二・ニールとアリエ・クッツご夫妻の邸宅で開催された展示会の他にも、幅広い人脈を持つご夫妻の尽力により、イスラエルを代表するファッションデザイナー、『Dorin Frankfurt ドリン・フランクフルト』のショップでも展示され、坂雅子さんのトークショーにはモードに敏感なゲストが大勢詰めかけました。


「私はほとんど黒と白しか着ないし、アクセサリーも黒、白、シルバー。イスラエルの方も黒と白が好きだし、もう空港に着いたときから、好みが合うと感じましたね」。『アクリリック』のアート感覚のデザインは、テルアビブのファッショニスタたちの反響を呼び、多くの人たちがその場でファンになってくれたそうです。


アートが日常に溶け込んだイスラエルの暮らし
坂雅子さんのご主人は、世界で活躍する日本屈指の建築家であり、2014年に“建築界のノーベル賞”と呼ばれる『ブリツカー賞』、アメリカ建築家協会が授与する『2026年度AIAゴールドメダル』を受賞している坂茂さん。坂雅子さんも建築に関する知識があり、イスラエルでも建造物や独特のインテリアに目を奪われました。「テルアビブは超高層ビルが立ち並んで、建築ラッシュですよね。街を歩いていると、幾何学モチーフもたくさんあって、やっぱり私はなにかに呼ばれたのか、と思いました」。

坂茂さんが設計した下瀬美術館は、2024年 ベルサイユ賞で『世界で最も美しい美術館部門 最優秀賞』を受賞していますが、ホロン・デザインミュージアムも、建物自体がアート。建築家ロン・アラッドが手がけた、赤いスチールリボンが建物を包み込むような外観が圧巻です。



acrylicの世界観に通じるテルアビブ美術館
「もうここだったら一日中いられると思ったほど、すばらしい場所でしたね」と坂雅子さんが回想したのは、テルアビブ美術館。迷路のような空間を歩いていると、突然アート作品がぶら下がっていたり、まさに建築そのものがアート。建築ファンにとっては、たまらない魅力にあふれている場所です。
欧米からアジアまで網羅した近現代美術と写真、工芸などの作品、イスラエルのアートをコレクションするテルアビブ美術館。2021年11月から2022年4月にかけて、『草間彌生の回顧展』も開催され、大きな反響を呼びました。

モダンでシンプルでありながら、造形に力があって、人それぞれが自分らしく楽しめる。テルアビブ美術館の空間は、坂雅子さんが手がけるアクリリックの世界観に通じるものがあると感じました。


「美術館はもちろんすばらしいのですが、イスラエルでは、普通の生活の中にさまざまな形でアートが存在していて、みんな自然にそれに触れて楽しんでいる。そこが魅力でしたね」。
原点であるアクセサリーはもちろん、人気の高いバッグに加え、顧客のニーズに対応してウエア類も充実してきたアクリリック。「またテルアビブで展示会をして、感性の近いイスラエルの人たちにアクリリックを紹介したい」。そう語った坂雅子さんが、再びイスラエルで展示会を開催する日を、ISRAERUも待ち望んでいます。
acrylic 公式サイト https://acrylic-online.stores.jp/


