Share

FILM

分断を超え奔⾛する家族を描くドキュメンタリー「ホールディング・リアット」3月7日より全国順次ロードショー

by Keiko |2026年03月05日

映画『ホールディング・リアット』のポスター

ハマスに人質として拐われた娘を救い出すために、分断を超えて奔走するイスラエル人家族を描いたドキュメンタリー映画「ホールディング・リアット」。世界各国の映画祭で注目を集めた力作が、いよいよ日本で公開されます。


痛ましい事件から立ち上がった家族に迫るドキュメンタリー

「『ホールディング・リアット』は復讐ではなく、⼈間性への道を⽰す。フェンスの向こうを⾒据え、隣⼈を殺すのではなく慈しむよう私たちに問いかける作品だ」。そう語ったのは、第75回ベルリン国際映画祭ドキュメンタリー部⾨審査委員⻑を務めたペトラ・コスタ。


ベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した『ホールディングリアット』は、『ブラックスワン』や『ザ・ホエール』の監督として知られるダーレン・アノフスキーもプロデュースに参加し、世界各国の映画祭に正式出品。第98回アカデミー賞では、長編ドキュメンタリー映画賞のショートリスト入りを果たしています。


映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures

【映画概要】

突然の襲撃、引き裂かれた家族。2023 年10⽉7⽇の朝、イスラエル南⻄部のキブツ(農業共同体)「ニールオズ」がハマスの武装勢⼒に襲撃され、住⺠およそ400⼈のうち、4分の1が殺害されるか⼈質となるという壊滅的な被害を受け、リアット・ぺニン・アツィリと夫アヴィヴもガザへと連れ去られる。
⽗イェフダら家族は、2⼈を救うため必死の⾏動を開始する。イェフダは⼈質解放を求め、バイデン政権に働きかける代表団の⼀員として訪⽶する。しかしそこで、⼈質家族の存在が、イスラエル政府による戦争継続の「理由」として利⽤されている現実を知り、愕然とする。

愛する家族の安全な帰還を切望する切実な視点を軸に、政治、歴史、分断された価値観が交錯する本作は、イスラエル・パレスチナ問題に多層的な視座をもたらすドキュメンタリーとして話題を呼んでいる。



Brandon Kramerブランドン・クレーマー監督は、米国・ワシントンD.C.を拠点とする映画監督。刑事司法制度に迫ったドキュメンタリー『THE FIRST STEP』(トライベッカ映画祭、AFIDOCS)で話題となり、『CITY OF TREES』(フルフレーム・ドキュメンタリー映画祭、PBS、Netflix)、ウェビー賞受賞の独⽴系ドキュメンタリーシリーズ『THE MESSY TRUTH』(CNN)を監督するなど、いま注目を集めている気鋭の映像作家です。


映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures
映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures

ブランドン・クレーマー監督のメッセージ

2023年10⽉7⽇以後、親族のイェフダの娘リアットと娘婿のアヴィヴがガザ地区で⼈質となったと推測されていることを知りました。イェフダは家族とともにワシントンD.C.へ赴き、リアットとアヴィヴの解放を求める活動を⾏うつもりだと教えてくれました。それからのことは予測できませんでしたが、私たちはこの家族の体験を記録する必要性と、義務を強く感じました。


まずはイェフダらと話し、彼らに寄り添うことから始めました。撮影開始から数⽇経つと、⼈質解放や激化する戦争の終結、和解への道筋について、家族⼀⼈ひとりがそれぞれ多様な視点を持っていることに気付かされました。私たちのカメラは、彼ら⼀⼈ひとりの本⾳を共有する時間を捉えることができました。


10⽉7⽇から1年以上経った現在(コメント発表当時)も、⼈命は危険に晒されています。⼈質は拘束されたまま、数万⼈のパレスチナ⼈が命を落とし、双⽅で⼈々が苦しんでおり、こうした諸問題をめぐる議論は、コミュニティや家族内ですらますます分極化しています。


直接的な影響を受けたある家族の物語と、彼らが互いの違いをどう乗り越えたかを描いた本作が、この戦争を理解する新たな可能性を開くこと、そして暴⼒の連鎖の終結に寄与することを願っています。この家族のレジリエンスと率直さ、そして理解を広げようとする本作以外にも、イスラエルとパレスチナについての映画によって、観客がより深い問いを投げかけ、癒しと和解への道筋を⾒つけるきっかけとなることを願っています。


映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures
映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures

自分で観て、感じとり、考えることを教えてくれる作品

日本を代表するドキュメンタリー映像作家・作家の森達也は、「被害側も加害側も一色ではない。そもそも被害も加害も単純には分けられない。当たり前だ。そんなことはわかっていたはずなのに、その発想をいつのまにか止めていた自分に気づいた。観てよかった」。そうコメントを寄せています。(『ホールディング・リアット』公式サイトより)


報道とは違った視点で捉えられた、イスラエル人それぞれが向き合った現実と切実な想い。ぜひ映画館に足を運んで、自分の目で観て、感じとってください。


映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures
映画『ホールディング・リアット』の場面写真
©Meridian Hill Pictures

HOLDING LIAT ホールディング・リアット

2026年3月7日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
公式サイト https://unitedpeople.jp/liat/


ブランドン・クレーマー監督が来日し、上映後にトークイベントを実施予定。

・3月7日(土) 14:40の回上映後 登壇:ブランドン・クレーマー監督、ダニー・ネフセタイさん
・3月8日(日) 14:40の回上映後 登壇:ブランドン・クレーマー監督
※予告編なし本編から上映します

【チケット】
オンライン予約の場合=ご希望のご鑑賞日の3日前午前0時より販売